ちょっと気になる親子の様子
初夏になり、私の住む地域では、毎週のように子供関係の行事やイベントが行われています。
そこで、いろんな親子連れのやりとりを目にするのですが、最近気になっていることを改めて感じました。
それは「子供が何かしようとすると禁止する」とか「子供のできないことを叱る(やじる?)」光景が、ときどき見られることです。
例えば、こんな様子です。
3歳位の女の子が笑顔でジャングルジムに駆け寄り、手をかけた瞬間
「何やってるの! 上まで登っても、下りられないでしょ! やめなさい!」
5歳位の男の子が国旗掲揚台から滑り台のように滑ろうとしていたときに
「やだ~、何やってんのよ、下りなさいよ!」
小学生の男の子が、前日の雨でできた水たまりに足を突っ込んで水しぶきを挙げたら
「ちょっと~、何やってるの。汚れたらどうするのよ~。やめてよ」
笑顔だったお子さん方の表情が、あっという間に曇ります。
あるいは、大人に比べて歩くのが遅い子供に
「グズだね~ほんとに。速くしろよ!」
と声をかけるママを見たこともあります。
お子さんは必死で急ぎますが、そもそも足の長さが大人の半分以下なんですから、急ぐにも限りがありますよね。
挑戦を止められ続けると、できないと思い込むようになる
このような「親が子供が自主的にやってみようとした行動を止める」とか「親が子供の未熟な部分、能力の低い部分を非難する」様子がなぜ気になったかというと、一方でこんな発言を小・中学生の親御さん何人から伺ったことがあったからです。
「うちの子、やる気がないんです」
「目標に向かって挑戦したり、努力したりできなくて」
こうしたことは、無関係なのでしょうか。
私は、関係していると感じます。
自分が「やりたい!」と思ったこと(それは多くの場合、幼い子供にとって「初めての事柄への挑戦」や「ワクワクの追究」です)をずっと止められていたら、どうなるでしょうか。
「自分には未知の事柄に挑戦する能力がない」
「やりたいことをやってはいけない」
「自分から何かやると、文句を言われて面倒だ」
という誤った思い込みが、子供に定着してしまいます。
子供たちのこれから人生は、日々の勉強も部活も進学も受験も就職も、「未知との遭遇」の連続です。その未知の出来事に挑戦する勇気は、幼いときから小さな挑戦を繰り返すことで培われます。
親は子供の「セーフティ・ネット」的存在に
では、「小さな挑戦」を生み出すにはどうしたらよいのでしょうか。
まずひとつは、親が子供の「セーフティ・ネット」になることです。「セーフティ・ネット」は、綱渡りや空中ブランコの下に張ってあるあの網のことですね。
子供は毎日、何かを「やったことがない」世界から「やったことのある」世界へと、ジャンプしようとしています。そのとき、親としては「セーフティ・ネット」のような存在でいたいものです。
子供の手の力が足りなくて危ないなら、落ちても大丈夫なように下から手を添えてやればいいし、下りられないならそのとき下ろしてやればいい。滑り台でないところから滑っていたら「すごい、ここはまるで滑り台みたいだね!」と目のつけどころに共感すればいい。汚れた服は洗濯すればいいんですよね。
母親からの
「ママが見てるから、やってごらん」
「服が汚れても、大丈夫だよ!」
「そんなふうに思ったんだ。面白いねえ」
の一言で、子供が強くなれることは、たくさんあります。
「頑張って失敗して泣いても大丈夫」「何を話しても、共感して聴いてくれる」という存在は、本当に励みになります。
私の母は、そんな存在だったなあと自分も親になった今、振り返って感謝しています。
親は子供のロールモデル
もうひとつは、まずは親がロールモデル(見本)になることです。
親は子供にとって一番身近な大人です。「子供は親の言うことは聞かないが、やることはマネする」「子供は親の鏡」などといいます。親のやっていない努力を子供に求めても、やる気が出ないのは仕方ないことでしょう。
努力といっても、ものすごくレベルの高いことに挑戦したり、完璧にやったりしなくてもいいのです。ちょっとしたことでも、親の「やる気をもって努力し、挑戦する姿」から、子供たちに伝わるものがあります。
もちろん、子供のやる気は親だけの影響を受けるものではありません。成長するほどに仲間や先生方の影響も大きくなり、本人自身の問題になっていきます。
ただ、「子供にアレコレ言う前に、『親が子供のやる気の芽を摘み取っていないか?』 『子供の手本になっているか』をまずは省みて、子供にプラスの影響を与えられる親でありたいですね」というお話でした。
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