子ども連れイタリア旅というと、「そんなお金がよくあるね」と驚かれることがあります。収入のそれほど多くない我が家で、いかに旅の資金を貯めるのか。まずは、旅そのものの費用を下げる工夫をしています。
【移動は基本的に公共交通機関<ローマの路線バスにて>】
「海外旅行」は高いのか
手とり足取りの高付加価値パックツアーは金額も高くて当然
まず、海外旅行が本当に高いのかということについて、考えてみましょう。
ひとことに「海外旅行」と言っても、いろいろな旅があります。
新聞広告などで見かける高額なツアーの中には、
- 短い日程の中で何都市も周遊
- 全日程、貸切バスで添乗員付き
- 直行便利用
- ホテル内で3食付き
- よいホテルに泊まる
といった手取り足取りきめ細やかなケアがついているものもあります。こういった人手がいるサービスがついた海外旅行は、金額も当然上がります。
ここで考えたいのは、今の自分にとってこれだけのサービスが本当に必要なのかということです。
私も将来、足腰が弱くなるなどの理由で、ホテルならではの快適空間やバス移動やホテルでの食事に価値を感じる日がくるかもしれません。こうしたサービスに甘える楽しみは、そのときにとっておいています。
20代のときからバックパッカー的な旅行を楽しんできました。子どもが一緒だと、集団行動に合わせづらいこともあり、このスタイルがますますラクですね。
ディズニーリゾートとの比較
海外旅行にはいかなくても、家族でディズニーリゾートにはいくというご家族は珍しくありません。
私が家族でディズニーランドに行ったのは、10年以上前、横浜に住んでいたころです。横浜からでも、ディズニ-ランドは、入場料、中での食事、お土産ものなどがお高いわ……と感じていた思い出があります。
地方から遊びに行こうというご家庭は、これに交通費や宿泊費が加わるわけですから、なかなかの出費ではないでしょうか。
ディズニーリゾート数回分をまとめれば、海外旅行1回分の費用には、ゆうに届きそうな気がします。
旅の出費はできるだけ抑えたい
と、見てきたように、手取り足取り系でなければ、とことん高いわけでもない海外旅行。とはいえ、そんなに収入が多いわけでもないのに、家族で何回も旅を楽しみたいなら、1回あたりの費用を抑える工夫は不可欠です。
そこで、今回で4回目の子連れ海外旅行に出たワタクシが、工夫していることをご紹介します。※「こうするといいよ!」の情報も大募集!
1,安い時期を狙う
まずは、航空券や宿が安い時期を狙いましょう。日本から海外にでかける場合は、
- 夏休み・冬休み・春休みなど学校の長期休暇を避ける
- ゴールデンウィークなどの連休を避ける
ようにすると航空券の料金を比較的抑えることができます。
また、ヨーロッパは夏が、東南アジアは乾季がハイシーズンです。この時期は、ホテル代などが高くなる傾向にあります。
ハイシーズンとなる時期は、晴れの日が多く、過ごしやすい天候なのは確か。とはいえ、ヨーロッパで泳ぐ予定がないなら、秋でも春でもかまわないわけです(私は超がつく寒がりなので、冬は辛そう)。
アジアの雨季は、日本の梅雨と違い、雨は集中的にいっときに降ります。それ以外の時間は晴れています。
私がこれまでイタリアにいったのは3月か4月です。この時期でも、現地の暮らしぶりの垣間見やミュージアム巡りが好きな私には何ら不満なし。むしろ暑くないほうが、街歩きはラクですよね。
2,安い航空会社、乗継便を使う
飛行機のチケットは、航空会社によって異なります。また、出発地と目的地が同じでも、どこで乗り換えるかによっても価格が異なります。
費用を抑えるために、価格を比較して、安価なものを選ぶのも手です。今回は、行きは中国東方航空を利用し、上海とパリで乗り換え(パリからローマは、アリタリア航空)。帰りは同じく中国東方航空を利用し、上海で乗り換えでした。
ただ、安いのにはそれなりの理由があることも多いものです。たとえば、接客が雑とか料理が美味しくないとか、設備が古いとか……今回は全て当てはまる感じでしたが(笑)。
ちなみに、私の席は、以下のような不具合がありました。
- 携帯充電用のUSBが壊れていて、充電できない
- 座席前ポケットに、使い終わったイヤホンがそのまま入っていた
- テーブルを出すと、前のお客のパンくずがいっぱい
- テーブルが壊れていて、水平ではなく手前が下がっていたため、食事のトレイが滑り落ちてくる
目的地には行けたのでよいといえばよいのですが、先のような不具合を受け入れるかどうかは、本人の価値観次第です。
3,ホテル以外の宿に泊まる
「ホテルと航空券がセットでオトク」という場合を除き、ホテルは価格が比較的高くなりがちです。ホテル以外の宿で、宿泊費カットを工夫してはいかがでしょうか。
