最近注目を集める「エシカル」という言葉。なぜ「エシカル」な考え方やモノの買い方が必要なのか。京都のエシカルなドーナツやさんも紹介します。
エシカルとは倫理的であること
エシカルとは、英語の「ethical」。直訳すると「倫理的な」という意味です。
「法律などの縛りがなくても、みんなが正しい、公平だ、と思っていること」を指し、近年は地球環境や人、社会、地域に配慮した考え方をこう呼ぶようになっています。
エシカルが注目される理由
近年、「エシカル」という単語が注目されるようになったのは、SDGsに代表される世界的な課題があります。
解決には「人、社会、地球環境、地域のことを考慮して作られたモノを購入する」エシカル消費が必要だと考えられるようになっているからです。
エシカルな消費とは
では、エシカルな消費とはどういうものでしょうか。
例えば、「ブラック企業のように労働搾取する会社からは買わない」とか「環境に配慮している商品を買う」といったことです。
今までも、「エシカル」な消費の方法はありました。
- フェアトレード
- オーガニック製品
- 地産地消
- 障がい者や被災地を支援する商品
- 伝統工芸
- 寄付付き商品
私たちは製品を手にとっても、その裏側にある世界的な課題をほとんど知りません。
例えば、コンゴで問題になっている性暴力の背景には、レアメタルをめぐる紛争があります。そのレアメタルはスマホやパソコンとなり、私たちが使っています。
メーカーもこれを問題視し、武装勢力の資金源になっていないことを証明されたものを使うようになっています。こうした背景を消費者側も知り、消費に反映させることで、世界をもっとよくするための力になれます。
エシカルなドーナツ
先日、京都を訪れた際、ブランドコンセプトを「エシカル」としたドーナツ屋さんに立ち寄りました。
「hotel koe tokyo」を手掛ける「koe(コエ)」による「koe donuts(コエ ドーナツ)」です。
天然素材のドーナツ
こちらのドーナツのキーワードは「オーガニック」「天然由来」「地産地消」。以下のような素材で作られています。
- 店内の石臼で、毎日挽いた有機小麦全粒粉
- 自然の力だけで育てられたさとうきびを化学的な精製工程を施さずに結晶化させて製造した砂糖
- 伸美山の豊かな自然の中で育った牛の生乳を85°C15分殺菌
- 玄米の表皮と胚芽から絞った国産の米油
- 美山の豊かな自然に囲まれ平飼いされたにわとりの卵
地球に優しい系スイーツは、正直なところ「これならうちでもつくれる」と感じさせられるものや、あまり美味しくないものもあります。
しかし、これだけの材料となると自分で揃えてつくるのは大変ですし、お味もとても美味しいドーナツでした。これはお店ならでは、と言えますね。
京都らしさを醸す温かな空間
店舗のデザインは、建築家・隈研吾さんによるもの。
京都嵐山の竹を用いた、伝統的な六ツ目編みの竹かごが572個使われています。京都の台所文化を表現しているそうです。
トイレにもエシカルな心遣いをかんじました。
これひとつなら、LGBTの方も気兼ねなく使えますね。
エシカルは高付加価値
こちらのドーナツはけっして安くありません。
プレーンが200円(税別)、トッピングがつくと300円前後です。さらにイートインメニューは……
いちごとクリームを挟んだ「ドーナツメルト」が850円(税別)、乳化剤や輸入白砂糖などサスティナブルでない素材を使わないジェラートをトッピングした「ドーナツメルトパフェ」が1800円(同)です。
普通のドーナツに比べるとかなりお高い。
しかし、あれだけしっかりと素材を紹介され、エシカルを強調されると、その価格も当然かという気がします。きっとたくさんいらっしゃったスタッフの人件費も、正当に支払われていることでしょう。
いいものをつくり、その事実と価値を発信して、その価値観を認め賛同する人を集めれば、単価は上げても大丈夫ということがよくわかります。お店は大繁盛でした。
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