【母の日の贈り物】
「やりたいけど、できない」「行きたいけど、行けない」働くママのジレンマ
仕事を持ちながら子育てするママから、「自分の時間がない」という言葉をよく聞きます。
確かに、働くママの多くは、仕事で長時間拘束され、それ時間以外は掃除や洗濯、家族の食事作り、子供の送迎などに対応しています。
自由時間は短く、多くのご家庭では、「夫や母に子供をみてもらえるか」などの事情に左右され、ママのスケジュールが自由になりません。
もっと頑張りたい、仕事に打ち込みたい。もっと自分の知識を増やし、スキルを高めたい。
男性や独身の仕事仲間のように、勉強会やセミナーや交流会などに自由に参加したい。
思うように動ければ、自分ももっと活躍できるのに。
そんな風に感じているママも多いことでしょう。
なにかの集まりに誘われたとき、コラボしようと声をかけられたとき、責任ある仕事に抜擢されたときに
「家族に確認してからお返事します」
としか言えないことを歯がゆく感じることもあると思います。
成長できない自分、経験を積めない自分、仲間に加われない自分、積極的になれない自分を情けなく思い、風呂掃除をしながら唇をかんでいるかもしれません。
私も、そんな風に感じていた時期がありました。
丁寧に暮らすこと、家族団欒を作り上げることには、価値がある
しかし今は、外に出ていくばかりが、自分を発展させる手立てとは考えていません。
現状が、自由に動けない、頻繁に外に出られない状況ならば、その状況を恨み愚痴を言うよりも、そのなかでいかに自分を育てるかを考えるほうが、ためになります。
家庭にあっても、それは可能です。
むしろ、家庭はうってつけの場所かもしれません。
例えば、中国の中国明代末期の古典『菜根譚(さいこんたん)』には、以下のような文章があります。
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家庭に個の真仏あり、日用に種の真道あり。
人よく誠心和気、愉色婉言(ゆしょくえんげん)もて、父母兄弟の間をして、形骸両(ふた)つながら釈(と)け、意気交々(こもごも)流れしめば、調息観心に勝ること万倍なり。
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意味は以下のとおりです。
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家庭の中に、真の仏がおり、日常生活のなかに真実の道がある。
家族が誠実な心で和やかに過ごし、にこにこ笑って優しい言葉を使うことで、家族同士が身も心も通じ合うようにすることは、正しい呼吸法や心を観察する修行よりはるかに勝っている。
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現代風に言えば、かなり意訳ではありますが、
「セミナーや勉強会に行って特別な方法を学ぶよりも、日々の暮らしを大切にし、家庭団欒を作り上げるほうが、よほど勉強になる」
というところでしょうか。
料理も掃除も、日々の暮らしが修練の場
もう一例見てみましょう。
「坐禅」は、曹洞宗の宗旨によると、以下のように解説されています。
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坐禅の教えを依りどころにしており、坐禅の実践によって得る身と心のやすらぎが、そのまま「仏の姿」であると自覚することにあります。
そして坐禅の精神による行住坐臥(ぎょうじゅうざが)(「行」とは歩くこと、「住」とはとどまること、「坐」とは坐ること、「臥」とは寝ることで、生活すべてを指します。)の生活に安住し、お互いに安らかでおだやかな日々を送ることに、人間として生まれてきたこの世に価値を見いだしていこうというのです。
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つまり、日常生活すべてが修行の場であり、人間として生まれた価値は、互いに安らかでおだやかな日々を送ることとしています。
そうした考えのもと、食事づくりや食べること、掃除を大事にされているのはよく知られています。
私はこれを「日々の暮らしを通じて、道を追求し、人間性や教養が高められる。とくに料理や食事、掃除は、修練の場として有効である」と受け止めています。
日々の暮らしや家族とのやりとりを通じて自分を高める
こうした考え方を知ると、家族仲良く穏やかに過ごすことや日頃の家事・育児がいかに尊く、鍛錬の場になり、人にとって大切なものであるかを実感します。
勉強会やセミナー、交流会など学びの場や、新しい仕事などに積極的に出ていけない状況だとしても、学び、自分を高め進化していくことができる気がしてきませんか。
いつか自由に動ける日が来るまでは、「自宅学習」が多いかもしれません。
それでも、できるだけのことをしていけばよいと思います。
いつ動けるようになってもよいように、爪を研いで待ちましょう。
洗濯物を干しながら、茶碗を洗いながら、床の雑巾がけをしながら、子供の寝顔を見ながら、私たちは未来を見つめ、「道」を追求し、前に進んでいる。
そんな風に感じています。
参考
『菜根譚』からはじめる つながらない関係――世間に染まらず、世間を生きぬく
追伸
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