「読心バイアス」の存在を知ると、他人の目が怖くなくなり、行動しやすくなる【Q&A】

「どうしたら行動するのが怖くなくなりますか」というご質問をいただきました。「あの人は私のことをこう思っているんだろう」とネガティブに思い込む「読心バイアス」があることを意識してはいかがでしょうか。

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【京都・源光庵の「迷いの窓」と「悟りの窓」】

目次

行動するのが怖いわけ

私たちが行動することをためらう理由は何でしょうか。「変化が怖い」「失敗したくない」などいろんなことに「恐れ」の感情をいだいていることが大きく影響しているのではないでしょうか。

では、なぜ変化や失敗が怖いのかといえば、「誰かから低い評価をうけるのではないか」「周囲からバカだと思われるのではないか」「自分勝手だと思われそう」「周りを不愉快にするのでは」などといった「他人からどう思われるか」もっと言えば「他人からの低評価」が怖いから、という場合が多いのではないでしょうか。

そこで、「自信がないから」「スキルがないから」「経験がないから」「夫(や家族)が反対するから」「お金がないから」「もう若くはないから」などと、客観的(のように思われる)なできない理由を一生懸命に探して、自分や周囲を納得させようとします。

しかし、その低評価は「事実」なのでしょうか。

「読心バイアス」の存在を意識する

このように「〇〇さんは△△と思っているに違いない」などと、「自分は他人の心を読めている」と思い込むことを「読心バイアス」といいます。バイアスとは「偏った見方」のことです。

どぶろっくさんの歌のように、前向きで楽しい勘違いができればよいのですが、たいていはネガティブに働き「あの人に嫌われているに違いない」などと思いこんで、自分の劣等感を強化してしまいます。

先に挙げた「誰かから低い評価をうけている」というのも、読心バイアスですね。

この「読心バイアス」というものが「ある」と意識するだけでも、劣等感に苛まれそうになったときに「これはバイアスだ!」と気付くことでき、気持ちがずいぶんと軽くなります。

「読心バイアス」への対処法

反対にポジティブを仮定してみる

この読心バイアスから解放されるにはどうしたらいいのでしょうか。

まずひとつは、ネガティブな思い込みに囚われそうになったら、「反対だったら」と仮定してみることです。

例えば、「こんな失敗をするなんて、あの人にバカでと思われて嫌われたに違いない」という思考が降ってきたら、「ちょっと待って! あの人がもしも自分を応援してくれているとしたら…?」とアタマを切り替えます。

すると「バカにしているような引きつった笑い」に見えた顔が、「『しょうがないなぁ』とほのぼのしている笑顔」に見えるかもしれません。

こんなふうに正反対の思い込みを仮定することで、同じ状況もまるで別のものに見ることができます。

人間の表情から気持ちを読むことは、心理学者のようなプロでも難易度の高いことだとか。また、人間は感情とは異なる言葉を口にできる生き物です。

「誰かの気持ちが読めている」と考えずに、むしろ「自分のネガティブな推測は間違っている」前提でいるくらいでちょうといいかもしれません。

事実と推測を分ける

「バカ(その他のマイナス評価)だと思われた!」と落ち込みそうなときは、事実はどうだったのかを思い返してみましょう。状況判断に自分の推測は入っていませんでしたか。

例えば、「『すごいわね』と呆れた顔で言われ、バカにされた」としましょう。

ここでの「事実」は「『すごいわね』と相手が言った」ことだけです。「呆れた顔」「バカにされた」は、あなたの推測です。

「推測」は状況判断の材料とせず、事実「『すごいわね』とあの人から声をかけられた」だけを判断材料にしましょう。……実際のところ、素直に「すごい」と思っただけ、なんてこともあります。

他人も自分のことばかり考えていると認識

さらには、実は相手が何も思っていないこともあります。つまり、あなたの言動や失敗なんて「どうでもいい」という。

これは相手が非情なのではなく、人は誰でも自分のことが一番気になるものだということです。

つまり、あなたのやったこと、言ったことを一番じっくりと見聞きし、「あれはまずかったなあ」と反省会を開いているのは、あなた自身だけです。

他人はあなたのことをいつも考えているわけではありません。

同様にあなたが、誰かがあなたをどう評価したかについて、いつもやきもきと考え悩む必要だってないのです。

自分の至らなさも含めて認める

万一、本当にその人があなたに低評価を下していたとしても、それも気にしすぎる必要はありません。

人間は誰もが失敗やミスをおかすし、完全な人間がいるわけではなく、人が2人いれば互いに評価しあうでしょう。

「低評価を受けてしまったけど、仕方ない。自分はパーフェクトじゃないし、それは当たり前だ」

「うっかり変なことをしてしまったけれど、時間が経てば、みんな忘れてくれるだろう」

このくらい軽く考えてみてはいかがでしょうか。

本当にバカにされたり、嫌われたりしていると確実に判明したら、そのときは縁がなかったと離れればいいことです。※他にも、人はたくさんいます。

自分の至らない部分も認めて「仕方ない」「まあいいや」と受け入れてしまえば、読心バイアスから自由になることができ、他人の目を気にせずに「行動しよう!」という勇気も湧いてくるのではないでしょうか。

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