お節料理は特別な事情がないかぎり、うちでつくるようにしています。味付けを自分好みにできて美味しいうえ、家族みんなの幸運を祈っている感じが好きなのです。
我が家のお節
今年は、私がこまごまとしたお料理を担当し、母は煮しめと盛るだけの料理を担当しました。
左上から、伊達巻、煮しめ、花れんこん、鰤の鍋照り、黒豆、田作り、数の子、おすわい(紅白なます)、栗きんとん、昆布じめ、たたき牛蒡。
鼈甲、日の出海老、かぶら寿し。
我が家のお節に、ローストビーフのような豪華な料理は並びません。その理由は、お節の意味によるものです。
正月料理に込めた願い
お節など正月料理は、語呂合わせや見た目から縁起のいい由来があります。私もその意味を踏まえ、願掛けの思いでこしらえています。
善哉(ぜんざい)
小豆を甘く煮たぜんざいは、サンスクリット語の「すばらしい」を漢訳した「善哉」からきているとか。
新たな1年がすばらしいものとなりますように。
鰤の鍋照り
鰤は育つとともに名前が変わる出世魚。子供たちの輝かしい将来を祈って。
私は手軽につくれる鍋照り派です。
田作り
氷見産カタクチイワシでつくりました。昔イワシは肥料として使われていたことから、豊作を祈願した料理です。うちは米農家なので。
伊達巻
伊達巻は巻物の形から「知恵」を意味するそう。「伊達」から豪華さ、美しさも意味します。知恵と美の両立「才色兼備」を祈って。
はんぺんでつくるお手軽レシピです。
鼈甲
鼈甲は富山の郷土料理です。寒天を煮て醤油と砂糖で味をつけた汁に溶き卵を流して、鼈甲のような模様をつけます。
うちには祖母が使っていた鼈甲専用の型があります。これで作った山型の鼈甲をランダムに並べて、立山連峰を表現するのは私流。
立山連峰が今年も守ってくれますように。
ちなみに今年は、 私が受け継いだ祖母の味(通常紹介されているものより、かなり甘しょっぱい)の分量を把握すべく、鼈甲好きの中1三女とともに材料を計量しました。
保存版レシピとして、記録しておきますね。
よし子の鼈甲 材料(我が家の鼈甲型1本分)
- 棒寒天 2本
- 水 1L
- 醤油 大さじ8
- 砂糖 85g
- 卵 2個
日の出海老
海老は長いひげから、長寿の象徴です。「腰が曲がるほど長生きを」という願いをこめて、丸まるように加熱します。
両親がいつまでも元気で長生きしてくれますように。
栗きんとん
栗きんとんはその色から、金運アップの象徴です。
私はめんどうくさがりで、さつまいもを潰すだけのペーストですが、今年は高1次女が丁寧に裏ごししてくれました。なめらかで美味しい!
昆布巻き
昆布巻きはダジャレで「よろこんぶ」。
今年もいいことがたくさんあって、笑顔が溢れますように。
花蓮根
私は普段、飾り切りなど見た目のために手間をかけることはありませんが、お節は特別。蓮根の外側を穴に沿って削り、お花を型取りました。
娘たちの未来が、華々しく明るいものでありますように。
黒豆
黒豆もダジャレですね。「まめまめしく働けますように」の意。「まめまめしい」は「忠実忠実しい」と書き、怠けずせっせと働く様子を意味します。
今年1年、健康に働けますようにと願って。
たたき牛蒡
深く根を張る牛蒡は、基礎や土台がしっかりしていることの象徴です。胡麻と醤油で和えました。
今年も自分の価値観や家族など、自分の根っこを大切に、生きていきたいと思います。
食べてくれる人がいる幸せ
このほか、煮しめは山の幸を盛り合わせた料理であり、中に欠かせない手綱こんにゃくは、良縁の象徴です。
……こんなことを考えながらつくりました。
幸せを祈る相手がいること、一緒につくってくれる人がいること、食べてくれる人がいることのありがたさをひしひし感じます。
今年も家族みんなが健康で、いい1年になりますように。
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