私が影響を受けた本:6か月長女とのイタリア3週間二人旅その2

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15年前に6か月の長女とイタリアを旅したお話

前回から、現在高校1年生の長女が6か月のとき、二人でイタリアを旅したお話をご紹介しています。

お子さん連れで旅に出たい。でも無理!と思い込んでいる方の参考になりますように。

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読書で広がった視野

産後の体調不良、子供を持ったマイナス点にばかりが見えて鬱々とした時期、私は毎日、娘を連れて図書館の授乳室に通い、本を読む日々でした。

そこで出会った本で印象に残っているものをいくつかご紹介すると……

 

定本育児の百科 (岩波文庫)〔全3冊セット〕

Amazonの紹介文より
育児という未知の体験で日々不安に直面した多くの人々が本書によって導かれ、勇気づけられた。開業医としての経験の蓄積と内外の最新の医学書に目を通して改訂を続けた不断の努力による本書は、単なるハウツー本ではない。最晩年まで社会的活動を続けた著者の仕事の集大成であり、平易な言葉で書かれた思想の書である。
*****
それまで読んだ小児科医の先生方の育児書で、「お母さんはこうあるべき(子供の健康維持と看病に、自分を犠牲にしてでも尽くすべし)」論にがんじがらめになっていた私の心に風穴を通してくれた育児書です。同じ先生が、子供目線からの著書も出していらっしゃいます。これも眼からウロコでした。

私は赤ちゃん

Amazonの紹介文より
はじめての赤ちゃん。待ちに待った誕生。しかし、新米の母親父親にとって子育ては不安の連続でもある。授乳のしかた、衣服の調節、夜泣き、離乳、加えて下痢や発熱、ひきつけなど赤ちゃんの病気も多い。ゆったりした楽しい気持ですこやかな赤ちゃんを育てるために、家庭は、社会はどうあってほしいかを、赤ちゃんの目を通して考える。

まさに、私に必要だったのは、「ゆったりした楽しい気持ち」でしたね……。

マザーグースと三匹の子豚たち

桐島洋子さんの子育てエッセイに出会ったのも、この時期です。

マザー・グースと三匹の子豚たち (1978年)

作家活動を休んで、3人の子供たちを連れてアメリカで1年間くらした記録です。こんなにも自由でたくましい母親がいるのかと、自分の姿と比較し、ショックを受けると同時に、憧れました。

イタリア田舎生活の愉しみ

また、以前から好きだった料理研究家の有元葉子さんが、イタリアに家を買い、そこでの生活ぶりを紹介し始めたころでした。

イタリア田舎生活の愉しみ―見えてきた私らしい生き方

イタリアの田舎はなんてキレイなんだろうと感激し、有元さんの丁寧な暮らしぶりをウットリ眺めておりました。

漂白の思ひやまず

私は子供を授かる前から、旅が、それも一人旅が好きでした。

初めて1人で出かけた泊りがけ旅行は、中学3年のとき、能登の輪島の1泊2日でした。中高生のときには国内をときどき旅し、大人になってからも、ニューヨーク、ウィーン、ゴールドコースト、ホーチミンなどに、少しお金が貯まると、節約旅行に出かけていました。

観光地や都会ではなく、地元の人の暮らしぶりを垣間見るような旅が好きでした。

同時の状況を解説すると、スマホもFacebookもなく、外国への旅行中はまったく連絡ができない状況になりました。

海外にいる方からは、コレクトコール(電話の着払いです。電話して、英語しか話さない交換手に、自宅の電話番号を伝え、つないでもらいます)などで電話するしかありません。それまでの私は、ホテルのFAXで絵手紙を家族に送っていました。

そのくらい開放感ある、自分自身だけでいればいい場所が海外でした。

毎日のウォーキングと読書で、心身がだんだん元気になってくると、私の心に

旅に出たい

という思いが募るようになりました。

「月日は百代の過客にして、行き交ふ年もまた旅人なり。船の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、日々旅にして旅を栖(すみか)とす。古人も多く旅に死せるあり。 予もいづれの年よりか、片雲の風に誘はれて、漂白の思ひやまず、海浜にさすらへ……」(『奥の細道』より冒頭)

まさに、漂白の思いやまぬ、松尾芭蕉の心境です。

子供を連れて旅に出るか……と思いつき、図書館で本を探しますが、見つかるのは、母・父・子供でディズニーランドやハワイに行くような記事ばかりです。

私が求めているのは、見知らぬ土地で見知らぬ人々とただの自分自身として接することから生まれる自己理解です。大事にしているものが違います。

やはり無理かと諦めはじめたとき、こんな本を見つけました。

ベイビーパッカーでいこう!―赤ん坊とザック担いでスペインの旅

「赤ん坊とザック? スペイン?」
表紙の雰囲気から、パパの姿は見て取れません。

読み進めると、もう、びっくり!

この人は私か???

著者の「おぐにあやこ」さんは、新聞記者で育児休業中。同じ会社で同様に働いていた夫について、
「妻に育児休業を取らせ仕事に全力投球する夫は、あまりに不条理な存在だった」そう。

夫を妬み、男女の性別役割分担に腹を立てるのをやめたい。育休を楽しみ、夫や男性たちに「うらやましい」と言わせたい。そして、
「子供がいるから何もできないと思う自分から、自由になりたい」
と赤ん坊と二人で旅に出ようと決めたそうです。

もともとバックパッカーであったことから、ザックを担いで出かけることにしたそう。

私が考えていたことと同じだ……

私はその本を借り、一気に読み進めました

つづく

 

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