イオンモール高岡が9月14日に増床&リニューアルオープンしました。フロアーには北陸・富山初出店の店舗もいっぱい。また、地元の企業のお店も頑張っています。イオンに訪れたら、地元・富山や高岡の商品を購入して、地元の企業も応援してみてはいかがでしょう。
オープンから17年のイオンモール高岡
イオンモール高岡は、2002年にオープンしました。日韓共催のサッカーワールドカップが開かれた年です。楽天市場やAmazonができて数年後というタイミングでした。
このころ、高岡の市街地商店街は「シャッター街」の様相を呈していたと記憶しています。
私は当時、神奈川に住んでおり、帰省した際に、話題のイオンモール高岡を初めて訪れたときには、その人出の多さにびっくり。
「高岡の人は、お金の使い先にこんなに飢えていたのか」と驚いたのを覚えています。
それから17年。13年前にUターンした私たちが住む家から自動車で10分あまりの場所にあるイオンは、私たちの生活に欠かせない存在となっています。
以下では、まず、イオンについて、おさらいしてみましょう。
イオンの歴史
イオンの歴史は長く、1758年(宝暦8年)に、のちに呉服店となる岡田屋が三重県四日市市で創業しました。
1969年には「小売業の近代化」を目指し、岡田屋と兵庫県のフタギ、大阪府のシロの3社が合併し、「ジャスコ株式会社」を設立しました。
2001年には社名を「ジャスコ株式会社」から「イオン株式会社」に変更。ちなみに「イオン(AEON)」は、ラテン語で「永遠」の意です。
2008年、イオン株式会社は、事業持株会社から純粋持株会社へ移行しています。アジア最大級の小売企業となっています。
イオンのビジネスモデル
ビジネスモデルは、利益率の低くした「小売」で集客して、利益率の高い金融と不動産で稼ぐというスタイルです。
安さと品揃えを武器に集客したら、次はそのお客を「金融事業」に誘導します。
「金融事業」とは、イオン銀行(住宅ローン等)や電子マネーのWAON、イオンカードなどですね。ほら、イオンの通路には、イオンカードの入会窓口がよく設けられていますよね。
もうひとつの「不動産業」は、デベロッパーと呼ばれる業種。つまり商業施設「イオンモール」の出店料で儲けます。イオンが大家さんで、テナントのお店が家賃を払うわけです。
客寄せとして利益を抑えた小売業はパワーは凄まじく、地域の商店街を食い尽くす「焼畑商業」と揶揄されることがあるほどです。
商店街とイオン
イオンのような大型店舗の影響で、地元の商店街がすたれるという意見があります。
しかし、高岡にイオンができたとき、すでに地元の商店街は歩く人も少ない状況でした。私ももともと商店街育ちなので、それは実感しています。
地域の商店街すたれたのは、家族経営で営むビジネススタイルが今の社会に合わなくなってしまったのが大きな原因ではないかと私は思います。
跡継ぎの子供がよその会社に就職して、新興住宅地に家を建てれば、商店街は廃れます。
それは、跡継ぎの人が悪いのではなく、産業や労働の仕組みやライフスタイルの変化によるものです。
また、地元店舗のサービスレベルの問題もあります。
私は「地元で買い物をしよう」という気持ちが強いほうですが、買う気で店を訪れても、商品の品揃えが悪くて買いたいものが見つからないとか、接客態度が悪くてがっかりすることがよくありました。
値札がなくて「価格が分からないから売れない」と言われたこともあります(嘘のようなホントの話)。
廃れるのが大型店舗のせいというなら、いい商品を揃えているか、いい接客をしているかという反省も必要だと感じています。
旧市街地の住居兼商店は空き家が増えていますが、イオンの周辺には商店や飲食店などが増えています。
イオンの集客力を逆手にとって、さらに安売り展開するスーパーができている地域もあるとか。こういうたくましさは、見習いたいですね。
地方と都市部の格差解消
地方と都市部の便利さの格差解消という点でいうと、東京や海外にいかないと手に入らないものが簡単に変えるようになったのは大変ありがたいことです。
20年くらい前、ニューヨークを旅したとき、憧れの「スポーツオーソリティ」に買い物に行きました。まさか高岡にスポーツオーソリティができるとは、夢にも思っていませんでした。
ベトナムで買い込んできたフォーもライスペーパーも、イタリアのビール・モレッティも、イオンで手に入ります。
消費者目線で言えば、イオンのような大型店のおかげで、地方生活が便利になっているのは、まちがいありません。
ライフラインを支える存在
大型店舗の是非はさておき、ライフラインを支える存在としても、大型店舗は大きな役割を担っています。
例えばイオンは、高岡市と災害時の避難所や物資供給に関する協定を結んでいます。
朝にネットで注文すれば午後に商品を届けてくれる宅配サービスは、かつての行商さんの役割を担ってくれています。
