中学校学習指導要領で、「国語」を学ぶ目標や内容を確認しました。中学生のころは意識していませんでしたが、文章術の本、情報発信に関するセミナー、仕事術、自己啓発本などで扱われそうな内容がいっぱいです。これがちゃんと身につけば、大人になって生きるのがきっと楽になることでしょう。
国語の目標は「国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力の育成」
中学校学習指導要領によると国語科の目標は以下のとおりです。
言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)社会生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする
(2)社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う
(3)言葉がもつ価値を認識するとともに,言語感覚を豊かにし,我が国の言語文化に関わり,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う
(1)(2)(3)はそれぞれ、
(1)知識及び技能
(2)思考力、判断力、表現力等
(3)学びに向かう力、人間性等
と3つに分けて整理されています。
国語で学ぶ対象と方法と高める力
そして以下のような対象や方法で学習を進めます。
学習対象
言葉を通じた理解や表現及びそこで用いられる言葉そのもの
方法
読み書きや聞いたり話したりする
人と伝え合う(互いの立場や考えを尊重する)
育成する力
理解力・表現力・思考力・想像力
→未知の状況への対応力
社会生活で必要とされる知識と技能
論理的思考力・豊かな想像力
→新たな発想
言葉によって自分の考えや思いを表現する
→心を豊かにする、自他の存在について理解を深める
言語感覚(正誤・適否・美醜)
いかがでしょうか。小中高と学校で国語を学習して、こういう力、つけてこれたかなあと、考えてしまいました。
国語でつけようとしている力は、社会を生き抜く力でもあり、「仕事ができる人」「人間的にいい人」になる力ともいえましょう。
国語の学習内容
では、国語の学習内容は、どのように決められていたのでしょうか。
指導要領では以下のように整理しています。
これにそって作られた教材が、私達が手にしていた「教科書」です。
〔知識及び技能〕
(1)言葉の特徴や使い方に関する事項
〇言葉の働き
〇話し言葉と書き言葉
→使い分けられるよう
〇漢字
〇語彙
→語句の量を増すことと,語句についての理解を深める
→社会生活の中で使いこなせる語句を増やす
〇文や文章
〇言葉遣い
→敬語を含め広く相手や場に応じた言葉遣い
〇表現の技法
(2)情報の扱い方に関する事項
〇情報と情報との関係
→話や文章に含まれている情報と情報との関係を捉えて理解
→自分のもつ情報と情報との関係を明確にして話や文章で表現
例 原因と結果,意見と根拠など
〇情報の整理
→情報を取り出したり活用したりする際に行う整理の仕方やそのための具体的な手段
例 比較や分類,関係付けなどの情報の整理
(3)我が国の言語文化に関する事項
〇伝統的な言語文化
〇言葉の由来や変化
〇書写
〇読書
〔思考力,判断力,表現力等〕
A 話すこと・聞くこと
〇話題の設定,情報の収集,内容の検討
〇構成の検討,考えの形成(話すこと)
→自分の考えを形成する
〇表現,共有(話すこと)
→聞き手に分かりやすく伝わるように表現を工夫する
〇構造と内容の把握,精査・解釈,考えの形成,共有(聞くこと)
→聞き手としてどのような立場に立ち,何を聞こうとするのかを意識する
〇話合いの進め方の検討,考えの形成,共有(話し合うこと)
→話合いを効果的に進め,互いの発言を踏まえて,考えをまとめたり広げたり深めたりすること
B 書くこと
〇題材の設定,情報の収集,内容の検討
→伝えたいことを明確にする
〇構成の検討
〇考えの形成,記述
→自分の考えが伝わる文章にする
〇推敲
〇共有
C 読むこと
〇構造と内容の把握
→文章がどのような構造になっているか,どのような内容が書かれているのかを把握する
〇精査・解釈
→文章の内容や形式に着目して読み,目的に応じて意味付けたり考えたりする
〇考えの形成,共有
一生必要な国語力
このように改めて見ると、言葉を使いこなし、情報を収集・編集して活用し、論理的に考えを組み立て、わかりやすく話したり、書いたりして表現することが、「国語の力」であることがわかります。
高校、大学と学び続けるための土台となる力であり、社会に出ると稼ぐため、いい人間関係を築くために、すごーく大事な力です。
「日本人だから日本語話せるし!」という国語科不要論は、学習の目的をわかっていない人のいうことですね。
言葉の達人となって、思考と表現を磨き、言葉で周囲にいい影響を与える力を磨くのが、国語の学習といえましょう。こう見るとなかなか奥深いものだとわかります。
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