2020年1月26日、いみず学生アイディアコンテストが開催され、私は審査員としてプレゼンテーションを審査させていただきました。今回は、頼まれてもいないのですが、勝手に講評したいと思います。
【新聞に後ろ姿が写っていた!】
学生がまちづくりを提案
今年で4年目のこのコンテスト。私は昨年に引き続き審査員を務めさせていただきました。射水市が提示したまちづくりの課題に対して、高等教育機関の学生が、解決策を提案します。
司会も学生が担当。フレッシュ感あふれるイベントです。
優秀賞は射水市の政策に反映
実はこのコンテストは、発表するだけで終わりではありません。
昨年の最優秀賞、富山県立大生のテーマ「南部丘陵地の自然を活(い)かした教育・運動公園」アイディアは、 現実の活動に反映されました。
参照 木こり体験里山整備 県立大生らアイデア実践 射水青井谷地区の南部丘陵
このことからも分かるとおり、実際に大人もうなる企画があるのです。
今回、最優秀賞に選ばれたのは、 富山高等専門学校の野上萌果さんによる「塚原地区と下村地区におけるデマンドタクシー導入の提案」でした。
運営スケジュールまで考えこまれたこの提案が、どんな風に反映されていくのか楽しみです。
引き継がれるまちづくりへの機運
今年の応募は57件あり、書類選考を経てプレゼンされた6件は昨年以上の力作ぞろい。
中でも私が注目した「若者の就農者拡大のための学生農業アルバイト制度の整備」(富山県立大学)は、昨年の最優秀賞の提案が実行される際に、先輩達と一緒に山あいの農村地帯を訪れた後輩の学生たちが考えた企画だとか。
このコンテストが、学生たちの問題意識や課題解決力に影響を与え、先輩から後輩へと受け継がれるものになっていることを感じました。
またその他のアイディアも、社会的に意義があるものを選び、学業の傍ら調査を進め、射水市をもっと良くしようと意見を出し合い提案されていることに、頼もしさを感じました。
世代の男女観を反映
ジェンダー視点から面白いと感じたのは、 富山県立大学工学部の学生さんが企画した「本当の自分を引き出そう!魅力レベルアップ講座,食事会付き」です。
これは、婚活食事会の前に、男女別の「自分磨き講座」と男女合同の「趣味や共通の関心に関する講座(ワインや写真、コーヒーなど)」を行うというものです。
イベント名から「婚活」という言葉をなくすことで、女性の参加率を高めようという狙いがあるそう。
実はこのチームは、ふたりの女性をのぞく男性中心メンバーで構成されていました。
そこで私は「『(女性から高評価を得るための)自分磨き講座』というイベントは、反対に男性が参加しにくくはなりませんか」と質問しました。
すると、男子学生さんは「ぜんぜん、そんなことないですよ」とにっこり。なるほど、「自分磨き」は男性にも響くキーワードかと、男女観の変化を感じました。
ちなみに、男性の「自分磨き」とはなんぞやというと、カラーコーディネートとヘアセットとトーク術(笑)。女性はフィットネスとエステとメイク。
「ヘアセット」が男性で、「フィットネス」が男性ではなく女性なんですね。こういう男女の分断がファジーになるのは時代になるのは
社会起業家が生まれることを期待
今回、気になったのは、解決策の実行主体のことです。
「住民が主体となって行います」「運営にはボランティアが関わります」「(どこかの)社会福祉法人などが…」といった内容が目につきました。
しかし、住民が主体的となって実行するなら、その仕組みや仕掛けが必要(みんな忙しいので、メリットやよほどのやりがいがないことはやらない)です。
さらに言えば、学生自身が社会起業家として利益を出しながら、地域の問題を解決していくようなアイディアがあったら、さらに面白いことになるでしょうね。
例えば、富山情報ビジネス専門学校の「 都市のスポンジ化について 空き家の有効活用」は、利益が出せると本当に考えるなら、学生起業で学生が事業主となって1軒目を手掛けることも可能ではないかと感じました。
また、学生の参画についての質問に「学生は時給850円くらいでも、指示があれば喜んで手伝いますっ!」といった回答もありました。
なんというか、サラリーマン精神というか、社畜根性というか、奴隷マインドというか……(苦笑)。
せっかく高等教育を受けていることですし、学生がもうちょっと高い視点から社会問題をビジネスに変えるようなアイディアと気概があると、射水市民としてはすごく嬉しくなります。少年よ、大志を抱け!という印象ですね。
というわけで、大変興味深い、勉強になるプレゼン発表でした。学生のみなさん、お疲れ様です! 私もなにか考えたくなりました♪
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