15年前に6か月の長女とイタリアを旅したお話
現在高校1年生の長女が6か月のとき、二人でイタリアを旅したお話をご紹介しています。お子さん連れで旅に出たい。でも無理!と思い込んでいる方の参考になりますように。
◆これまでのお話
長女の誕生と密室育児と読書三昧:6か月長女とのイタリア3週間二人旅その1
私が影響を受けた本:6か月長女とのイタリア3週間二人旅その2
赤ちゃん連れ旅行の情報収集とプランづくり:6か月長女とのイタリア3週間二人旅その3
赤ちゃん連れ旅行のグッズと練習:6か月長女とのイタリア3週間二人旅その4
赤ちゃんと二人旅 バス・電車・飛行機のコツ:6か月長女とのイタリア3週間二人旅その5
母子二人の宿は治安+開放感とコミュニケーションを大切に
私はもともと、バックパッカー的な旅が好きです。それまでも、民宿やユースホステルをよく利用していました。
民宿やユースの魅力は、価格の低さもさることながら、自室以外の場所をうろつくことができたり、宿のスタッフや他の宿泊客とお話したりできることがあります。
このイタリア旅行でも、そうした交流ができそうな宿を積極的に探しました。
交流のメリットを私は以下のように考えています。
その人たちの暮らしぶりや考え方から刺激を受けられる
日本の常識が世界の非常識ということはよくあります。これまで紹介しているイタリアの様子でも、公共交通機関での親子連れの優遇されっぷりは、当時の日本では考えられないことでした。
お宿のスタッフの方もいろんな方がいらっしゃいました。
・元ローマのホテルマンとドイツ人妻。娘のアレルギーをきっかけに、パパの地元で民宿をオープン(イスキアのアグリツーリズモ<農家民宿>)
・妻はお宿経営、夫は日雇い労働者(カプリのboarding house<部屋貸しの下宿>)
・夫婦で賃貸住宅経営。「持ち家や賃貸住宅を買って、貸すのが一番いい」と力説。(ローマのB&B<朝食付きの部屋貸し>)
こうしたスタッフの方々とお話したり、ご家族の様子を垣間見るのは、
「いろんな生き方があるなあ」
と視野を広げることにつながりました。
子供がのびのび過ごせる。遊んでもらえる
せっかく旅に出たのですから、密室育児からは脱出しましょう。子供たちが大きくなってからも、自室にだけ閉じこもるよりも、歩き回れるような宿のほうが楽しいですね。
宿の共同スペースには積極的に出かけ、宿の人や他の宿泊者と交流するのがオススメです。
母子だけで向き合うのではなく、ほかの方にも関わってもらうことで、子供も遊んでもらえるなど、親子とも楽しめます。
イタリア旅でも、お宿のお子さんと遊んでもらったり、食事のときなどに私がゆっくり過ごせるようにと、抱っこしてもらえることもありました。
私がイタリアで泊まった宿
私がイタリアで泊まったお宿もご紹介します。
まずイタリア一泊目は、ナポリ駅近くのホテル「Primus」でした。ここは日本から予約したのですが、クタクタだったからか写真も撮ってないようです。とにかくホテルなら、大きく外すことはないだろうと思って、1泊目はホテルにしたというだけの理由でした。
以後の宿は以下のとおりです。
温泉と白ワインの島「イスキア」のアグリツーリズモ「 L’Agriturismo La Pergola 」
丘の中腹にあり、部屋の前に出ると目の前に地中海が広がります。庭には花々が咲き、その庭のベンチに座っての授乳は開放感抜群でした。
こちらは自家製の生ハムと白ワインが食い飲み放題、卵や野菜の多くは自家製、パンも自家製。本当に何を食べても美味しかった。
ご主人のジューズウェイさんは、元ホテルマンでこの宿では料理も担当。ワインも生ハムも、庭の遊具もなんでも作ります。
奥様のガブリエッラさんはドイツ人の元エンジニア。客が食事するダイニングで、ご自分も子育てなさっていました。
「日本では子供がどんどん少なくなっているんでしょう。どうして? 将来はどうするの?」
といった質問もいただき、育児についてもいろいろお話しました。
お宿には6歳、4歳、1歳と3人のお子さんも。
そのほか、クロアチア人の従業員さんがオリーブオイルやジャムなどの製品づくりを手伝っていらっしゃいました。
ティレニア海に浮かぶ宝石「カプリ島」のBoadinghouse「Aila Bussola di Hermes」
こちらはネットで見ると私の記憶とちょっと違う。(住所は同じなんですが)
リゾート地で有名なカプリですが、土地勘のない私は住宅地に宿を取ってしまったようで……グネグネと曲がりくねった小道の奥にお宿がありました。自動車も入れないので、ベビーカーを押して歩くしかない!
