未知へのトライは「読書」から

「悩みごとがあるときは、本屋か図書館にいくといい」
と小学生だった私に、当時、高校生の姉が教えてくれました。

その理由は、
「たいていの悩みはもう悩んだ人がいて、その解決方法も本になっているから」
というものでした。

なるほどと納得した私は、何か悩んだり、分からないことがあれば、まず本を読むようになりました。そうして本好きになったことが、今の仕事につながっています。

 

先日、JAXAで取材させていただいた小口美津夫先生とお話していて、姉の言葉をふと思い出しました。

小口先生は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の未踏技術研究センターの主任研究員をなさっていました。定年退職後の現在は、「宇宙の伝道師」と自らを称して、子供たちや私のような一般人に、宇宙の魅力や宇宙開発に関する情報を伝えていらっしゃいます。また、発展途上国の支援や企業などの研究のサポートもなさっています。

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◆JAXA(調布センター)で小口先生と

 

取材の本筋ではない部分なのですが、先生のお話のなかで、印象に残ったことがあります。

それは、
「初めての分野の研究に取り組んだ時、まずは書店に行き本で調べた」
とおっしゃっていたことです。

先生のご専門は宇宙での廃棄物再利用など、人間にとって「未知」の分野です。いまだ世の中で解明されていない叡智といっていいでしょう。

そうした「未知=知らないこと、わからないこと」を追究し、解明するプロであっても、「未知」に立ち向かうときは、まず「本」からなのですね……と本好きかつ本づくりに関わる私は、胸が熱くなってしまったのでした。

 

私たちも、仕事やプライベートの出来事で「未知=知らないこと、わからないこと」に日々ぶつかり悩みます。

とはいえ、宇宙以上の「未知」はそれほどなく、先人が解決方法を提案していることも、中には含まれているでしょう。それならなおのこと、まずは「本」を頼りするとよいのではないでしょうか。

というわけで、改めて、姉のアドバイスの正しさを実感した取材でした。

小口先生、ありがとうございます。

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