2023年9月3日(日)に新潟県佐渡市で開催された佐渡国際トライアスロン大会のAタイプ(スイム 4.0km、バイク 190km、ラン 42.2km)を完走し、アストロマンになりました! 「ガンガン練習しているイメージもないのに、そんな大会を完走したとは…!?」という驚きのお声もいただいたため、今回は大会にむけた経緯や戦略、練習内容も含めてご紹介。「林原ができるなら、自分もできそう!」と思っていただけると幸いです。
自分の機能不足をサポートしてくれるアイテム類
トライアスロンに欠かせないものといえば、ウエットスーツやロードバイクなどのアイテム類です。
本来ならカラダひとつで戦いたいものではありますが、自分の機能をサポートしてくれるツールは欠かせません。
ギリギリ完走を目指す身としては、予算の範囲内で最適なものを用意しておきたいものです。
強い人はよい(=高級)な機材やアイテムを使っていることが多いのは確かに事実ですが、だからといってよい機材を使っている人が強いわけではありません。
ちなみに、私は「速くなるため」より「安全に楽しむため」が判断基準。限られた予算を最適に配分して、自分が最も強く・安全に競技できるよう装備しました。
また一気に買いそろえるとすごい出費になってしまいます。数年かけてひとつ、ひとつと買い揃えました。
アイテム類は調査不足・予算規模が小さいこともあり、まだまだ「最善」とは言えませんが、ご参考になれば幸いです。
全体に対するアイテム
トライスーツ
ロングのトライアスロンはトランジション内に更衣室があり、バイクはバイクウェアで、ランはランニングウェアで…という人も珍しくありません。
しかし、私はトライスーツ派です。
理由はそう、着替えている時間がないからです!
日焼けで肩が焼けると痛いため、ミドル・ロングでは半袖を着用しています。
今回の大会では日焼け防止のためか長袖(ロングタイツも)がチラホラといらっしゃいました。
私も日焼けには弱いので、次回は長袖でもよいかしら……と考えています。
スポーツウォッチ
私の腕に充電と入浴時以外ほとんどついている時計はこちらです。
普段の練習の記録はもちろん、トライアスロンモードもあります。
ギリギリ完走レベルの私たちには、心拍数や速度、関門時間や残り時間の管理は欠かせません。
信頼できるものを早めに購入し、操作にも慣れておくことをオススメします。
ゼッケンベルト
トライアスロンはゼッケンベルトがあると便利です。
ゼッケンベルトはこちら。
スマホなどが入るポケットがあり、ジェルをさせるようになっています。
ゼッケンベルトは男性を想定して太すぎるものも多いので、女性は注意しましょう。
なお、時間短縮のために、ウエットスーツの下にゼッケンベルトをつけて泳ぎました。
カーフガード
今回は少しでも足の疲れを軽減できるよう、カーフガードをつけました。暑さ対策にもなるよう冷感タイプです。
普段は泳ぐときにつけていないのですが、本番でスイム前につけたところ、スイム中いつもない圧迫に違和感があり、足がつりそうになってしまいました。練習で慣らしておくべきでした。
ただし、バイクとランはサポート感があり、走りやすいと感じました。
日焼け止め
ロングのトライアスロンは太陽の下にいる時間が長いため、紫外線アレルギーの私にとって日焼け止めは必須アイテムです。
私がこれまで試した中では、これが最強ではないかと思います。
水に落ちにくく、サンゴに配慮。ドーピング検査もクリアしています。※ただし、落ちにくすぎて専用クレンジングがあります。
難点は白浮きすることですが、ロングのトライアスロンにもなると、顔が真っ白でドラえもんか小梅太夫みたいな人もチラホラいるので、白浮きはあまり気にする必要はないでしょう。
白浮きが気になる方にはこちらもオススメです。
ビーチフレンドリー処方で、あまり白浮きせず、つけ心地もよいため、普段使いはこちらです。
お薬
私はもともと足がつることはめったにありませんでした。
しかし、椎間板ヘルニアの影響で坐骨神経の働きが低下してからは、伝達信号のバグからかしょっちゅう足がつります。
そこで常備しているのが漢方薬「68」でおなじみ「芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)」です。
また、腰痛がひどくなったときのために、痛み止めも持参しました。
「芍薬甘草湯」も「ロキソニンS」も、アンチ・ドーピングの禁止物質等は含まれてはいませんが、アスリートの方が飲まれるときは競技会主催者等に確認されることをオススメします。
スイムパートは安全第一!
