東京ドームで行われた、フランシスコ教皇によるミサに参列してきました。ミュージカルのように歌が多く、生演奏と歌声の美しさに心が洗われるよう。世界がひとつと感じられるひとときでした。
私がミサに参列したいきさつ
家は浄土真宗という私が、教皇のミサに参列したきっかけは、カトリックの従兄弟のFacebook投稿でした。
「パパ様の来日が発表されました。東京ドームでミサって、聖体拝領どうすんだろ。」
聞けば、1グループ6人まで申し込みOK。非カトリックであっても参列は可能とのこと。
実は、ローマ教皇には、ちょっとした思いいれがあります。
というのは、18年前、当時6か月の長女と二人で、イタリアを3週間旅したことがあります。
このとき、年配女性から「赤ちゃんを守ってくれますように」(と言っているような雰囲気で)、当時のローマ教皇であったヨハネ・パウロ2世のブロマイドやミニフレームをいただくことが数回ありました。
最後に訪れたローマからバチカン市国にも赴き、日曜日のミサを遠目にみていました。
また、2度めに3歳長女、1歳次女と一緒にローマに行ったときは、数日前にヨハネ・パウロ2世が逝去。市内の店はほとんどが閉まり、雨まで降ってなんの観光もできなかった思い出があります。
というわけで、洗礼は受けていないものの、カトリックやキリスト教の文化・美術などには、関心があります。
ローマ教皇の訪日は38年ぶりだとか。こんな機会はめったにない!と従兄弟にミサの申し込みを頼みました。
そして待つことしばし。11月10日ごろ、当選の連絡が!
こうして、従兄弟とその家族、同じく好奇心で申し込んだ姉2と5人で、教皇のミサに参列することになったのでした。
教皇フランシスコってこんな人
カトリック教会は、教皇を頂点に枢機卿、司教、司祭、助祭と階層をなす組織です。教皇フランシスコは、前教皇のベネディクト16世の後を継いで、2013年に第266代ローマ教皇となりました。
フランシスコ・ザビエルでおなじみのイエズス会の出身で、フランシスコは本名ではなく、清貧と奉仕の生涯を送った聖人「アッシジのフランシスコ」に由来します。
生まれ育った地は南米のアルゼンチンという、非ヨーロッパ出身の教皇は珍しいそう。多くの国を訪れ、民衆と直接触れ合うことを大切にしているそうです。
法王? 教皇? どっち??
ちなみに、以前は「法王」と「教皇」という呼び方の両方が使われていましたが、日本の司教団では1981年のヨハネ・パウロ2世の来日時に、日本政府はでは今回の教皇フランシスコ訪日に合わせて「教皇」で統一することを決めました。
「教える」という字のほうが教皇の職務をよく表わすから、というのがその理由です。
会場の東京ドームは人・人・人!
さて、当日は、朝発の新幹線で東京に向かい、東京駅で姉2と待ち合わせ。東京ドームに向かいました。
所定のゲートから、まずは荷物検査です。
いよいよドームの客席です。
開始までまだ2時間ほどありますが、すでに人・人・人!
私たちの席は、スタンドの前のほう。まあまあ近そうです。
受付では、旗が配られていました。
浄土真宗の私と姉は、「これ、いつ振るの?」と???マークです。
アイドルのコンサートを彷彿とする教皇入場
開式の1時間ほど前に、聖職者の方々(ざっと見て100人くらい?)が入場。その後、黄色いジャンパーを着たスタッフの方々が柵を持って、移動してこられました。
こんな感じでスタンバイ。
警備員やSPと思しき眼光鋭きスーツの男性らもこちら側に。なんでしょう??
と、不思議に思った謎はすぐに溶けました。
教皇フランシスコの登場です!
「パパモービレ」と呼ばれるオープンカーに乗ってアリーナの通路を1周する教皇に、参列者が「キャー!」の声援とともに走りよります。
そう! 旗はこのとき振るものだったのです!!
この姿に「トロッコにのってファンサービスするジャニーズアイドル」を彷彿とする私。
ちなみにジャニーズファンのみなさんは、トロッコが来ても走り寄ることはしません。その意味では、コンサート以上の興奮状態です。これは、バリケードで止めないと大変なことになります。
写真を取る人たちもこの熱狂ぶり!
教皇の登場って、「キャー!」なんですね。まず、度肝を抜かれました。
多言語で行われたミサ
その後、ミサが始まると、ドームは一転、厳粛なムード。写真も旗振りもNGのようです。
ミサは、日本語だけでなく、英語、韓国語やタガログ、ベトナム語など、日本に多い外国人の言葉やラテン語がまぜこぜ、手話もつけて行われ、大きなモニターがいくつも設置され、字幕もつけられました。
こうした多言語のミサは日本では珍しいようですが、日本に多い外国人にも配慮されているかららしいです。
言葉や歌が記された式次第は、当日配布されただけでなく、HPにも掲載されていました。>>教皇ミサ式次第
式次第になかったのは、当日の言葉です。午前中の若者との対話について取り上げ、
「日本は経済的には高度に発展していますが、社会で孤立している人が少なくない。最も重要なことは、何を手にしたかではなく、それを誰と共有するかだ」と、他者と分かち合うことの大切さを述べられました。
ミサは、高校生らの聖歌あり、オーケストラやパイプオルガン、トランペットソロ、ギター演奏なども交え、まるでミュージカルのようでした。
約2時間半のミサは小さい子どもには長いようで、寝落ちする子、泣き叫ぶ子もいましたが、そうした子たちも追い出されはしないところがいいなと感じました。
聖体拝領はドームの外で
ミサのクライマックスと言えば「聖体拝領」。「聖体」とはキリストの体をさし、「聖体拝領」ではキリストの体として信じられた特別なパンを、神父から一人ひとりいただいて食べます。
ちなみにパンといっても、コイン型に薄く焼いたウェハースのような、モナカの皮のようなものです。
5万人の参列の東京ドームミサで、「聖体拝領はどうするんだろう」という疑問が。
正解は、「ミサの中では、アリーナ席だけで聖体拝領が行われ、スタンド席は出口で」でした。
というわけで、ドームの出口はこの混雑。
カトリックの洗礼を受けていない私や姉は、聖体拝領はできません。しかし、祝福を受けることができると従兄弟から教えられました。
そこで、洗礼を受けていないこと伝えると、神父さまは私の頭に手を置いて「神様の祝福がありますように」と言ってくださいました。
なんだか、清々しいような、暖かいような、すっきりした気分になっていることに気が付きました。
今まで、アメリカでホームステイしたときや、イタリアを旅したときなどに、ミサには参列したことがありましたが、日本語訳つきで始めから終わりまで、ミサに参列したのは初めての経験です。
お話や歌の内容を理解すると、ミサは日常のアレコレをしばし忘れ、世界の平和を願い、自分の行いを省みる時間なのだなとしみじみ感じました。
信仰はどうあれ、みんながこういうひとときを持つようにすれば、世の中はもっと平和に、人の孤独も少しは癒やされるのではないかと感じました。
貴重な経験をもたらしてれた従兄弟に感謝しています。
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