先日開催した「ひとりしごとマーケティングセミナー」は、新聞の取材を受けて、記事として掲載していただきました。
実は今回、セミナーに関して、プレスリリースは出しておりません。
それでも取材に来ていただけた理由と、取材する側にとってて歓迎される/されないプレスリリースについて、主催者とマスコミ側、両方の立場から考えてみます。
プレスリリースなしでも新聞取材された理由
「プレスリリース」とは、報道機関に向けた情報提供のことです。通常はA4の紙媒体やメール、ホームページなどで配信されます。
私は、中小企業や個人事業主さまのご依頼で、プレスリリースを作成するサービスも提供しています。
参考
しかし、今回はプレスリリースを出してはおりません。取材に来ていただけた理由は、記者の方やデスク(部署の取材や記事の統括やチェックをする役割)が、
「取り上げる価値(=ニュース性)がある」
と判断されたからでしょう。
記事は、どんな風に取り上げてほしいなどと要望したとしても、記者のフィルターを通して執筆されます。
掲載された記事を拝見すると、私がセミナーの主旨としてご挨拶でお話した中で、
「育児や介護に大変な女性も、働きながら家族との時間や趣味も充実できるように」
という部分に着目されていました。
参考記事
主催講演レポート:「好き」と「稼ぐ」と「時間のゆとり」を全部叶える! 井ノ上陽一さん「ひとりしごと」マーケティングセミナー
同じ日の新聞には選挙関連のニュースや安倍政権の女性活躍施策の効果を問う記事も出ていました。こうした時期的な要因も、このセミナーが取材され、「女性関連の記事」として紹介された背景にあるのだろうと推察します。
プレスリリースは「埋もれている価値ある情報を届けるため」
ニュース性のあること、時流に合ったことは、マスコミにうまく知られれば、何もしなくても取材されます。
ただ、記者さんといえども、情報を自分の足で見つけるには限界があります。また、記者さんたちは、とても忙しい毎日を送っていらっしゃいます。
私が新人記者のときは、知り合いも少ないため、取材すべき「ネタがない」と苦しんでおりました。
「埋もれている価値ある情報」は、受け取りやすい形にまとめてからお届けすれば、情報提供者のみならず、記者さんやその読者・視聴者のメリットにもなります。
それが、私が「広報支援」のひとつとして、プレスリリースの作成を行っている理由です。
プレスリリースのほとんどはそのまま処分
とはいえ、実はおおかたのプレスリリースは、そのまま処分されるといわれています。
処分されてしまうプレスリリースとは、どんなものなのか。元新聞記者・雑誌編集長の立場から、「歓迎されないプレスリリース」について解説いたします。
ニュース性・公共性がない
「こんなことやるので来てください」
「広く知ってほしいので取材してください」
それはあくまで主催者の都合です。これだけでは、媒体側は「では、広告はいかがですか」と感じることでしょう。
自分が開催するイベントや商品・サービスなどには、ニュースや記事としてふさわしい新奇性性や面白さはあるでしょうか。
それをまず考え、ふさわしいと感じたときは、その着目点を知らせるようにしましょう。
その媒体の読者・視聴者に合っていない
一斉配信の場合、読者層とまったく合わないプレスリリースをいただくことがあります。
対象がそぐわないプレスリリースは、目を通してしまっただけでも時間の無駄です。FAXの場合は、受け取る側の紙やインクを使うのでなおさら迷惑です。
「あなたの読者・視聴者に、こんな情報が役に立つのでは?」という気持ちでご案内しましょう。もしかすると的外れなこともあるかもしれませんが、それはかまわないと思います。
直近すぎる
せっかくよい情報でも、プレスリリースの時期が実施と近すぎると何かと不便です。
例えば、取材する人員が確保できなかったり、掲載したい媒体の締め切りに間に合わなかったりするからです。
「もう少し早く教えてくれれば取材できたのに」は、媒体側としてはけっこう悔しいですね。
何を言いたいのかわからない
パッと一読して、何も伝わってこないプレスリリースも中にはあります。
そうなると、忙しい記者や編集者が、理解しようと務めながら熟読するすることは、なかなかないことでしょう。
日本語として分かりやすいことはもとより、そのまま記事にできるような内容が、プレスリリースを受け取る側としてはありがたいものです。
たとえば、取り上げるべき「ニュース性」は何か、目的、主催者の概要、参加者の属性、演題、講師のフルネームや所属・肩書、商品の特長、サイズ、価格などなど。記事にするとき、具体的に必要になる文字情報は、予め記載しておいてもらえると助かります。
どんな写真を提供できるか、動画の場合はどのような映像が撮影可能かもわかっているとより取材しやすくなります。
そのくらい親切なプレスリリースだと、「取材に行こう」と感じやすくなります。
※プレスリリースの掲載情報を鵜呑みにそのまま掲載するのではなく、実際に取材して確認してから記事やニュースになります。
ニュース性・公共性をこじつけている
先に、「ニュースや記事としてふさわしいか」を考えて……と書きました。
すると、今度は「強引に公共性をこじつける」という方法を取る方もいらっしゃいます。
- 普段思ってもいない大義名分を言い出す
- 大したことないのに大げさに「盛る」
- 子供や障害者・お年寄りといった注目されやすい「弱者」を無理に絡める
こうした強引な手は、1度取材されたとしても、
「ああ、ここはそういうところなんだな。もう連絡があってもやめておこう」
と見られてしまいます。
そうなってしまうと、その媒体や記者さんとよい関係を築くこともできません。次のプレスリリースはスルーされ、後が続かなくなることでしょう。
プレスリリースは、マスコミと読者・視聴者に向けた贈り物
記者や編集者に喜ばれ、取材したくなるプレスリリースは、「取り上げるべき価値がある出来事や商品・サービスの情報」です。
プレスリリースは、忙しいマスコミの皆さんに向けて、
「知られていないもったいない情報があるんです」
「情報を見つける手間を減らせますように」
「この情報は読者や視聴者の方の役に立ちます」
と作る贈り物のようなもの。誠実にまとめた情報を「よろしければどうぞ」という気持ちで、お届けしたいものです。
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