出かけにくい子育て家庭や、重い荷物を運べる人がいない世帯にとっては、救いとなっていることでしょう。
なれない地域にドライブに行き、どこで買出しをすればいいか迷ったとき、イオンの看板に安心したことがある人も多いのではないでしょうか。
こんな背景から、イオンのような大型店舗は地方で暮らす人にとって、恩恵とそうではない面の両方があると感じてはいます。
そのうえで、地方の発展するために、利用できるところは利用させてもらい、協力できるところは協力する…という関係がよいのではないでしょうか。
イオンモール高岡のリニューアル概要
そんなわけで、イオンの高岡店の増床リニューアルのお話です。
増床は既存店舗の西側、北陸新幹線の新高岡駅の向かい側の農地を借りて行われました(地主さんがウラヤマシイ)。
大型アミューズメントなど70店舗が増え、専門店は200店舗。北陸最大級のショッピングモールとなりました。
東西をつなぐと600mほどになるそう。往復して歩けば1階で1200m、2階で1200m…雨の日の多い富山県で格好のウォーキングコースになりますね(笑)。
増床したエリエには、最新機器のアミューズメントスペースができたり……
お肉料理がいっぱいのフードコートができたり。
オープン当日に訪れたら、見て回るだけでワクワクしました。これから、いろんなお店をじっくり見るのが楽しみです。
高岡の歴史と伝統産業をPR
近年、イオンは「地域の人々とともに、地域社会の発展と生活文化の向上に貢献する」という方針を掲げています。
環境保全やコミュニケーションの場の提供、伝統文化の継承などに力を入れているそうです。そういえば最近、地元の大学や中学校などの作品発表などもよく行われています。
増床したエリアには、こんな掲示がありました。
おトイレ前に(笑)、高岡の歴史に触れられる通路。
ちなみに、外観は高岡の千本格子をモチーフにしているそうです。
また、今回のリニューアルで注目したいのが地元企業の出店です。
例えば、高岡地域の地場産業品を扱うアンテナショップ「T.OCUL(ティ・オクール)」。
富山で伝統工芸に関わる10社でつくる合同会社が運営し、高岡銅器や高岡漆器、越中福岡の菅笠など県西部の工芸品のギフト商品を扱います。
個人的には、既存の伝産品ギフトのお店は、商品が素敵なのに、ラッピングがぐちゃぐちゃだったり安っぽかったりしてがっかりすることが多い印象。
こちらには、アンテナショップとしての情報発信とともに、素敵なラッピングにも期待しています。
地方企業のイベントスペース出店は続けてほしい
「地元」を「北陸」と捉えると、リニューアル前に東館2階Zoff前のイベントスペースに期間限定で年数回出店していたネパール雑貨屋さん「orangutan オランウータン」(福井県永平寺町)のことが心配でした。
うちの家族は、とくに次女がこのお店が好きなんです。
というのは、横浜に住んでいるときに好きだったエスニック雑貨の「チャイハネ」(株式会社アミナコレクション・神奈川県横浜市)が今回出店しました。
中華街のお店、懐かしい!と、それ自体は嬉しいものの、「orangutan オランウータン」が駆逐されはしないかと心配しておりました。
チェックしてみたら、品揃えはけっこう違うよう。今後もぜひ高岡に来てほしいと願っています!
地元のお店で買い物しよう!
このほかにもイオンのテナントには「SAKURA SWEETS」(株式会社ZAXFOX・富山県魚津市)など、地元のお店がちらほらと混ざっています。
例えば……
- WARM WHITE(ファッション/ レディス、株式会社フォルム、射水市)
- オッズ・オン・コンプレックス(ファッション/ レディス、株式会社スクランブルエッグ、富山市)
- 開進堂楽器(楽器、音楽、高岡市)
- GLEN PARK(ファッション/ レディス、株式会社ブルーコムブルー、高岡市)
- スタジオbe(写真館、株式会社ジャパンビジュアルサポート、上市町)
- パティスリーシュシュ( 洋菓子、株式会社ボン・リブラン、富山市)
- ミッシュローゼ(洋菓子、砺波市)
- ギャラリーメモリア(インテリア仏壇・仏具、株式会社大越仏壇、高岡市)
- スペラモード(ジュエリー、株式会社大坪、高岡市)
- ヴィヴァーチェ( ジェラート・クレープ、川田食品株式会社、氷見市)
- イープレシャス(リサイクル、金商 株式会社、高岡市)
※全部はあげきれていないと思います。
多くの人が訪れるイオンで、地元企業が知名度を上げ、利益を上げていくことを期待しています。
イオンに出かけたら、目新しいお店を楽しむのはもちろん、さらに地元のお店でもお買い物をして地元企業の応援してみてはいかがでしょうか。
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