富山県には、「社会に学ぶ『14歳の挑戦』」という、中学2年生の職業体験があります。我が家の中学2年生の娘も、近所の飲食店で4日間の体験をさせていただきました。
この職業体験は、その前後にも職業調べをしたり、職場に挨拶にいったり、知ったことを新聞にまとめたり、お礼状を書いたりという学習が行われます。
先日、娘が学校でもらったプリントを前に唸っておりました。見れば「お礼状の書き方」というタイトルです。
時候の挨拶から、相手の様子を尋ねる、こちらの様子を伝える…と手紙の基本的な構成にそって書き方や例文を紹介してあります。
こんなにきっちりとした手紙を書く機会は貴重ですよね。メールやラインがやりとりが増えている今、大人にとっても難易度はなかなか高いのではないでしょうか。
このお礼状で、娘が悩んでいたのは、「本文」です。
「さて、」から始め「10行以上書く」と指示。内容は「お世話になったこと」「学んだことや考えたこと」「自分の招待の進路選択について考えたこと」「家族と話し合ったこと」などのお題の中から「ふたつほどを選び、具体例を挙げて、感謝の気持ちを伝える」とありました。
あなただったら、どんなふうに書きますか。また、お子さんが「書けない」と悩んでいたら、どうアドバイスしますか。
娘はまず「10行も書くことがない…」と頭を抱えていました。しかし、毎日、職場から帰るたびに、いろんなことを話してくれていました。感じたこと、考えたことはあるはずです。
そこで、こんなアドバイスをしてみました。
「この『中身』を4つに分けてみたらどうかな」
その4つのパートは、以下のとおりです。
1,自分の気持ち、考え、分かったことなど
2,その理由
3,具体例、1・2のように感じた出来事
4,まとめ(1からさらに突っ込んで)
そして、それぞれのパートを2行、3行、3行、2行とすれば、計10行になります。
「なるほど! そう考えればいいのか」
と娘。以下のような構成を考えました。※文章は娘の書いたものとは異なります。
1,自分の意見
「美味しいものを食べることができて楽しそう」など、大変そうなイメージのなかった飲食店のお仕事の大変さが分かりました。
2,理由
掃除がキツかったり、お昼どきの慌ただしさに驚いたりしたからです。
3,具体例
例えば、重い掃除機を扱ったり、隅々までキレイにしたりするために腰が痛くなりました。お昼どきは座ることも水を飲むこともできず、絶えず追い立てられるような慌ただしさでした。お昼ごはんを食べられるのは14時半くらい(私が一番早く食べさせてもらった)で、とてもお腹が空きました。
4,まとめ
飲食店の快適な空間や美味しいお料理は、働く人の努力や気配りによって作られているものだと実感しました。大変なお仕事のなか、慣れなくて手際の悪い自分に、温かく指導してくださりありがとうございます。
そして、書き始めた娘がまた困った顔をしています。
「書くことがありすぎて、行が足りないよ……」
この文章の構成は、口頭で自分の意見を伝えたり、ブログを書いたりするときにも応用ができ、とても便利な構成です。
改めておさらいしますと……
1,自分の気持ち、考え、分かったことなど
2,その理由
3,具体例、1・2のように感じた出来事
4,まとめ(1をさらに深めて)
「意見」に、「理由」や「具体例」が添えられることで、説得力がより増すという効果があります。
お子さんの文章指導はもちろん、あなたご自身が文章の書き方や意見の伝え方に困ったときなどにも、ぜひお試しください。
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