展覧会「バンクシーって誰?」を見てきました。確かに、人の所有物に勝手に落書きするのは良くない。でも、そうやって伝えたい、注目を引きたい理由があるんですよね。
ナゾの覆面アーティスト・バンクシー
バンクシーは、イギリスを拠点とする素性不明のアーティストです。映画監督もしています。最近はホテルも作っています。
私はバンクシーというとこの絵くらいしか知らなくて。
あとは、東京で「バンクシー作品が見つかった」と小池知事がツイートしたことくらい。
そのくらい予備知識0で見たバンクシー。結論からいうととても楽しめました!
「グラフィティ」という文化
バンクシーの作品は、政治や社会を批評したメッセージが込められているそう。作品は世界各地の壁や橋梁などに残されています。いわゆる「落書きアート」は「グラフィティ」と呼ばれ、多くの場合、その場の所有者の許可を得ずに描かれます。
また独特の文化があります。例えば、「描きにくい場所に描くほうが偉い」「上から絵を重ねるのは、『私のほうがうまい』という挑戦状」「他人が描き足すことで作品が進化することがある」といったことです。
例えばこの絵は、「THERE IS ALWAYS HOPE」の文言を足すことで、作品が深まったと捉えられているそうです。
町並みまで再現
この展覧会では、コレクター秘蔵作品の展示のほか、イギリス、アメリカ、パレスチナなど世界各地のに描かれた作品を街並みごと再現していることでも話題です。再現したというテレビ局の美術チームすごい!。
例えばこんな感じです。
壁に、落書きを消す清掃夫が描かれています。
消しているのは「ラスコーの壁画」。描いても消されるグラフィティをラスコーの壁画と比較し「グラフィティがダメなら、ラスコーの壁画も消すの?」と皮肉っているわけですよね。
ほかにも、パレスチナの壊れた壁には、かわいい猫ちゃん。
「SNSで猫の写真ばかり見ていないで紛争地域に目を向けよ」というメッセージだとか。
他人の所有物への落書きはいけないことですが……
グラフィティはたしかに「他人の所有物に描くのはいけないこと」。ただ、バンクシー作品を見て感じたのは、周りの風景との調和です。
周りの風景があってこそアート作品として成り立ち、強烈なメッセージを放つと「ああ、やはりここに描かないとダメなんだよなあ」と感じさせられます。
描いているときに見つかれば警察に追われる(そのため、型紙を使って素早く描けるステンシルの作品なんだとか)方法をなぜ取るのかと考えると、それが注目を集めて、メッセージを拡散する方法だったからなんでしょうね。
キャンバスに描いて画商に持っていっても、あのような広がりや注目のされかたはしなかったのではないでしょうか。炎上商法に近いやり方かと感じました。
今ならSNSがあるので、また別の方法もあるのかな、と思ったら、やはりInstagramもありました。
また、壁にQRコードを描いて、読み込むとYou Tubeが開くという作品もあり、ITの進化とともに作品の形も変わることを感じます。
これだけ有名になると、危険を冒して不法に壁に描かなくても注目されるでしょうし、「むしろ描いて!」という人もたくさんいるでしょうし。壁に描いてくれたら、家の価値が上がりそう♪
実際、パレスチナにアートホテル「ザ・ウォールド・オフ・ホテル(THE WALLED OFF HOTEL)」を作って、その窓から見える分離壁に作品を描いたところ、世界各地からファンが訪れるようになったそう。来たからには紛争地域に目を向けるはず。そんな仕掛けですね。
その時々、もっとも効果的と思われる方法で、メッセージを発信していく姿勢は、見習うべきだと感じました。※法を犯すことは勧めません。
2022年9月、富山県高岡市に!
この展覧会は、東京のあと、名古屋(コレを見ました)、大阪、郡山、高岡、福岡と巡回するそう。
こんなに少ない開催場所の中に、我が富山県の高岡市が入っているという光栄!
会場 | 高岡市美術館 |
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会期 | 2022年9月11日(日)~2022年12月6日(火) |
とのことです。日本海側でバンクシー展が開催されるのは初だとか。チャンスがあれば、見てみてはいかがでしょうか!
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