敷地内にはフロントの棟がありチェックイン。
宿泊所を起業したリタさんと
正直なところ、お部屋には窓がなく、ベッドのスプリングもガタガタ。これはちょっと失敗した感じでした。「キッチン付き」とお願いしていたのに、キッチンはなく、私がそれを指摘したところ、「親戚の家から借りてくる」といって、急遽ガスコンロを設置してくれました。(でも、流しはないの)
住宅地ということで、昼2時くらいにはあちこちの家々からいいにおい。昼休みは2時間くらいあって、帰宅してから食事するのが普通みたいですね。
ここでリタさんからのアドバイスが
「サレルノはあまりきれいじゃない。それに今の時期は船が出てないのよ(『地球の歩き方』が違っていた)それなら、ソレントに向かってから電車でポンペイまで行って宿を取るといいわ」
カプリでは天気があまり良くなかったこともあり、「青の洞窟」の観光だけして島を離れることにしました。
リタさんは予約の取替を手配してくれました。そこで紹介されたのが、ポンペイのCASA DEL PELLEGRINOでした。
幻の都市「ポンペイ」の宿坊?CASA DEL PELLEGRINO
ポンペイではリタさんが予約してくれた宿に向かいました。「裏が警察署だし、街の真ん中だし、治安は大丈夫」とのこと。向かってみると、かつての宿坊のような宿泊施設をユースホステルとして利用されているようです。
フロントを通ると中庭をぐるりと囲むように、部屋が並んでいます。ベッドは一部屋に4つあり、本来は相部屋が基本です。赤ん坊連れということで、1人分の料金(15ユーロ=2000円くらい)で1部屋を使っていいよと、お申し出をいただきました。
中庭に面しているせいか、とても静か。街一番の教会の真向かいにあるため、鐘の音が時折聞こえるなど、とても風情のある宿でした。
夕方から夜になると、この中庭に旅行者たちが集まり、語りながらワインやビールを楽しむ姿が見られました。
朝ごはんは宿の中にバル(喫茶店のような立ち飲み屋のような軽食屋のようなお店)があり、イタリアの定番の甘いパン&エスプレッソを出していただけました。
このカウンターに立つ女性・フランカさんは3人子供がいて、朝だけこのカウンターにパート?にきているそうです。
このポンペイのまちなかには、「i」の看板が出た観光案内所がありました。ここでローマの安い宿を探してもらい、借り換えをしました。
永遠の都・ローマのBed&Breakfast Mauro&Gina
ローマはさすがは世界有数の観光都市、お宿の値段もそれなりです。そんななか、朝食付き1泊60ユーロの宿をご紹介いただきました。おまけに、サン・ピエトロ寺院まで徒歩すぐの場所とのこと。それが「Bed&Breakfast Mauro&Gina」でした。
Bed&Breakfastというと、景色がいいお庭が見えるようなダイニングで、見目麗しい朝食をゆったりと楽しむ……みたいなイメージがあったのですが
住所の場所にいくと、普通のマンション??
恐る恐る呼び鈴を鳴らすと
「aspettare、aspettare(待って、待って)」
と男性の声。降りてきた男性がご主人のマウロさんでした。本当におうちはマンションのような感じで、3部屋ある個室を旅行者に貸していらっしゃいました。(ちなみに家主のお二人は納戸のようなスペースに二段ベッド。普段はキッチン・ダイニングで過ごしていらっしゃいました)
バチカンが本当にすぐそこだったので、朝夕の鐘の音が感動的な荘厳さ。本当に素敵なお宿でした。
奥様のジーナさんも、イタリア語しか話さない方だったので、コミュニケーションには少々取りづらかったものの、指差し会話集と辞書でなんとか乗り切りました。今なら翻訳アプリがあるので、楽でしょうね!
この宿には1週間滞在しました。昼寝の時間以外はたいてい扉を開けていて、ロシア人女性など他の宿泊客ともおしゃべり。
日本からの電話での問い合わせに「出て」とジェスチャーで示され、出てみるも、相手の言葉はわかるけどそれをイタリア語でマウロさんに伝えられないというハプニングもありました。
途中、夕飯をごちそうになったことも。夜はたいていダイニングで、片言イタリア語と辞書を指しながら、その日訪れた場所や感想を話してました。
一緒に洗濯したり、アイロンがけを習ったり(イタリアの方は下着を含め、なんでもアイロンをかけるとのこと)、一緒に街に出かけた日もありました。
帰国の日には、お二人とも涙。私も涙。
子どもたちが大きくなった今でも、また行こうと話しているお宿です。
要望もお礼もしっかり伝えよう
と、ここまでお伝えすると、私が語学堪能と思われるかもしれません。が、そんなことはありません。英語は挨拶と料理の注文程度、イタリア語は「チャオ」くらいしか言えない状態でした。
それでも、言いたいことがあるときはジェスチャーやイラスト筆談、指差し会話集などを駆使して、伝えるようにしました。
すると、先方も理解しようと頑張ってくださるんですよね。
ちなみに、私は海外旅行に出かけるとき、その国の言葉を最低3つ覚えていきます。
「ありがとう」
「おいしい」
「トイレはどこですか」
ひとまず、これでなんとかなる印象です。
あとは、インフォメーションコーナー(イタリア語がわからない前提で対応してくださる)を活用したり、語学堪能な日本人の方に通訳をお願いする(お礼も忘れずに!)など、工夫してみましょう。
イタリア語しか理解しない方相手に、
「イタリアはたいていの宿がシャワーだけだけど、赤ちゃんと一緒だとシャワーは大変なんだよね」
と伝えようと努力した結果、たらいを持ってきてくださいました。感激!
「伝わる」って本当に嬉しいものですね。
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