先日、子育てに関するコンサル&コーチングのセッションを行いました。コーチングで学び、身につけた「コーチングマインド」やアドラー心理学の「課題の分離」という概念は、子育てにもとても役立つ考え方です。
自発的行動を促進する「コーチング」
「コーチング」という言葉をご存知でしょうか。私がコーチングを学んだ「銀座コーチングスクール」では、コーチングを以下のように定義しています。
パフォーマンスを向上させるために対象者を勇気づけ、質問によって気付きを引き出し、本人の自発的行動を促進させるコミュニケーション技術
https://www.ginza-coach.com/basic/knowledge/whatiscoaching.html
つまり、「目的=パフォーマンス向上」「手段=勇気づけ」「具体的方法=質問で気付かせる」「結果=自発的行動」という感じです。
似たような言葉と比較すると、「コンサルティング」は、クライアントの相談にのって課題を見つけ、その解決策を提案すること。「カウンセリング」は、対話を通じて、悩みやつらさ解消できるよう導きます。
「カウンセリング」がマイナスを0に持っていくイメージ、「コーチング」は0を5や10にするイメージでしょうか。
このコーチングを相手に対して施す方を「コーチ」と呼びます。スポーツなどのコーチと同じですね。
相手を尊重して味方となる「コーチングマインド」
私がコーチングを学んで、好きになった考え方に「コーチングマインド」があります。コーチングマインドは以下のような考え方です。
コーチは、クライアントの持っている無限の可能性と、クライアントが抱える問題の解決やゴール達成へ向けて必要な事柄は、すべてクライアントの中にあることを信じます。コーチとして自己基盤が確立されていてはじめて、そのように信じることが可能になります。コーチはクライアントを人間として尊重し、100%クライアントの味方になります。クライアントより偉いのではなく、共にゴール達成を目指すパートナーが、コーチです。
https://www.ginza-coach.com/overview/feature/curriculum.html
つまり、相手がよりよくなっていく力をもっていることを信じて、対等な立場として味方になる……ということですね。
この考え方は、コーチングセッションのときだけでなく、周囲の人との関わり方や育児にも大いに役立ちます。
本人が解決できると信じて「課題の分離」
コーチングマインドの考え方を知らないころの私は、よく人に求められもしないアドバイスをしていました。子供たちのやることにもあれこれと口出しをしていたと思います。
「自分が手や口を出さないと大変なことになる」と思い込んでいたのでしょう。でも実はこれって、相手に解決能力がないと見下していたんですよね……。
しかし、コーチングマインドにのっとり「本人の問題は本人が解決できると信じる」「本人の全面的な味方として応援する」と姿勢を改めたら、その心配してした本人たちの課題は、本人たちでやっぱり解決できるのです。
これは、アドラー心理学でいうところの「課題の分離」にも通じます。
アドラー心理学について書かかれた『嫌われる勇気』の中にこんな一節があります。「なかなか勉強しない子どもに親はどうするべきか」と語りあう場面です。
青年 いやいや、まったく違います! そんな事態にならないためにも、人生の先輩であり、保護者でもある親には「勉強しなさい」と諭す責任があるのでしょう。これは子どものためを思ってのことであって、土足で踏み込む行為ではありません。「勉強すること」は子どもの課題かもしれませんが、「子どもに勉強させること」は親の課題です。
哲人 たしかに世の親たちは、頻繁に「あなたのためを思って」という言葉を使います。しかし、親たちは明らかに自分の目的──それは世間体や見栄かもしれませんし、支配欲かもしれません──を満たすために動いています。つまり、「あなたのため」ではなく「わたしのため」であり、その欺瞞を察知するからこそ、子どもは反発するのです。
https://diamond.jp/articles/-/226815
相手の課題にまで介入することは、相手から反発を招いたり、モチベーションを下げたりすることに繋がります。
私たちができることはせいぜい、自分の課題に向き合い、自分課題を解決する姿を見せることくらいなんですよね。自分の課題解決に取り組み、ハッピーそうな様子を見せることのほうが、周囲にもよい影響を与えていきます。
この考え方をするようになって、人間関係も育児もすごく楽になりました。特にこの効果を強く感じたのは、娘たち2人が不登校になったときです。
本人たちの課題であると考え、「本人の全面的な味方として応援する」で徹しました。私は私で、自分の仕事やトライアスロンなどの活動で、よりよくなっていきたい!と励んでいました。
そうしているうち、娘たちはそれぞれ自分で考え、解決していきました。
というわけで、周囲の人の問題を自分の問題として悩んだり、ヤキモキしている方には、遠くから見守り応援していることを伝える程度にして、まずは自分自身の課題に目を向けることをオススメしています。
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