自己肯定感が下がってる?と感じたとき、何故か気持ちが鬱々モヤモヤしたときに。『自己肯定感の教科書』(中島輝著・SBクリエイティブ ・2019)【読書レビュー】

年末からの悪天候や新型コロナウイルスの状況悪化、年末年始の暴飲暴食などの影響からか、なんだか心身ともに調子が悪いなと感じた新年。 自己肯定感も下がり気味であることを感じ、自己肯定感の上げ方に関する本を読みました。

目次

自己肯定感を分解し、それぞれの上げ方を解説

今回私が手にした本は『自己肯定感の教科書』。著者は心理カウンセラーの中島輝さんです。

何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書

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最近、「自己肯定感」という言葉が一般的になりました。「どうすれば自己肯定感が高まるのか?」という疑問に答えようという内容です。自己肯定感の定義とその構成要素を解説し、自己肯定感が自然と高まる方法を紹介しています。

自己肯定感が低いと、チャレンジできなくなったり、ちょっとしたことに傷つきやすくなったり、起こりっぽくなったりします。そういう人、付き合いづらいですよね……。

また、親の自己肯定感の高低は子供にも連鎖するといいますから、自分で意識して改善しておきたいものです。

自己肯定感の高低は不安定

本書によると、自己肯定感とは高いところ、低いところで安定しているものではなく、状況によって高低が変化しているもの。

「最近なんか調子が悪い」とか「これといった原因がはっきりしないのにモヤモヤする」といったときは、自己肯定感が下がっているサインとのことです。

サインに気づくことができれば回復もできる!といい、その回復方法も紹介されています。

自己肯定感の構成要素

「そもそも自己肯定感とはなにか?」という疑問に対して、本書では「人生を支える軸となるエネルギー」と定義。また、以下の「6つの感」から支えられているといいます。

これらの要素は互いに影響しあっており、1つが下がるとほかのものも下がことがあり、の反対もあるとのことです。

  1. 自尊感情  自分には価値があると思える感覚
  2. 自己受容感 ありのままの自分を認める感覚
  3. 自己効力感 自分にはできると思える感覚
  4. 自己信頼感 自分を信じられる感覚
  5. 自己決定感 自分で決定できるという感覚
  6. 自己有用感 自分は何かの役に立っているという感覚

本書に掲載されたチェックシートでは、どの「感」が下がっているかを見つけることができます。

分類や言葉の定義には諸説あり、とは思いますが、このように分解されると、「自己肯定感」とよく似たこれらの単語との意味の違いがわかりやすいですね。

ちなみに、私はこのチェックでは、1の「自尊感情」と2の「自己受容感」がやや下がり気味のようでした。

自己肯定感を下げる2つの要素

では、どうして、自己肯定感が下がるのか。著者は以下2点を指摘します。

  • 過去の失敗へのこだわり
  • 他人と比較して感じる劣等感

これらにとらわれると承認欲求が強くなり、さらにその承認を他者に求めるようになり、行動が依存的になる…という悪い連鎖につながるとのこと。

対処は「ま、いいや」と放置すること…それができれば苦労しないよ!という気もしますが、敵(原因)を特定できるだけでも、状況改善への1歩にはなりそうです。

さらに本書は先に揚げた「6つの感」の詳細や事例、それぞれが自然に上がるワークを詳しく紹介しています。

私はこれでいいのかも?

この本を読んで気づいたことは、「私は自己肯定感がそんなに低くないかも」ということです。

というのは、プロローグのテストでは「今あなたは、自己肯定感が高いポジティブな感情に満ちています」と判定。

また、先に揚げたチェックシートでも、「12個の質問のうち10個が○の場合は自己肯定感が低い状態」とあるなか、○は2つ(それもわりと「強いて言えば」。ほか10は全く該当せず)でした。

また、本書の中で紹介されているワークについても、他の書籍やセミナー、You Tube動画などで知りすでに実行しているものがいくつもありました。

ここに関しては、「なんだ、私はこれでいいのか……」という読後感です。

ただ、ひとつは発見がありました。

自己認知のトレーニングとして紹介されていた人生のテーマに対する満足度を採点する「ライフチャート」では、「自尊感情」を低下させている要素がわかるといいます。

私の場合は「経済的自立」がこれにあたりました。

なるほど、最近のコロナ情勢の悪化から生じる経済状況に対する不安や自分ではどうしようもならない無力感が、自尊感情を下げる原因になっているのかも…と思い至ることができました。

不安の対象が分かれば、解決方法も見えてきますよね。

やったことのないトレーニングも試してみよう

本書には、初見のトレーニングもいくつかあったので、試してみたいと感じました。

また「掃除をする」「花を飾る」「フカフカの布団で寝る」といった私が後回しにしている自分周りの環境整備も大切とのこと。

母親としては子供や家族の環境整備を優先してしまいがちですが、自分にも優しくすることが自己肯定感を高めるには大事だと感じました。

というわけで、本書は読みやすく、網羅的で、即実行できる具体策が紹介されている点で、最初の1冊にオススメです。

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