私は料理が好きです。子供たちへの弁当も作ります。しかし、それを「女子力」とか「家族への愛情深さから」と評価されると、違和感があります。私が料理や弁当作りがうまいとしたら、それは子供のころから書籍などで学び、繰り返し練習して技術を身につけ、便利な道具も買って取り入れてきたからだと思うからです。
料理は女子力か愛情か
私は料理が好きです。
それは家事として好きというより、「何かを生み出すクリエイティブな活動」としての側面が強いからだと思います。
あとは美味しいものを食べるのも、栄養補給してカラダをねぎらうのも好きだからかと思います。子供たちも食べるのが好きなので、美味しい料理やお菓子を用意すると、とても喜んでくれるんです。
私自身、「美味しいものを作ること」が、子供たちに愛情を伝える効果が高いことを感じています。私の料理については、以前取材されたこともあります。
ただ、それは「愛情を伝える効率がよい」から料理で伝えているだけで、「愛情が深いから、料理を頑張る」ではないんですよ。
しかし、「料理が好き」とか「うまい」となると、「女子力が高い」とか「家族への愛情が『深い』」などと評価されがちで、そのたびむずがゆい思いをしています。
「だれかのための行為」は、人によっては、掃除だったり、手芸だったり、ごみ捨てだったり、運転だったり……でも、トイレ掃除やごみ捨てをして「女子力高い」とか「家族への愛が……」とか、あんまり言われませんよね。
ちなみに私は、同じ家事でも、マイナスを0に戻すような掃除や洗濯には、楽しさをまるで見出せないので、積極的でもうまくもありません。むしろずぼらです。
なぜ料理ばかりが、「料理=愛情」と扱われてしまうのでしょうね。それだと、反対に「料理が苦手」なだけで「愛情が少ない」みたい扱いを受ける方もいるのではないかと、気になっています。
料理に必要なのは「知識」と「スキル」と「道具」
ちなみに、料理をうまく作ったり、毎日の食卓をよどみなく整えたり、美味しそうな弁当を毎日つくるために必要なものは何だと思いますか。
……愛情?
だから、違いますって(笑)。
料理をうまくこなすために必要なのは「知識」と「スキル」と「道具」です。
私自身、料理を親から教わったのは3歳から。小学2年生のころには本を見ながらひとりで料理していました。親から魚の下ろし方を教わり、マスターするまでアジやサバを毎日おろしました。
玉子焼きや千切りは高校生の頃、これまた毎日練習してできるようになりました。野菜の飾り切りや里芋の六方むきとかも、よく練習しました。このころからお節料理も作っています。
子供の頃はNHK「今日の料理」を欠かさず見ていましたし、今まで読んだ料理本は、1000冊や2000冊ではないと思います。
大人になってからは栄養学の本もけっこう読んでいます。フィットネスクラブ経営やサプリメント販売をしている会社に8年ほど勤めていましたし。
調理家電にも投資はしていて、ヘルシオウォーターオーブンやクイジナートのフードプロセッサー、バーミックス、IH圧力鍋食洗器などを使っています。
つまり、何がいいたいかというと、「料理は愛情」があれば自然にできることではなくて、「料理は知識を学び、技術を身につけ、適切な道具を用いるから、うまくできるようになる『スキル』こと」だということです。
だから、それを「女子力高いからできる」「子供たちを愛しているから上手」みたいなほめ方や愛情のバロメーターのように評価されると、家事がうまいことは女性の性質や愛情からであって、技能や技術ではないといわれているようで、モヤッとするんですよね……。
周りの目を気にせず、できる範囲でできることを
私は子供のころから料理をして、弁当づくりも長女が高校生になったときから7年目です。
弁当は、当初より段取りよくつくり、見た目も美味しそうに詰められるようになったと思います。※お弁当Instagramはとても参考になっています。
そういう私の作る弁当と比べて、料理への思い入れが普通で経験の少ない親御さんが「うちの弁当はよくない」と嫌な思いをされたとしたら、そんなこと気にしないでほしいと思います。
私は料理が子供のころから好きで、手が動き、知識や道具がある。そのうえで、難なく作れるものを作っているだけ。
結婚してから料理を始めた方や、今年から弁当づくりに取り組むような経験の浅い方が、見た目のよい料理や弁当を最初から手際よく作れなくてもあたりまえです。それは愛情うんぬんではなく、技術や慣れの問題です。
ちなみに、子供たちが幼い頃から、私は「キャラ弁当」は作りませんでした。娘は友達の弁当と比べてさみしがっていましたが、苦手で時間もかかるので作りませんでした。玉子焼きをハートにカットするのがせいぜいですね(笑)。
料理は日々の営みです。だれかの目を気にすることなく、無理せず楽に作れるものを作って食べれば、あるいは食べさせればいいと思います。
繰り返しになりますが、料理は「愛情」ではなく「スキル」なんだということ、「スキル」は経験が浅く慣れていなければうまくできなくて当然、知識を得たり、慣れていけば上達するさ…という認識でOK。
ヨーロッパやアメリカなど諸外国の家庭料理や弁当って、ほんとシンプルなんですよ。
日本で、毎日のお料理や弁当づくりをやっているだけで、私たちはとてもえらいと思います!
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ここだけに掲載している林原りかの「自分史的自己紹介」をお届け後、言葉やブランディングで、ビジネスと人生を充実させるヒントをお伝えしています。返信もOK!