「最近なんだか人間関係がうまくいかない」「やっていることがどうも裏目に出る」「幸福感を感じにくい」などと感じてはいませんか。 そんな人はもしかしたら「認知バイアス」の罠に何かかっているのかもしれません。
偏見と思い込み「認知バイアス」
「認知バイアス」とは、思考や判断の偏りや無意識の思い込みのこと。事実ではないことをそうだと思い込んだり、決めつけたりする色眼鏡的な考え方です。
こうした間違った認知が原因で、ネガティブな思考や感情が強化され、 周りの人と上手くいかなかくなったり、 合理的な判断ができなくなったり、 自分の幸せを実感できなくなったり、必要ないものにお金を使ったり…… と不都合が起こりがちです。
「〇〇だから△△」に要注意!
認知バイアスには自分では気がつきにくいものです。そこで気をつけたいのが、「〇〇だから△△」と言ってしまうこと。
「だから」は「当然の結果」や「理由」を意味する助詞です。
「だから」を使った文章は、「〇〇」と「△△」の間に、「当然そうであるべき」という話し手の考えが込められています。
この考えが「思い込み」であることも多いのです。
例えば「昔、彼氏に浮気されたことがある。だから、恋愛が怖い」という文章。
一見、「彼氏からの浮気経験」と「新しい恋愛が怖い」には当然の因果関係があるように見えます。
しかし、よく考えてみれば、「とある男性に浮気グセがある」ことと「恋愛全般が恐ろしいもの」であるかには因果関係はありませんよね。
「昔、彼氏に浮気がされたことがある。だから、次の恋愛では相手の気持ちを受け止めることを大切にしていきたい」
と前向きに恋愛を捉える考え方もありうるわけです。
つまり「恋愛が怖い」原因は、前の彼氏の浮気ではなく、この人の「思い込み」だということです。
ほかにも、
「家が貧しかった。だから、お金がなくて大学にも行けなかった」
と
「家が貧しかった。だから、猛勉強して大学に入った」
のような正反対のことを「だから」は導きます。
認知をゆがめ、判断を誤らせるバイアスにはさまざまなものがあります。以下にその一部を紹介します。
認知バイアスの 主な種類
自分に都合のいい情報だけを集める「確証バイアス」
先程の「恋愛が怖い」を前の彼氏のせいにする考え方は、「先入観を裏付ける情報」だけを集める「確証バイアス」の1例です。
悪い(またはいいところ)ところばかり見てしまう「観察者バイアス」
他にも自分が見込んだ人を間違えたと思いたくないばかりに、その相手の良いところばかりを見ようとするような場合は「観察者バイアス」がかかっていると言えます。
身近な人を好きになる「単純接触効果(ザイアンスの効果)」
何度も繰り返し接すると、その人物や物に好意度や印象が高まることは知られています。
過去の投資によって価値を見誤る「サンクコスト(コンコルド効果)」
すごく嫌な相手だと気づいたのに、これまで費やしてきた時間やお金を考えると別れることができないような心境には「サンクコスト(コンコルド効果)」バイアスがかかっています。
とんでもない損失を出した投資を損切りできないのも、このバイアスからですね。
他人が自分と同じ考えだと思う「偽の合意効果」
「自分がされたくないことは相手にしない」と言うことがあります。これは「他人と自分は考えが同じ」というバイアスが前提になっています。
人の考え方はそれぞれなので、自分が嬉しいことを相手も喜ぶとは限りませんよね。
成功より失敗のほうが記憶に強く残る「ツァイガルニク効果」
はたから見るとすごく成功しているように見える人が、自分は大したことないと思い込んでいることがあります。こういうケースは、本人が失敗したことをうまくいったことより大きく認識していることがあります。
自己評価が低くなってしまい、もったいないことです。
誰にでもあてはまることを「自分だけ」と思い込む「バーナム効果」
占いを見た時に、「あたってる!」と思うあの心境です笑。
受けた好意は返したくなる「返報性の法則」
他人から受けた好意を、お返したいという欲求です。それを果たせない場合、罪悪感まで 感じてしまいます。
ちなみにこれは営業や詐欺にもよく使われる手法です。
営業マンや詐欺師は、 小さな親切や 贈り物を提供することで 顧客に「お返しに買ってあげなきゃ」という気持ちを受け付けようとしている場合があります。気をつけましょう。
事実と自分の考えの「差」を消したい「正当化バイアス」
事実と自分の考えの「差」を「認知的不協和」といいます。この不協和による不快感を解消するために、「 大したことではない」と事実を軽視したり、他人のせいにして「 自分は悪くない」と思い込もうとたりします。
自分の行動や考えをより良く変化させて不快感を解消するなら、良い方向に働くこともあるのですが。
このほかにも、さまざまな思い込みや偏見が、私たちの頭の中には存在します。それでは、バイアスによって判断を誤らないためにはどうしたらいいのでしょうか。
認知バイアスを防ぐ方法
自分の思考の癖を自覚する
まず大切なのは自分の思考や判断の癖を認識することです。
例えば「ネガティブな要素に目が向きやすい」「相手の言葉を深読みしてしまう」「〇〇限定に弱い」といった具合です。
思考グセを認識することで、バイアスの罠に落ちそうになったとき、自分を客観視して気付くことができます。
「事実」と「想像」「意見」を区別する
私たちが物事を認識する時には、無意識のうちに「事実」と「想像」とそれに対する「意見」がミックスされます。
特に「多い」とか「高価」とか「評価できる」といった単語が出てきたら要注意です。 これらの単語は「事実」ではなく誰かの「意見」です。「○個」「○円」と具体的な数字が出てきたり、「〇〇が評価した」と主語が入れば、「事実」です。
批判的に物事を見る
「批判的」とは、なんでもケチをつけることではありません。「これは本当に正しいのか」という態度で、物事に接することを言います。
つまり前提や常識を疑うということです。
先に挙げた例で言えば「浮気をされたから恋愛が怖い」。これは、全員に当てはまる「事実」かと考えるわけですね。( そんなことはないでしょう)
自分の軸で判断する
何かを選択したり判断したりするときに、自分なりの基準を持つことも大切です。
例えば私の場合は迷ったら以下の方を選ぶようにしています。
- やったことのない方
- 快適な方
- 後ろめたくない方
- 10年後に後悔しなさそうな方
- 投資効果がありそうなほう
……といった基準です。こうした基準があると、バイアスが判断の中に入り込むのを防ぐ効果があると感じています。
自分の責任で幸せな認知と判断・選択を!
バイアスが入っていようとなかろうと、自分の選択は全て自分の責任です。そして人生もビジネスも判断と選択の連続です。
正しく素直な思考や価値観、判断基準を持ち、将来後悔しない幸せなな判断や選択をしていきましょう!
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