先日、神社の宮司さんと「目標達成や夢の実現の機会が次々なくなるコロナ禍での心の持ちよう」について話す機会がありました。宮司さんの言葉を伺って、この時代の目標の立て方や夢の叶え方について考えさせられました。
目標達成や夢の実現が難しいコロナ禍
新型コロナが流行してから、目標の達成や夢の実現の難易度が増していると思いませんか。
例えば、今年の初めに立てた私の目標。
- 能登島トライアスロン完走
- グランフォンドロング完走
- 佐渡国際トライアスロンにまた参加する
- 海外視察に1回は行く
といった項目が並びました。しかし 現在、スポーツの市民大会はほとんどが中止。海外旅行にいける目処も、全く立ちません。
となると、私の目標は未達成となりますが、私には反省する材料もありません。
ほかにも、「インターハイ優勝」という夢があっても、インターハイが中止になれば、夢を叶える場所がなくなってしまいます。日本中そんなことだらけです。
ビジネスの売上目標だってそう。数値目標を立てても、営業時間の短縮などが命じられれば、目標金額を達成できなくなるでしょう。
このような状況で、私たちはどんな風に目標を立て、夢の実現を目指せば いいのでしょうか。
そんな疑問を、訪れた人の人生相談に乗っている神社の宮司さんを取材したときに、質問してみました。
そこでいただいたアドバイスは「今いる場所でできることを精一杯すればいい」というお答えでした。
確かにそのとおりだと思います。 このお話をお伺い、変化の激しい時代の目標達成方法について考えました。
従来のPDCAサイクルが通用しにくい!
これまでによく知られていた目標達成の方法といえば、「PDCAサイクル」ではないでしょうか。
「PDCAサイクル」とは、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」という一連の流れのこと。
PDCAサイクルでは、スタートの「Plan(計画)」で
- 目標の設定
- 目標を達成するためのアクションプランの作成
を行います。長期目標、中期目標、さらに細分化して日々の業務に落とし込んでいくやり方です。
目標となる数値や達成に必要な行動などが具体的に把握でき、すべきことが明確になるなどメリットがあります。
一方で、世の中の変化のスピードが速すぎたり、予想できない要因が出てきたときには、新型コロナと大会成績や売上目標のように、計画そのものがなりたたなくなってしまう可能性を感じます。
こうしたPDCAサイクルへの反省から、私が注目しているのが「OODA(ウーダ)ループ」です。
状況把握から始まる「OODA(ウーダ)ループ」
「OODA(ウーダ)ループ」とは「Observe(観察)→Orient(方向づけ)→Decide(決定)、Act(行動)」という流れで、それぞれの頭文字をとったもの。
Observe(観察)
外部状況のデータを収集。先入観なしに、ありのままに受け止めます。
Orient(方向づけ)
データが何を意味しているのかを考え、状況を判断します。ここはスピードが大事。ひらめきに近いものですね。
Decide(決定)
情報はいくら集めても完璧に集まることはありません。実現可能性やリスクを考慮し、何をするか計画を決定します。ここではぐずぐずしないで思い切りましょう。
Act(行動)
計画をすぐに実行します。行動が送れると、当初の外部情報が古くなり、行動の実現可能性やリスクにずれが生じてしまいます。行動したら、またObserve(観察)に戻ります。
これらの項目ひとつひとつをじっくり吟味するのではなく、ぐるぐるぐるぐると素早く、何度も繰り返そうというものです。
製造業の品質改善策をベースにする「PDCAサイクル」に対して、「OODAループ」はアメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が考案した方法。意思決定と行動が重要視されスピード優先が特徴です。
戦場では、じっくりと数値目標や行動目標を計画するよりは、「状況を見て即判断!即行動!」ということなのでしょう。
私はコロナ禍では、「OODA(ウーダ)ループ」の考え方がより有用であると感じます。
日々の暮らしで言えば、「今の状況下で、自分が今、一番大切だと思っていることに力を注ぐ」という方法です。
部活動やスポーツなど大会に関しては「今できる練習やトレーニングに精一杯取り組み、いつ『試合だ』と言われても、そのとき最善を尽くす」こと。
ビジネスで言えば「今この状況でできるベストの活動にまず取り組む」ということです。
で、しばらくしてからまた、自分と外部環境を観察し、また方向づけをするのです。
「今できること」の蓄積で目標や夢の実現を
「自分が今できるのはここまで。あとはできなくても仕方ない」と割り切り、方向性を柔軟に変えることも、この戦場のようなコロナ禍には必要だと感じます。
大事なのは、「こうありたい」という大きなゴールや目指す世界の具現化に、少しずつでも近づいているということ。
そうやって毎日のベストを積み重ねることが、小さな芽がやがては大木に育つように、大きな目標や夢の実現につながっていくのではないでしょうか。
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