ウェットスーツ
海でパニックを起こしたことがある私はそのあと半年くらい、お風呂にも顔をつけられなくなりました。
そのとき、水と泳ぐことへの恐怖を払拭するために選んだのは、シロモトさんのウエットスーツです。上下ツーピースで、袖ありの「フルスーツ」と袖なしの「ロングジョン」があります。今回は暑いのでロングジョンにしました。
こちらは上下が分かれたツーピースで脱ぎ着がしやすいんです。
バタ足はほぼ打たず足が沈みやすい私のために、足首近くは規定ぎりぎりまで厚く作っていただきました。
ゴーグル
私がゴーグルに求めるものは、視界のクリアさ・広さと外れにくさです。それをクリアするのがこちら。
視界が広く、曇り止めなしでも曇りにくい。また、装着してから、きつさを調整できて、しっかりとフィットします。
ワセリン
ウエットスーツでのスレを防止するため、首にはワセリンを塗っています。
使い捨て手袋があると、ゴーグルなどにワセリンをつけずにすみます。
バイクアイテムは力不足をカバーしてくれるものを
ロードバイク
バイクは平坦と登りが速いというTRECKの「Émonda SL 6 Pro Di2」。
カラーリングが佐渡の象徴・トキっぽくてお気に入りです。
バイクが弱い私としては、なるべく速く走ってくれるバイクがあれば有利なのはいうまでもありません。
しかし、バイクは私にとってはとてもとても高価な乗り物。上を見れば、お金をかけようと思えば、きりのない世界です。
そんななか、佐渡ギリギリ完走を目指す私の選択は、重いバイクでガンガン登る脚力がないため軽さ重視のカーボンフレーム。下り坂でブレーキを引くときの握力不足を補うためのディスクブレーキ、190km中なんども必要な変速で手が疲労するのを防ぐのに電動変速機など、私本体の力不足をカバーしてくれるもので、なるべく低価格で…と選びました。
サングラス
ロードバイクは乗っている時間が長いため、明るさや日光の状況がさまざまに変化します。
そこで、ロードバイクのサングラスには調光レンズのものを使っています。
調光レンズには、紫外線を当てると色が変化する感光物質が使われています。晴れた日は濃く、紫外線量の少ない曇りの日は薄い色づきになります。
ただ、トンネルなど急に暗くなったときにはすぐに変化しないため、あらかじめつけてみて、大丈夫か確認しておきましょう。
ソックス
バイクはランに比べるとシューズの中での足のすべりが少ないため、短い距離なら靴下なしで乗ることもあります。
しかし、今回は190kmの長丁場ということで、薄手のソックスを履きました。
サイクルコンピューター
ギリギリの民にとって、計測で自分の状況を知ることは超重要です。
私はスポーツウォッチは心拍数の表示モードにして心拍数管理し、速度や距離、ケイデンス、斜度はサイクルコンピューターで確認しています。
ベル
佐渡国際トライアスロンでは、「ベル・反射板」は必須とされています。
トランジション内にバイクを持ち込む際に、ベルが鳴るかも確認します。
レース中にベルを鳴らす機会はほぼないので、できるだけ小さくて邪魔にならないものをつけておけばOKです。
私は普通のつける場所とは反対のハンドル下部につけています。それでも鳴らせるのでチェックはクリアします。
ライト
佐渡国際トライアスロンでは、「ベル・反射板」は必須とされています…と言いました。
ここで疑問は前のライトですよね。
問い合わせしたところ、「義務はベルと反射板で確認しますが、トンネルが多いので前にもライトはつけてください」とのこと。
どっちやねん!?と突っ込みたくなりますが、おそらく警察から指導されているのがベルと反射板で、前のライトについては昼間のうちにバイクパートは終わるため、厳しく指導されていないのではないかと推察します。
ただ、道路交通法ではトンネル内はライト灯火がルールですし、暗くて長いトンネルもいくつかあるため、フロントライトはつけたほうがいいと思います。
補給食用バッグ
190kmのロードバイクの旅の後にはフルマラソンが控えています。
バイク中にしっかり食べておかないと、フルマラソンを走るためのエネルギーが足りなくなるため、補給食をいかにとるかは重要な問題です。
また、私レベルの遅さだと、エイドの補給食がなくなっている場合もあります。
そこでトップチューブにバッグをつけて、補給食はすべて持参することにしました。
こちらの特徴は、ファスナーがないことです。マグネットで開け口が止まります。中の物を取り出したいときは、閉じ口を軽く押せば開きます。
補給食
バイク中2000kcal程度はとることを目標にしていました。バッグや背中のポケットに以下のようなものを入れて臨みました。
まず、トランジションで着替えをしながらこちらをもぐもぐ。口あたりがよくて食べやすいのに、1個400kclもあるんですよ。
お次はランチの位置づけのもの(笑)。スポーツ用補給食はフルーツ味など似たような味が多いなか、お餅はとても美味しくいただけました!
