個々のこころを尊重し、多様性を活かすことで自殺のない生きやすい世の中を目指す「とやまcocolo会」の「こころのサポーター養成講座2022」の第2回講座を開催しました。
支援が必要な子供と家庭の生活を支える地域連携ハブ拠点
「とやまcocolo会」今年度第2回の講座は、「多様な個性が輝く社会に向けて ~くるみの森の挑戦~」というテーマで、社会福祉法人くるみの理事長、岡本久子さんからお話をお聞きしました。
社会福祉法人くるみは、富山県高岡市で「くるみの森」という施設を運営しています。
くるみの森は、知的障害・身体障害・発達障害・難病・医療的ケアの必要な子・家庭に困難を抱える子……など、支援が必要なお子さんとご家庭の生活を支える地域連携ハブ拠点です。
具体的なサービスとしては、放課後等デイサービス・児童発達支援・生活介護サービス・居宅介護サービス・相談支援などを行っています。
障害児・者を取り巻く環境を知る
岡村さんは、学生の頃に障害者支援に興味を持ち始め、福祉の世界で30年以上活動されてきました。
かつては、障害者の施設は「とても人の住むところではない」と感じられるような場所も多かったとのこと。障害者は人間ではなく動物のように扱われている施設も珍しくなかったといいます。
こうした現状から人が人として当たり前の尊厳を持つことができる、人としての権利を守る居場所へと、障害者施設を作り変えることが必要との使命感で、ここまで無我夢中でやっこられたとのことでした。
途中、知的障害の感覚を味わうために、京都大学の入試問題(数学)をみんなで読んで、みんなで「?」。理解できない言葉や状況に囲まれるストレスや歯がゆさ、苛立ちを想像できました。
母親にのしかかる負担
障害児・者を取り巻く環境はまだ差別や偏見が多いそう。お母さんに対するケアが必要とのことです。
義理両親や実の両親、夫にまで「あなたのせいで」と責められる。だから「あなたが世話をして当然」と責任をすべて負わされる。子供を「恥ずかしい」と身内にまで言われる。妻や嫁としての活動ができないことまで責められる……精神的に辛くうつの薬を飲みながら、過労で点滴や薬を飲みながら、障害児の世話を24時間ひとりで担う母親も多いとか。
障害を持つお母さんの親子心中も多いそうです。※自殺は事件性がなければ、ニュースにならないため、私たちの目には通常触れません。
障害者のいない家庭でも、子育てや子供の教育、家事や家計の管理、夫婦の老後の備え、親類付き合いや地域活動まで、女性だけが負担の多い状態はよく問題になります。障害児をもつご家庭の苦労を想像すると、切なくなってきました。
女性になんでも押し付けない、自分が辛いことは口に出して相談するなど(徒労感から相談すらできず、ひとりで抱え込むママも多いそう)、周囲も自身も意識を変えていきたいものだと感じました。
ハーブティはテイクアウトで
毎回恒例のハーブガーデン平田のさんのハーブティー。
今回はご都合が合わず、ティーバックのテイクアウトをいただきました!
効果・効能も書いてくださり、参加者も「全部気になる」と迷われる人気ぶりでした。ありがとうございます!
特性を個性や面白さ、長所として捉える
さまざまな特性を「個性」や「面白さ」と捉えて、活かす視点も教えていただきました。
自閉症スペクトラムの方は、ひとつのことに打ち込むため、研究者やプログラマなどで活躍する人も多いとか。
ADHDの方は、その多い活動量を生かして、起業家として活躍されるケースはたくさんあります。
例えば、アップルを創業したスティーブ・ジョブズや世界的電気自動車企業テスラのCEOのイーロン・マスクはADHDやアスペルガー症候群だそう。
岡本さんご自身もADHD傾向を自身に感じているそうです。
家族をもつ主婦、母であるうえに、あまりの多岐に渡るエネルギッシュな活動ぶりに「時間の使い方」を質問したところ
「ADHDの傾向があって、過集中で寝なくても平気になることもあるんです」
「集中すると家族のことが頭から抜けてしまい、父子家庭状態になることもあって…家族の理解に感謝しています」
といったご回答でした。なるほど、と納得(笑)
また有名人にも障害を公表している人は多いですよね。
俳優のトム・クルーズや映画監督のスティーブン・スピルバーグは、「発達性読み書き障害」で、文字の読み書きが不自由であることを公表しています。
私も他人から「そんなに空気が読めないことを言うなんて、アスペルガーじゃないの?」と言われたことがあります。
「障害者」かどうかは別として、誰もが段階的に大小、いろんな特性を持っていることでしょう。
そうした個性を認めて活かして、みんなで楽しく充実した人生を生きられる世の中がいいですね。
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