文字の書き方の種類「書体」についてご紹介します。
画像引用(https://www.u-can.co.jp/shodo/hand_write/study/in_the_life/)
中国の書体の変遷
甲骨文字
殷(紀元前17世紀頃 – 紀元前1046年 )の時代に生まれた書体です。中国最古の書体です。亀の甲、獣骨などに彫られました。
なぜ、彫ったか……まだ紙がないからですね!
金文(きんぶん)
周(紀元前1046年 – 紀元前256年)の時代の青銅器に刻まれた書体です。甲骨文字と似ており、象形的な形が特徴です。
篆書(てんしょ)
紀元前221年に史上初めて中国全土を統一し、紀元前206年に滅亡した秦。秦の始皇帝は国を統一した際に、文字も統一し、公文書に使用しました。このころの篆書は、木簡や竹筒に書かれています。
左右対称が基本となる書体で、今もはんこの文字としてイメージする人は多いのではないでしょうか。パスポートの表紙も篆書です。
隷書
篆書は画数が多くて書くのが大変でした。
そこで漢(紀元前202〜220年) の時代に、篆書を簡略化して生まれたのが隷書です。
右へ重みのかかったバランスが特徴。安定感があり、今では少し古風にも感じられる書体です。
富山県の地元紙「北日本新聞」など、新聞の題字でよく見かけます。
草書
篆書よりは単純化したとはいえ、文字の全てが漢字の中国語は書くのに時間がかかりがちです。そこで、隷書の速記版として前漢の時代に生まれたのが、草書です。
実は、楷書をくずした書体ではなく、草書を整えて楷書が生まれました。
行書
草書は書くのは速いが、崩しすぎていて読みづらい。というわけで、同じく隷書から後漢の時代に派生した速記体が行書です。
曲線的な形で、流れるように記されます。書きやすく、読みやすく、字体を美しくと工夫されています。
楷書
隷書を元に4世紀ごろ使われるようになり、唐(618~907年)の時代に完成したと言われる書体です。中国の手書き文字としては、最後に生まれた書体てす。
行書をさらに美しく整えた書体です。「楷」には「整える」という意味があります。
特徴は以下の通りです。
- 省略や崩しがない
- ひとつの線、ひとつの点を書くたびに、筆を紙から離す
日本に漢字が伝わったのは5つの書体が出揃った後
日本に漢字が伝来したのは4世紀後半の弥生時代と言われています。
江戸時代には、行書や草書が一般的に使われ、明治以降は公文書などから楷書が使われるようになりました。
提出する文書は「楷書」で書こう
書類やテストなどに手書きで書くとき「楷書で書いてください」と言われることがあります。
これは、「線や点を曲がるところを省略したり、崩したりせず、丁寧に整えて書いてください」の意です。
提出する書類は、丁寧に整った、誰もが読める字を書きましょう!
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