ミネラル不足で足がつるのを防ぐためにこちら。デザート的位置づけのフルーツ味です。お味がいろいろあってこちらも飽き防止にもなりま。
食後の眠くなったときといえば、カフェインですよね。カフェイン入りも用意しました。
それから定番のようかんは、おやつ的存在。こうみていると、ほぼピクニックですね(笑)。
しょっぱい味がほしくなったときのために、おせんべいも入れておきました。あじへん要因です。
ジェルの詰め替えボトル
ジェルは食べる度に封を切っていては、貴重な平地でスピードダウンにつながります。そこでボトルに詰め替えて、背中のポケットに入れていきました。
バイクボトル
バイクボトルは給水で捨てて、またもらいます。そのため、もう使わないものや安くて捨ててもいいものを用意しておきました。
1つ目のエイドまで20キロ程度なので、ドリンクを入れておくのは1本で大丈夫でした。
もう1本は1つめのエイドでボトル切れだったときに備えて、空ボトルを指しておきました。(スタートすぐの坂に備えてなるべく軽くしておきたい)
幸い1つめのエイドではボトルがしっかりあったので、そこからは2本とも佐渡トラボトルに差し替わりました。
パンク修理セット
サドルバッグにはパンク修理のセットが入っています。
チューブと空気のボンベが2本ずつ、ボンベの取り付け口、携帯工具、ハンドポンプ、タイヤをはずすタイヤレバー、ブレーキパッドのスペーサー(私は「インベーダ」と呼んでいます)が入っています。
グローブ
私はサイクルグローブをつける派です。
手は私の商売道具。落車時に手を保護するためもあります。
今回は指切りタイプをつけましたが、周囲の女性参加者を見ていると指まであるものをつけている方も多くいらっしゃいました。
おそらく日焼け防止かと思います。次回は夏用の指ありにしようと思います。
手首サポーター
私は右手首の靭帯が伸びていて、バイクに長時間乗ると痛んできます。
サポーターをすると、かなりラクです。
バイク屋さんはかかりつけ医や美容院のよう
バイクについて、アイテムと同じくらいかそれ以上に大切なのが、バイク屋さんの存在です。
私はメカにあまり詳しくなく、自分でできるのはサドルの上げ下げとチェーンのクリーニングとオイル指し、本体磨きとパンク修理くらいです。
そのため、大会前には必ずバイク屋さんに点検をお願いし、不具合も伝えて調整をお願いしています。
そんなバイク屋さんにも、いろんな方針・考え方・技術の方がいます。
かかりつけ医やお気に入りの美容室を探すように、自分にあったお店を探するといいと思います。
例えば、以前のバイク屋さんで、ブレーキや変速機が握りづらいことを相談したら「ロードバイクは男性中心だから女性は使いづらいもの」とのこと。そんなものかと思っていました。
また、他の店でも、パンク修理のための後輪着脱も「難しいから触って壊されると困る。触らないで」と言われたり「パンクしたらリタイアすればいいから、変に触らない方がいい」と、やり方を教えてもらえなかったり。
しかし、今のバイク屋さんは女性スタッフがいるため「女はバイク業界で劣る」みたいな扱いはなく、ブレーキは私の手にも握りやすいよう調整してくだいました(「これでダメでも、ハンドル交換で改善できる」とのアドバイスも)。
また、「パンクしても後輪は触らずリタイア」論については、「ここまでたくさん練習してきたのに、そんなことでリタイアなんて!」と驚かれ、「後輪着脱は、コツが分かれば簡単。力もそこまでいらない」と、私がタイヤ着脱とパンク修理を素早くできるまで何度も、何度も付き合って教えててくださいました。
バイク屋さんによって、対応がぜんぜん違うんだ……と、病院や美容院同様に、他の専門家の意見をきく「セカンドオピニオン」の大切さに改めて気づいた次第です。
パンクは素早く修理できるようにしておくこと!
