「マラソンを走ってみたいけど、どうやって練習したらいいですか」と質問されたときに紹介する1冊はコレと決めています。『マラソンは毎日走っても完走できない 「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42・195キロ』です。
ジョギングにプラスすべき練習と考え方を紹介
この本の対象は、10km、ハーフ、フルマラソンとレースに挑戦中の初心者から、フルマラソン4時間台を目指すくらいのランナーです。
「ランニングしてみたいけど、どんなふうに初めたらいいか分からない」
「ジョギングはできるようになったけど、フルマラソンを完走するには、どんな練習をしたらいいんだろう」
「20キロくらいまでは走れるんだけど、30キロをすぎるとしんどくて歩いてしまう。どうして?」
という人にオススメの1冊です。
このタイトルでいう「毎日走っても」は、タラタラっと気持ちいいジョギングのこと。
もちろん、健康や脂肪燃焼のためには、「気持ちいいくらいのペースのジョギング」はいいものです。
しかし、フルマラソンを走り切りたいなら、インタ-バルやビルドアップ、ペース走など高負荷の練習を加え、脚をつくったり、心肺機能を向上させる必要があります。
そして練習がハードになれば、休む日も必要です。ハードな練習に耐えられる体づくりとコンディショニングが必要です。
これが、タイトル『マラソンは毎日走っても完走できない 』の意味するところです。
マラソンは毎日走っても完走できない 「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42・195キロ (角川SSC新書)
マラソン指導の第一人者の指導法
著者の小出義雄さんは、元陸上選手でマラソン指導者です。有森裕子さんや高橋尚子さんらを指導した名伯楽として知られます。また、市民ランナーの育成にも尽力されていました。
厳しくも優しく、選手の個性に合わせた指導法をとられ、とくに高橋尚子さんとの師弟関係のエピソードには心温まるものも多くありました。私も小出義雄さんを尊敬しておりました。2019年に80歳でお亡くなりになったときは悲しかった…。
【高橋尚子さんに「小出さんの本を見て練習してます!」とお声がけしたのは私です】
著書の行間からも、小出義雄さんの温かいお人柄と豊富な知識(それを初心者むけに厳選し、初心者にも理解できるよう言葉を選んで紹介していること)が感じられます。
未経験者もOKな内容
この本の素晴らしいことは、まったく走っていない人が「走れる体をつくる」というところから、話を初めているところです。
ランニング愛好者として残念なよくあるパターンがこう。マラソンやリレーマラソンが盛んになり、ノリで「走る~」とウエアを買ったものの、いきなり走ってケガをして、「やっぱり走るのが嫌い」となってしまう方です。
こうした方に足りないのは、ウエア以外の「走るための準備」です。
この本では、未経験者がウォーキングから始めるトレーニング法、走れる足の作り方、シューズ選びのポイントなど、初心者むけの情報から丁寧に解説しています。
それから「脚と心肺に負担をかける」として、負荷のかかるトレーニングやフォームを解説。ここで、食事や脈拍管理といった「自己管理」の大切さを強調しています。
つぎにやっと「練習メニュー」の話です。10キロ、ハーフ、フルと距離に応じてメニューをつくるときの考え方から紹介されています。
さらには、マラソン大会当日の流れ、レース前の食事のとり方、吸水所での水の飲み方、足のマメや脇腹痛などトラブル対応まで、初心者が直面するトラブルを網羅した内容です。
効率的な練習をしよう
忙しい大人がマラソンの大会に出ようとするなら、仕事や家事に差し支える「ケガ」を防ぐことと、時間あたりのトレーニング効果を上げることを考えるべきです。
この本はその両方についてとてもわかりやすく説明しているので、これからマラソンを目指す人にはぜひオススメしたいと思います。
関連図書
マラソンを完走できたら、次に考えるのが4時間を切る「サブ4」でしょう。
このレベルのランナーにオススメは、同じく小出義雄さんの著書。
30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法 (角川SSC新書)
こちらはサブ4やサブ3を目指す人が対象。とても役にたったのは、レース前3ヶ月分の練習メニューが紹介されている点です。
私はこの本の通りに練習して、サブ4まであと7秒…涙 というところまでいったことがあります。
次の大会はまだ決まっていませんが、次回はサブ4を達成したい! またこの本で練習がんばります!
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ここだけに掲載している林原りかの「自分史的自己紹介」をお届け後、言葉やブランディングで、ビジネスと人生を充実させるヒントをお伝えしています。返信もOK!