ホテル以外の宿には、以下のような例があります。
- アパート(1泊から利用できるところもあります)
- B&B(ベット&ブレックファスト=お部屋と朝食のサービス。一般のご家庭の1室といった場合も)
- アグリツーリズモ(直訳すれば「農業観光」。農家の民宿<りっぱな宿のこともある>で、そこの農作物や生産物をいただける)
- ユースホステル
私が今回のイタリア旅で利用したのは、B&Bとアパートです。
B&B Domus San Pietro(ローマ・バチカン近く)
アパート Mini Loft Decorialab(ボローニャ)
一流ホテルのような快適性はないかもしれませんが、十分に清潔で、生活に必要なものは揃っています。
また、現地の方の暮らす様子も感じることができます。今の私にとっては、こちらのほうが魅力的でした。
なお、ユースホステルなど、ドミトリー(相部屋)が基本の宿でも、家族連れと伝えておくと家族だけで部屋を使わせてくれる(ファミリーユース)ことがあります。
4,スーパーで買い物して自炊する
ヨーロッパは物価が高く、日本の感覚からすると特に外食は高く感じられます。なにせ、水すら有料です。
一方、スーパーに入ると、食材は安く感じられるものが多くあります。パンや果物、乳製品、本格的なソーセージや生ハム、ワインはかなりお得感がありました。
そこでオススメしたいのが自炊です。
自炊なら、夜に子連れで街を歩かずに住むという、安全面でのメリットもあります。夕飯でお酒を飲んでも、夜道を酔っ払って歩く危険を避けることができます。
今回のイタリア旅では、夕食後に「女子会」と称してダラダラと、お菓子や生ハム、ジュース&ビールをお供にお喋りするのも、至福の時間でした。
5,お土産は最小限に
海外旅行でやっかいなのが土産です。なにがやっかいかというと、以下のような意味でやっかいです。
- 買うための時間と手間がもったいない
- 買うための費用。せっかく節約してるのに
- 街歩きや持ち帰りにかさばり邪魔になる
- 「あの人への土産、まだ買えてない」などとずっと気にかかる
とまあ、「なんで高いお金をかけてわざわざ遠くまできたのに、そんな些末なことをずっと気にしないといけないのさ」というやっかいさです。
海外で過ごしている時間には、その時間を確保するための費用がかかっています。おつかいのために行っているわけじゃありません。
なので、費用も、購入にかける時間も、最低限度に抑えるように心がけましょう。
6,旅の英語を使えるようになる
海外旅行をするなら、英語が使えると、安上がりになることが多いと感じます。
例えば、インターネットでチケットを予約するとき、英語表記のサイトなら手数料が無料や安価でも、日本語のサイトは手数料が多くかかる場合がみられました。
Google翻訳などのサービスを利用しながらでも、英語のサイトが使えるといいでしょう。
今回のイタリア旅行では、駅の券売機で英語表記の画面で電車の切符を買いました。これができないために、タクシーや貸し切りバスツアーを利用するとしたら、かなり高くついてしまいます。
また、旅行中は日本人をターゲットに、高いものやサービスを買わせようとする方が多く近寄ってきます。そんなときに、矛盾に気づいたり、きっぱり断ることもできます。
さらに、質問や意思表示すればよい情報を教えてくれるのに、質問しなければ放っておかれる……という場面にも遭遇しました。(このあたりについては、また別の回に詳しくご紹介します)。
私の英語は文法などがかなりアヤシイものですが、それでも口にできると(出川哲郎さんを見習って!)便利でした。
大切なお金は目的に合ったことに使おう
私は、貸し切りバスのツアーやホテルや夏のヨーロッパやレストランやショッピングがダメだとか、価値が低いと言っているわけではありません。
旅の目的が「ラクにいろいろ回りたい」「ラグジュアリーなホテルを楽しみたい」「ヨーロッパの夏のバカンスムードを満喫したい」「現地のグルメが一番の楽しみ」などといった場合は、もちろんそのためにお金を使うべきです。
ただ、私と子どもたちの旅は、そこが主眼ではありませんでした。
そんな場合は、不要な部分を節約しながら海外を旅することは可能ですよ、というお話です。
旅でもなんでも、目的は明確にし、大切なお金は大切なところに使いましょう。
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『テルマエ・ロマエ』第3巻
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