そうそう、ロング完走を目指すなら、パンク修理は練習しておきましょう。
ロングのバイク10キロでパンクして、直せないからリタイア……とかまっぴらです。
また、パンク修理に時間をとられると、ギリギリ族としては、それだけでも完走が遠ざかります。
「一応は直せるけど、『速く』直せるようになたい」という要望に応えて、立ち位置や手のかけ方などまで丁寧に教えてくださったバルバ高岡さんには、ほんとに感謝しています。
ランは足を支え、カラダを守るものを
シューズ
シューズは、前回の長良川ミドルで思いのほか足に合わなかったため、買い換えました。今回は、BROOKSのGhost15です。
足が少し不自由な私が190kmのバイクのあとにフルマラソンを走ったら、足が疲れ切っているに違いない…ということで、クッション性の比較的高いシューズを太陽スポーツさんで見立てていただきました。
インソール
今回はランで麻痺の残る左足に不安があり、「お金で解決できるなら、高いシューズでもいい」と伝えてありました。
しかし、最近の高価格・高品質シューズはカーボン入りの厚底など、足が強くないと履きこなせないものばかりだそう。
それなら…と勧められたのは、インソールです。
土踏まずが下がるのを防いだり、かかとをホールドして「グキっ!」となるのを防いでくれるそうです。
高価格・高性能シューズを売りつけることもできたのに、私の課題に合わせてシューズ選びを真摯にサポートくださった太陽スポーツ富山店のスタッフさん、ありがとうございます!
靴下
バイクで足が濡れたときのために、ランの靴下は別に用意しました。私は5本指は苦手で、一般的なソックスです。これのレディース。
キャップ
ランニング時のキャップは日よけとしてだけでなく、髪の毛を押さえたり、汗のたれ防止にも役立ちます。
熱中症対策もあり、夏は白色を愛用しています。
サングラス
ランニングのサングラスは、オークリーの偏光レンズのものを愛用しています。
偏光レンズは、ギラツキを押さえて、目を守ってくれます。ランニングのサングラスは、振動でずれないことや軽さを重視しています。
補給食
ランの補給食には塩タブレットをもっていきました。汗で失った塩分を補充するためです。
またエネルギー不足でダウンするのを防ぐため、ジェルも数袋もっていきました。
しかし、ギリギリ関門通過の私のタイミングでも、補給食は梅干しや塩飴、スポーツようかんなどが、しっかりと残っていました。大会関係者のみなさん、ありがとうございます。
熱中症対策グッズ
今年の佐渡は昨年以上に熱くなるとのことで、熱中症対策グッズの冷感タオルなども持参しました。
しかし、夕方から走ったため、持参したものを使いたくなるほどのことはありませんでした。
ミドルはランが一番暑い時間帯なので、冷感グッズもあるといいかと思います。
お金のやりくりも実力のうち
トライアスロンは3種目あるため、必要なアイテムがたくさんあります。
そのため、トライアスロンはすごくお金がかかるというイメージを持たれがちです。
とはいえ、「お金のかかる趣味」なら、自動車やオートバイ、美術品収集、熱帯魚飼育、ゴルフ、ダイビング、海釣り,、ワイン、海外旅行…と他にもたくさんあります。
愛好者のなかには、確かにお金持ちの方もいらっしいますがそうでもない方も多く、「トライアスリートに経営者が多い」とよく言われるのも統計みるとそんなことないそうです。
私も、私を含めた普通の人がお金をやりくりしながら楽しんでいる……というイメージを持っています。
私はランニング歴は34年でトライアスロン歴は23年で、少しずつコツコツと道具を集めてきました。この間、何かに使えば何かには使わないということだったと思います。「選択と集中」ですね。
例えば私の場合は、化粧品など美容代はすごーく少ないですし、美容院はカットのみでお安くあげ、洋服はプチプラや古着をよく利用し、自動車はバイク以下の価格の中古車です。
また練習や遠征が娯楽になっていることもあり、テーマパークや高級グルメ、観劇・ライブ観覧などお金のかかる遊びもあまりしません。
トライアスロン仲間も基本すっぴんとか、少ない服を着まわしている方は多い印象です。トライアスリートやロードバイク乗りに坊主頭率が高いのは、ヘアカット代の節約もあるためかと推察します。
「お金がないから無理!」で終わらず、工夫できるところがないか頭を使い、知恵を絞り、予算内ベストのアイテムを揃えていきたいものですね!
++++++
というわけで、ここまでが大会以前のお話。次回からは(やっと)佐渡トラ参戦本編です。
次回は大会2日前の移動や過ごし方、受付や、驚きの出会いがあった島祭りパーティなどについてご紹介します。
メルマガ登録はこちらから
ここだけに掲載している林原りかの「自分史的自己紹介」をお届け後、言葉やブランディングで、ビジネスと人生を充実させるヒントをお伝えしています。返信もOK!