起業されたばかりの方やフリーランスとして活動するから「自分のウリが分からない」というお声を聴くことがあります。ご自身のウリを見つけたいとき、まずは「自分のいいところ」を書き出して見てはいかがでしょうか。
【ある日の夕ご飯 鯛のアラ煮、とれたて蕨の酢味噌和え、自家製ご飯など】
なぜウリを知っておく必要があるのか
謙虚なことはよいことです。
しかし、
「私なんて、いいところはありません」
と後ずさりしていくフリーランスに仕事を頼みたいという顧客、はよほど稀でしょう。
独立して働いていきたいなら、
「私はコレができます」
「こういうところが私に依頼するメリットです」
とウリを明確に伝えたいところです。ホームページやブログがあるなら、ぜひ記載したい情報です。
なぜなら、ウリが明確となることで、
「だからコレだけの価格で、サービスをご提供しているのです」
と価値を価格に結びつけ、安売りを防ぐことができます。
また、顧客の期待するサービスや対応とのミスマッチも防ぐことができます。
そして、自分自身が「どんなウリを発信していくか」という情報発信の軸をもつことができるからです。
ところで、あなたは自分のセールスポイントを尋ねられたとき、
「これが自分のウリです」
と即答できますか。
自己評価は低くなりがち
特に女性フリーランスと話していると、
「私なんて、まだまだです」
「もっとすごい人がいっぱいいますから、私は普通です」
「自信がなくて動けないんです」
といったお声を聴くことが多いと感じています。
本当にまだまだかというと、実際はその方たちはすでに活躍されていたりします。
自分をもっと高めようと自分を叱咤する意味もあるでしょう。また、実情を伴わないビッグマウスは、もちろんよくありません。
ただ、自分のウリが実感できないために、自信がなくなってしまうとか、動けなくなるというのは問題です。
どうして、私たちは、こんな風に、自己評価が低くなってしまうのでしょう。
それは、自分ができることは「できて当然」、自分の特徴は「誰でも当たり前」だと、私たちが考えてしまうからではないでしょうか。
しかし実際はどうでしょうか。
私たちは全く違う人間で、異なる経験を得ながら生きてきました。そのため、誰にでも、その人だけの特徴があります。
同じように、誰でも、異なるウリを持っています。
「ウリがない」
と嘆く方は、ないのではなく、
「ウリを自覚していない」
のではないでしょうか。
では、自分のウリを自覚するには、どうしたらよいのでしょうか。今回は、ニつの方法をご紹介します。
「自分のいいところ」を100個書き出してみる
まずは、「自分のいいところ」を100個書き出してみましょう。
「え! ないですよ」
とあなたが感じたとしたら、自分のウリを自覚できていませんね。
「みっつやよっつくらいなら、すぐに出るけど100個は多い」
と感じたあなたは、まだ意識していない「よいところ」を持っている可能性が大きいですね。
紙でも、パソコンでも、思いつくままに書き出してみてください。「いいところ」は性格でも、経験でも、スキルでも、ジャンルはなんでもかまいません。
始めはきっと、普段から感じている「いいところ」が出てきますよね。手が止まったら、こんなことを思い出してみましょう。
- これまでに「すごいね~!」といわれたこと
- よく尋ねられること(他人からよく質問されること自体が「いいところ」ですね)
- ずっと好きだったこと(長い間同じものを好きなところ自体も「いいところ」)
- 最近好きなこと(新しいものの魅力を発見できるところ自体も「いいところ」)
「こんなつまらないことは、ウリではないよなあ」
ということも、絞り出してみましょう。
一見すると仕事に役立たないようなことも、どんどん書きましょう。※私だったら、「実はロンダートバック転ができる」とか。そういう仕事に1円にもならないことでいいんです。
それでもまだ「自分は欠点ばかりでウリなんてない」と感じたら、次の方法も試してみましょう。
短所や欠点だと思われることろを言い換える
自分の短所や欠点が目につくなら、ポジティブな言い方に変換してみます。
例えばお料理を例に例えてみます。
以前、鯛のあら煮を作ったとき、子供たちは
「骨が多くて食べにくそう」
「ほんとは捨てるところだよね」
と欠点にまず目が行きました。
しかし、
- 「骨の近くや頭についた身は味がいい」
- 「骨から出しが出るので、汁の味もいい」
- 「普段捨てられるところをいただくので、食品ロスを減らせる」
- 「命を最後までいただくことになる」
- 「骨のある魚をキレイに食べられる女性は好感度が高い」
などと、あら煮の
「よいところ」
を伝えたところ、そちらに意識が向いていきました。
そしてひとくち食べて
「ほんとや、美味しい!」。
それからは、大きな身、美味しい部分を見つけるゲームを楽しむように、パクパクとあら煮に箸を伸ばしていました。
仕事面でいえば、例えば、私の場合「3人の子供がいて、子育てと仕事の両立が大変」というのは、仕事人としてはデメリットだと考えがちです。しかし……
- 子育ての経験を仕事に反映させられる
- プライベートと仕事のメリハリつく
- 子供世代の目線に普段から接することができる
- 時間のやりくりがうまくなった
などと言い換えることが可能です。
ほかにも、「転職、転居が多い」という事実を「ひとつの業界・地域に詳しくない」と受け止めるか、「様々な業界を経験してきて、視野が広い」と考えるかは、その人次第です。
一見欠点に見えるところも、角度を変えてポジティブに捉えると、見えるものが違ってきます。
「よいところ」を掛け合わせるとオリジナリティになる
書き出した中に、普段は意識しなかった自分の特徴や、他の人があまり持っていないような経験がすぐに見つかったらラッキーです。
そうした特徴は「ウリ」に直結します。
ひとつひとつの特徴が平凡だと感じたは、その「よいところ」をいくつか掛け合わせてみてはいかがでしょうか。
例えば、私の場合
「元新聞記者×元雑誌編集長×フリー編集者」
はどうでしょう。この3つを満たす方には、実はまだ出会ったことがありません。おそらく、なかなか珍しい特徴かとは思います。
以前参加した、妊婦健診関係の広報ツール制作のプレゼンでは、
「約30回の妊婦検診を経験×3人の娘の子育て中×編集者」
であったことも、企画採用の要因のひとつだったのでは?と感じています。
「大学で日本語学を専攻×国語の教員免許を持っている×娘に読書感想文の書き方を教えられる×編集者」
ということで、子供の国語力を上げたいと考えているお母さん方を対象とした「国語力を上げるために親ができること」をテーマにしたセミナーの講師に招かれたこともありました。
とつひとつの「よいところ」が平凡だったり、習得レベルが最上でなかったとしても、それぞれを掛け合わせることで、他の人と比較しようがないオリジナリティや、あなたならではの仕事やコンテンツが生まれます。
「いいところ」や「ウリ」「オリジナリティ」が自信につながる
「いいところ」を小さなことまで思い出し、欠点として挙げたくなることをポジティブに言い換えて「ウリ」みつけ、「オリジナリティ」に気付くと、自信がつきます。
というより、自分が自信をもっていて当然の人間だったことが思い出せます。
プロとして、人間として自信をもつことは、フリーランスとして活動していくための、強さと勇気をもたらしてくれると私は感じています。
フリーランスでない方も、気持ちが沈んだときやなんだか元気が出ないというときに、「よいところ100個」に取り組んでみてはいかがでしょうか。自分への見る目が変わります。
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