「セルフ・コンパッション」という考え方をご存じでしょうか。他人に対して同様に、自分に対しても「思いやり」や「慈悲の心」を持って接しようという考え方です。
【20年くらい前に購入したウィンドブレーカー。当時はピンクを選んだのねと感慨深い】
みんな自分に手厳しい
セミナーやコンサルで お客様のお話を伺っている時に気になることがあります。
それは、傍目から活躍していると見える人、能力が高いと見える人であっても、その人の自分自身への評価がとても低いことです。
「こんなことは誰にでも出来る」
「大したことはない」
「自分はダメだ」
「自分の顔が美しくなくて嫌い」(実際は非常にかわいらしい)
などなど、自分を過小評価し、自分を責める言葉が続きます。
謙遜しているだけならいいのですが、自分を過小評価するとよくないことがあります。
自己肯定感が下がり、自信が失われ、その結果、行動する勇気が持てないことがあります。
自分の商品・サービスにも自信が持てず、低すぎる価格をつけたり、お金をいただくことに罪悪感をもったりすることもあります。
こうした自分への過小評価や厳しすぎる眼差しを改善するために、役立つのが「セルフ・コンパッション」という考え方です。
自分にもっと優しくなろう
「セルフ・コンパッション」(self-compassion)とは、自分に向ける「思いやり」「優しさ」「慈しみ」を指します。
「セルフ・コンパッション」を実現ずることで、自身のいいところも短所もそのまま認め、「あるがまま」の自分を肯定的に受け入れられると言われています。
「セルフ・コンパッション」の考え方を詳しく知りたい方には、テキサス大学教育心理学部のクリスティーン・ネフ准教授の著書『セルフ・コンパッション』がオススメ。
「セルフ・コンパッション」には、「幸福感を高める」「ストレスを減少させる」「レジリエンス(精神的回復力)が高まる」といった効果があるそうです。
「セルフ・コンパッション」を高める方法
「セルフ・コンパッション」を高めには、瞑想やストレスを感じたときに決めた動作を行う、日記を書くなどの方法があります。
そうした方法の中で、私が一番簡単で効果的だと感じたのは、
「自分に批判的な気持ちが浮かんできたときに、自分を優しく労わるようなメッセージを思い出す」
というものです。
- 自分の親友なら、自分のその状況を見て、自分になんと声をかけてくれるか
-
同じ状況である他人を見たら、自分はその人になんと声をかけるか
を想像してみると、イメージがつかみやすいでしょうか。
あなたの親友はあなたを優しく励ましてくれたのでないでしょうか。
あなたは同じ状況の人に対して「よく頑張っている。すごい」「これは明るい未来への1歩だよ」などと、その人の頑張りを労ったのではないでしょうか。
同じような温かい眼差しを自分自身にも向ければよいのです。
他人からの見方を知ることで自分への見方が変わる
自分が低く評価していることへの他人からの評価を知って、自己評価のとの乖離に驚くことはよくあります。
例えば、私がランニングのときに着ているウィンドブレーカーについて。
私が着ているウィンドブレーカーは20数年前に買ったものです。 当時私は25歳ぐらいで、ランニングウェアやランニンググッズはピンクをアクセントカラーとしていました。
スポーツウェアは素材が高品質なものが多く、なかなか壊れません。
おまけにウィンドブレーカーは 冬しか着ることがなく、トライアスロンをやっていると、3種目分のグッズを購入しなくてはいけないため、ウィンドブレーカーの買い替えは後回しとなってきました。
その結果、今でもウィンドブレーカーだけはピンクです。
20数年前のものとなると形も古いので、正直なところ「古臭くて格好悪いなあ。色も似合わないし」と感じていました(でもウィンドブレーカーよりも先に、新しい水着が欲しいの)。
そんな私の「古くてダサいピンクのウィンドブレーカー」への認識を変えてくれた温かい視点に触れる機会がありました。
1つは中2三女からです。「古いウィンドブレーカーを着ているのは、実はちょっと恥ずかしい」という私に
「お母さんの周りの新しい流行の形のウェアを来ている人って、最近走り始めた人じゃないの? そのウィンドブレーカーは、お母さんが20年以上前からランニングを続けている証拠なんだから、堂々と着ればいいよ」
と笑顔。この見方は目からウロコでした。
またとある 同世代の女性から
「昔、同じウェアを着ていました。今も着ているなんてすごいですね」
と声をかけられたことがあります。その古さを指摘されたと受け止めて
「倹約してるんで、買い替えてないんです」
と苦笑いしたところ
「20年前のウェアを着られるなんて、当時から体型が変わってないんですね。私はとてもじゃないけど、入りませんよ。すごいなあ」
と褒められてしまいました。「え?そっち?」みたいに拍子抜け。
私が自分に対して考えていた「ダサい」とか「貧乏臭い」なんて、思っていなかったんですね。自意識過剰を反省しました。
このように同じ事柄に対して、本人の手厳しい見方に比べ、周囲の優しい人は温かく受け止めてくれているものです。
自分に対してばかり、評価基準を厳しくしたり、卑下したりすることなく、自信を持っていきましょう。
また、どうしても自分で「セルフ・コンパッション」になれないという方は、プラスの声がけをしてくれる人と過ごす時間を増やすのも効果的。
そんな人がそばにいないなら、コーチングなどプロに頼むのも一案です。と、最後はコーチングの宣伝でした笑。
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