私が所属するランニングクラブの練習は、ジョギングだけでなく、息がゼイゼイと切れるくらいの強めの練習もしています。「なぜ、そんな辛い目にわざわざ…」と驚かれることもありますが、私にとっての魅力のひとつは「マインドフルネス」を感じられる点です。
マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、語義通りにいけば「心を充たす」ということ。「今ここ」にただ集中している心のあり方をいいます。
マインドフルネスな状態は、ストレス軽減や集中力の強化などの効果が得られるとされています。
マインドフルネスの実践方法である「マインドフルネス瞑想」は、座禅から宗教的な意味合いを取り除いたようなもので、世界中に広まっています。
また、マインドフルネスに似た状態に、スポーツ選手などが使う「ゾーンに入った」という言い方があります。
「ゾーン」とは以下のような状態です。
- リラックスしながら集中している
- 体と心が一体化していているような気持ち
- 体が軽く、ワクワクしている
- 最高の気分
スポーツ経験者ならわかる!という人も多いのではないでしょうか。ランナーズハイもこんな感じですよね。マインドフルネスも、ゾーンと同じような状態なのだと思います。
マインドフルネスには二次的な効果も言われています。もう少し詳しくご説明すると、次のようなものがあります。
- 集中力が高まる
- 緊張が緩和されストレスが解消される
- 思考が整理され、洞察力、直観力、創造力が高まる
- 交感神経と副交感神経のバランスが整い、よく眠れるようになる
こうみると、いいこと尽くめですよね。
では、このマインドフルネスとランニングはどう関係しているのでしょうか。
ランニングとマインドフルネス瞑想は似ている
ランニングは「走る瞑想」と言われることがあります。
私も、瞑想とランニングが似ていると以前から感じており、ランニングに出かけることを「ラン禅」などとひとり呼んでいました。
どういう意味かというと、走っている時間は、まるで瞑想や禅のように「自分と向き合う時間」だということです。
私は職業柄もあり、頭の中に文字が絶えず溢れている感覚があります。
そうでなくても、私たちの頭の中はいつも思考を続け、将来への不安や明日の予定、過去の後悔などをずっと喋り続けているものです。
しかし、ランニングの強度の強い練習のときは、自らのフォームと呼吸を意識し、体のしんどさはどうか、まだスピードは上げられるか、気力は十分かなど、自分の体と心に意識を集中します。
これが、「今ここ」に集中するマインドフルネスな状態ですよね。
このときには、日々の憂鬱や雑念が消え、「ただの自分自身である感覚」がもたらされます。
こうした感覚から、自分の中の毒が出て、心身が整ったような気分となり、本来の自分に戻ったようなポジティブな心の変化が生まれます。
これが、私の感じるランニングと瞑想や禅との共通点です。
私はこの心身が整う感覚の心地よさから、ランニングやトライアスロンなどのトレーニングを続けているのだと思います。
陸上競技場は一期一会の「夢の国」
私にとってもうひとつ、ランニングでマインドフルネスを感じられる要因として、練習で利用している陸上競技場があります。
陸上競技場は、不思議な空間です。
大会やイベントがなくて一般開放されているときは、ランナーやランニングクラブ、陸上部の面々があちこちから集まります。
老いも若きも、コースをお互いに譲り合い、走っている人の走路を邪魔しないよう目配りし、励ましの声を掛け合いながら、日頃の憂さや悩みや家事や仕事などを忘れて、ただ「走る」だけに集中しています。
先日、中2三女(陸上競技部所で短距離)と一緒に陸上競技場を訪れたときのことです。私はランニングクラブの練習に参加し、三女は自主練習をしていました。
すると、三女の刺激になるのでは?と、チームの仲間数名が三女と一緒に200mダッシュをしてくれました。
走り終わってから、みんなで「速かった」「いや、そちらこそ」と称え合い笑顔……こんな光景は、普段の暮らしの中では、なかなかありません。
私は子育てや日々の家事・仕事に追われていたときは、陸上競技場での練習を羨みながら、そこまで足を運ぶことは、さまざまな事情から叶いませんでした。
今は競技場に通っていますが、これとて年老いたり、故障したりで、いつか終わる日がきます。それは他のランナーだって同じことです。
私にとって陸上競技場は、東京ディズニーランドよりもよほど、一期一会の「夢の国」。ランナーたちの走り見ていると、その刹那の力強さと美しさに涙が出そうになります。
というわけで、心身の状態と環境が許してくれる限りは、こうした時間と空間と一緒にゼイゼイ走ってくれる仲間とを大切にして、過ごしていきたいと思っているのでした。
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