3月8日は国際女性デー。各地で様々なイベントなどが開かれる中、ちょっと気になっていることもあります。
【娘たちが「お母さんみたいなのがある」と指差した像 2018年3月サン・ピエトロ大聖堂にて】
「Happy Women’s Day」への違和感
ちょっと気になっているのは、ここ数年街で見かける「Happy Women’s Day」の文字。
イタリアの3月8日「女性の日」には、女性にミモザの花を贈る習慣があることにちなみ、「花屋さんで花を買って」贈るキャンペーンも見かけました。
しかし、国際女性デーは、「幸せな女性の日」ではないことをご存知でしょうか。
国連が、女性の十全で平等な社会参加の環境を整備するよう、加盟各国に対し呼びかける日です。
つまり、女性が平等でないこと、被害に合っている状況を思い出す日です。
今でも、しんどい思いをしながら女性が生きる国はたくさんあります。
日本でも、ほんの数年前である2018年に医学部入試で女性差別が行われていたことが問題となりました。
世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数2020」では日本は153か国中121位。これは主要な先進国G7ではもちろん最下位で、男尊女卑のイメージが強い中国や韓国よりも下です。
120位のアラブ首長国連邦は、表舞台は男性ばかりというイメージですが、日本の女性の立場も同じ程度なんですよね。
というわけで「幸せな女性の日」などとお祝いしている場合ではないなあと感じます。
「国連女性デー」なんてなくなっていい、という時代が早く来てほしいものだと思いますし、この日をバレンタインデーや節分の恵方巻きと同列の商業キャンペーンイベントにしてしまうことには反対です。
平成は「昭和の男」と同じことができる女性が「平等」を獲得した時代
こんな感じのことを言うと「女性は男性と同じようにできないのだから、平等に扱われようと言うのはおかしい。これは単なる区別だ」という反応をいただくことがあります。
これは非常に昭和な発想だなあと感じます。
確かに、昭和から平成の前半くらいまでは、健康で五体満足で、母親かお嫁さんが身の回りの世話をしてくれる男性と同じように振る舞え、働ける女性だけが「平等」を手にできた時代でした。
私は社会人になったとき、この「模範男性」と同じように働くことからあっという間に脱落。
独身のときも、規則正しい生活リズムと十分な睡眠時間が必要な程度の体力しか持ち合わせず、その後も子どもができたり、家に介護や看病が必要な人がいたりで、職場に対してはいつも3流の労働者だと劣等感ももっていました。
しかし今や21世紀の令和時代。その価値観とやり方ではうまく行かないことを多くの人が感じています。
会社の課題も、社会の課題も、家計の問題も、家庭の問題も、男女が性別分業ではなく、その人の個性と能力によって負担を分け合い、みんなが協力して担うようになっていく必要があります。
女性も働くし、男性は子育てや介護もしたり。誰もが仕事と私生活の両方をとる時代ではないでしょうか。
「女性差別が当たり前のブラック職場」もそこで働く人がいるからなくならない
とはいえ日本では、家庭や地域でのさまざまなタスクを女性に負担してもらうながら、職場ではプライベートに時間と体を取られる女性たちを差別するという会社もまだ存在します。
さらに女性たちに対して、「働きが悪いのだから、給料が低くてもしかたない」とか「そんな状況の自分に働ける場所は他にはない」と感じさせたりして、低い給料や長時間労働、持ち帰り仕事を強いるブラックな職場もまだ存在します。
私がデンマークに女性活躍の状況を視察にいったとき、「日本には女性が働きづらい職場が多いが、どうすれば改善できるか」という質問が日本人から出ました。
そのとき、デンマーク側の回答者はキョトンとした表情で「そんな辛いところで働かなければいいのよ。誰も働かなければ、自分の過ちに気づくのではないかしら? 反対にどうしてそんなところで働き続けているの?」と答えました。
そうなんです。辛いなら、我慢し続けるのをやめたらいいんですよ。
嫌なことは我慢せずNOといい、代案を出してダメなら、反乱を起こそう
我慢をやめる方法を3つご紹介します。
まずは今いる職場を快適に変えること。「こうやればうまくいく」という方法を考えて提案します。
このときのポイントは、自分だけでなく、みんなにとって利益になるような方法を考えることですね。
上司らが、そんなうまい方法を思いつかないとか、そうしたらあなたが快適になることに気づいていないとか、こんな場合はこれで改善することでしょう。
2つ目は、職場がまったく変わる気なしの場合です。他の職場を探しましょう。デ
ンマークの人たちが言うとおり、それでも辞めないから、変わらないのです。職場はたくさんありますから、ほかにもっと気持ちいい場所がありますよ!
3つ目は、独立して自分で自分の理想の職場をつくることです。
寒いのが苦手で冬場の通勤やオフィスの冷えに悩んでいた私は、独立して良かったと思うことのひとつが冬に足を温めながら仕事できることです。おかげで独立してからは、冬に風邪をひかなくなりました。
「独立なんて無理!」と思うかもしれませんが、独立している人の全てが、ものすごい特殊技能の持ち主というわけではありません。
あなたのまだ発揮されていない才能やスキルが評価されるタイミングがようやく訪れたのではないでしょうか。
というわけで、黙って我慢だけするのは終わりにしましょう。自分をもっと幸せにするために、小さなところから「反乱」をじわじわと起こしていきましょう!
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ここだけに掲載している林原りかの「自分史的自己紹介」をお届け後、言葉やブランディングで、ビジネスと人生を充実させるヒントをお伝えしています。返信もOK!