多くのタスクを抱える私たち。どんなふうに、人と会う約束をしたり、タスク実行の予定を入れたりしていますか。
【坂東眞理子さんインタビュー】
多くのタスクに振り回されていませんか
私たちの時間は、仕事や家事・育児、地域活動やプライベートの趣味や友人との時間など、多くのアポや予定、約束やタスク や「To Do」で埋められています。
予定ややらなくてはいけないこと、頼まれごとなどがいっぱいいっぱいで、追い立てられるような、振り回されているような感覚になることも多いのではないでしょうか。
こうなると、予定の調整が面倒だったり、ダブルブッキングをしてしまったりといった問題やミスも起こりやすくなります。
予定がつまりすぎていると、気持ちにもゆとりがもてず、焦ったり、イライラしたりしがちですよね。
スケジュール管理が楽になる方法
しかし、約束の管理がすごく楽になり、スケジュール管理のミスを減らす方法はあります。
アポやタスクのスケジュール管理が楽になると、気持ちのゆとりが生まれ、ひとつひとつに集中して取り組めるため、結果的に成果も上がります。さらには、周囲の人たちから、信用・信頼してもらえるようになるというおまけ付き。
そのスケジュール管理方法は、「先約優先」という考え方と方法です。
先に入れた予定を必ず優先
「先約優先」とは、「先に入れた予定は必ず優先させる」ということです。このルールを守ると、まずドタキャンやダブルブッキングをなくすことができます。
このとき大切なのは、どんなに小さな約束でも、つまらないと思われるようなことでも、先約を優先することです。
以前、インタビューした坂東眞理子さんは、子育て中は仕事優先で子供たちと遊ぶ約束があっても後から仕事が「入ってきた」ら、子供との予定をキャンセルしていたそうです。
そのことを「人生の痛恨事」と、大いに悔やんでいらっしゃいました。
このインタビューが、私が「先約優先」を意識するきっかけとなりました。
相手やするコトに優劣をつける損得優先主義
先の約束を優先するなんて当たり前では?と思うかもしれません。
しかし、これが案外できていないものです。
そういう人が使うセリフは、あとから約束する相手には「検討してスケジュールを調整します」、先に約束した相手には「外せない仕事が入ってしまいました」
……ね、よく聞くでしょ(笑)。
会う相手ややるコトを、先約があるにも関わらず優先するということは、2つを比較してあとの人やコトのほうが「重要」とか「楽しそう」と優劣をつけた…ということです。
こちらは、損得勘定で選択を変える「損得優先主義」ですね。
損得優先主義の問題点
無駄なタスクが増えとミスの可能性が高まる
「重要な方を優先するのは当然」「仕事なんだから仕方ない」とおっしゃる方もいるでしょう。
しかし、ここには3つの問題点があります。
ひとつは効率低下と無駄が増える問題です。
「スケジュールを調整」ということは、以下のような作業が新たに発生します。
- 先の約束相手に連絡
- 変更の旨を伝える
- 再度予定をあわせ直す
- 後の約束相手に再度連絡し、アポの約束を決定
この間、どれほどの時間と手間が取られたでしょうか。これが「効率低下と無駄」ということです。
ダフルブッキングやアポの書き直し忘れも増え、信用を低下されるおそれも高まります。
重要度の判断は正しいか
また、損得勘定で重要度をいくら考えたとしても、それが正しいとは限りません。
「ちょっとした出会いやきっかけが、あとあととても重要なターニングポイントになった」というのはいくらでもあることです。
「いつでも会えるよね」とアポを繰り下げた相手と、もう二度と会えなくなることだってあります。
大きな運命の前で、私たちが浅知恵で、出会うひとややるコトの重要度を判断するのが、いかに浅はかなことかが分かります。
信用が低下し人間関係が悪化する
さらに、先約の相手のことも想像してみてください。
その人もほかの用事を断ってあなたとの時間を確保したのかもしれません。ずっとその日を楽しみにしてきたかもしれません。
あなたの「調整」は、その人たちを裏切ることになります。
例えば「仕事が入った」(実際はあなたが「入れた」のですが)と謝られても、家族なら「ああ、自分たち家族よりも、大切なことがあるんだな」と刷り込まれていきます。
友人なら「私たちと楽しい時間を過ごすよりも、商売やお金儲けをとる人なんだなあ」と刷り込まれていきます。
「彼氏との予定が入った」と言っては女友達との約束をドタキャンばかりする女の子みたいなものです。※お互い協定を結ぶなどしておかないと、友達がいなくなりますね。
こうして家族や他人の信用を自ら失った結果、あなたも家族や友人に対してそう振る舞ったように、軽んじられるようになっていくことでしょう。
仕事においても、プライベートにおいても、このリスクはかなり大きいといえるのではないでしょうか。
信用が高まる先約優先主義
一方、先約優先のリスクはなんでしょう。
「重要な人に失礼だと思われるのではないか」「せっかくのチャンスを逃すのではないか」という心配があるしもしれません。
しかし、先約があった場合、「そこは予定があります。別の日にしてもらえませんか」とその場で言って別の日にすればいいだけのことです。
このほうが「約束を守る人」として、好感度も信用も高まると思いませんか。
「先約がある」と言われて怒り出すような人は、かなり自己中心的な方だと思われますので、今後のお付き合いの仕方を考えたほうが無難でしょう。
もし仮に、この「重要」で自己中心的な方を優先し、大きな仕事をいただけたとしても、後々も振り回されて苦労することは目に見えています。
また、家族や友人にとっては、「自分と約束があれば『仕事』の予定も入れないなんて、自分のことを大事にしてくれているなあ」とあなたからの愛と信頼を実感してくれることでしょう。
「愛されている」という実感は、特に子供の心を強くします。大人になってからも「自己肯定感」としてその子の人生を支えてくれます。その効果は絶大と言えましょう。
先約優先主義を破るルールも決めておく
先約優先を徹底したとしても、そのルールを破らざるえないことも、ときにはあります。
そこで、破るときのルールも決めておきましょう。
私の場合ひとつは、誰かが亡くなったとき。
通夜や葬儀の日程は、予め決めておけません。また「次回お願いします」とも言えません。こればかりは先約優先とはいきませんね。
もうひとつは、家族の急な体調不良や怪我です。
私は子供たちの母親で老親の娘という、家族としての責任をになう身です。
家族が交通事故で病院に運ばれたり、急に倒れたとなれば、そのときやっていることを中断してでも、家族の元に走る責任があります。これも先約優先を破るべき事案です。
こうした先約優先が絶対に実行できない場面も、生きていれば必ずあります。
それだけに、できるときには先約優先を徹底することで、周囲からの信頼が高まり、のっぴきならない事情でルールを破るときも理解を得ることができるのではないでしょうか。
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