会社員編集者をやめて4年。自宅を拠点に独立し、家族の近くで働く「自宅しごと」を初めて3年目に入ります。おかげさまで、お仕事が途切れることなく働かせていただいております。
今、振り返ると、会社員時代に「やっておいてよかったこと」がいくつかあります。
【書籍や雑誌の編集をご指導いただいた師匠と 2016年4月】
ちょっと無理して与えられた仕事のスキルを上げる
私が編集プロダクションに入社したとき、最初は編集アシスタントとして、先輩編集者の指示を受けて、資料整理や取材同行、校閲・校正、取材やライティング、企画書の作成などを行いました。
作っている書籍は主に、社史や記念誌です。
それまでも書く仕事はしていましたが、新聞記者時代は日々のニュース、ウェブ編集者としては家庭菜園サイトの運営と執筆、ライターとしては広告のコピーを主に書いておりました。
富山に珍しい編集プロダクションで編集者を募集している!ということで応募しましたが、面接で「社史」と言われて「斜視」の文字が頭に浮かんだくらい、興味のないジャンルでした。実は。
そんな社史編集という新たな仕事は慣れないこと、知らないことばかりで、最初は本当に時間がかかりました。会社を出るのは真夜中という日もありました。付き合って指導くださった先輩方には、今でも心から感謝しております。
当時私は5歳、3歳、0歳児の母。両親が子どもたちを見てくれているとはいえ、早く帰って子どもたちの顔が見たかった。
しかし、このときの私は、
「1日も早く、上司や先輩から指示を受けなくても、1冊の本が作れるようになること」
を目標としていました。それは、
「指示を受けるのではなく出す側になれば、時間と場所の融通が効きやすくなる。そうすればもっと早く家に帰れる」
と考えてのことでした。
そこで、自分の知らないジャンルでも、やったことのない仕事でも、
「とにかくやる。わからなければ質問して、知識とスキルを自分のものにする」
と考えて取り組みました。休日も子どもたちを連れて図書館にいき、私の方は編集や文章、グラフィックデザインや写真、印刷など関連の本を借りては読み学びました。
この判断は、自分にとっては正しかったと思います。そのとき必死で学んだ知識が、私の財産となりました。
あのとき「ワーク・ライフ・バランスが……」などと判断して、自分をセーブしていれば、今も「子育て中だから」とアシスタント的な仕事や短時間出勤を続けながら、子育てと仕事の両立に苦しんでいたかもしれません。
私も家族も当時は少し無理をしましたが、「期間限定の無理」が必要なときもあるのだと、今になってみれば思います。
社内で他の人がやりたがらないことを引き受ける
他の人があまりやりたがらない仕事を引き受け得ることで、その仕事のスキルを上げたり、経験を増やすことが可能です。職場の仲間からも重宝がられて一石二鳥です。
私の場合は、「人前で話すこと」や「自社の情報発信」がこれにあたりました。
以前いた会社は職人気質な編集者が多く、裏方に徹するのが好まれる傾向がありました。
そんなときに「働く人を前面に出した会社のPR」のお話があり、「人前に出るのが苦ではない」ということで白羽の矢が立ったのが私です。編集に関するセミナーの講師依頼があったとき、「話すのは苦でない」ということで行ってこいと言われたのが私です。
このときに出会った方々とのご縁や講師の経験は、今おおいに生きております。
また、自社ホームページをリニューアルを担当させてもらったこともあります。今、広報支援をしていても実感することですが、自社のサイト運営って、けっこう面倒がられがちな仕事です。
このときは自社のブランディングを考えて、サイト構成を0から企画し、デザイン指示や写真撮影、文章作成を担当したり、自社のブログを毎日更新したり、フェイスブックページの更新したりしていました。この経験は今の仕事につながっています。
貴重な経験を与えてくださった会社には、感謝するばかりです。
自分なりの考えをもって仕事する
自宅でひとりで仕事をしていると、自分を管理してくれる上司も、指導をしてくれる先輩も、相談しあえる同僚もいません。
一方、自宅しごとは、スキあらば話しかけてくる家族がいて、やらなきゃいけない家事があり、すぐそこには横になって眠れるベッドがあります。
将来、独立や起業、自宅しごとを考えているなら、自分で考えて仕事を進める習慣や自分を自分で管理するクセを、会社員時代からつけておくことをオススメします。
仕事以外で「少しはできる(分かる)」ことをもつ
プライベートの活動が、仕事に役立つことがよくあります。私の場合は、以下のような経験があります。
- 趣味の家庭菜園が、家庭菜園情報サイトの編集の仕事に繋がった。
- 出産・育児の経験が、育児情報誌や母子医療関係の冊子や教育委員会からの副読本づくり、ママ向けマーケティングの仕事に役立った。
- 料理経験が、料理作成&写真撮影、商品企画の仕事に繋がった。
- トライアスロンが、トライアスロン協会の記念誌をつくる仕事に繋がった。
- コーチングが、編集チームの運営に役立った。
- PTA広報誌を作った経験が、編集プロダクションへの就職に繋がった。
プライベートの経験は、独立・起業後の仕事にもきっと役立ちます。興味のあることはどんどんやってみましょう。
自宅で仕事をする姿を家族に見せる
自宅で仕事をするということは、子供にとっては
「お母さんが家にいるけれど、自分に向き合ってくれない」
という時間が、日常的に存在するということでもあります。「家で仕事するようになって、前より寂しがらせている」という事態は、防ぎたいものです。
我が家の場合は、子どもたちが物心ついたころから、母である私が家で仕事する姿は当たり前のものでした(自営業のお宅はそうですよね)。そこで子どもたちがかなり小さいときから……
- 母親が高い声(滑舌よく話そうとしている)で電話しているときは大きな声を出さない
- 原稿を書いているときは、「今、声かけても大丈夫?」「キリの良いところになったら言ってね」など確認してから話す
といったことが、暗黙の了解になっております。
会社勤めの方は時々は在宅勤務の日をつくるとか「~時まではお仕事だけど、その後は一緒に遊ぼう」などと言い聞かせ、待てるように練習するなど、慣らしておくといいかもしれませんね。
「家で仕事していて、その間は自分の相手をしてくれない」と「自分を大事にしてくれない。自分を愛してくれていない」は明確に関連がないことをしっかり示しましょう。
約束を守る
当たり前といえば当たり前なのですが……
- 時間を守る
- 締切を守る
- やると言ったことはやる
- 陰口やウソは控える
- ひとを騙したり陥れたりしない
という姿が、仕事仲間やお客さま、家族からの信用と信頼につながると思っています。
- 仕事を頼んでいただける
- お金を支払っていただける
というのは信用と信頼があってこそ。独立してますます、信用・信頼はお仕事の源泉、何よりの資本だと感じます。
家族もあなたを信用・信頼していれば、「やりたい」「頑張っている」ということを応援してくれやすくなると思います。
というわけで、普段から、信用・信頼を積み上げるような生き方を意識していみてはいかがでしょうか。
昨日のGOOD&NEW
富山短期大学さんで、トミタンスイーツ・ラボ活動「モツ談義」企画、運営協力
メルマガ登録はこちらから
ここだけに掲載している林原りかの「自分史的自己紹介」をお届け後、言葉やブランディングで、ビジネスと人生を充実させるヒントをお伝えしています。返信もOK!
コメント