ダイエットするぞ宣言から6ヶ月。低炭水化物ダイエットには体質・心情両面から挫折し、あふれる「健康的な食」の情報に「何を信じればいいのだろう」と迷走中。そんな私が、今回出会ったのは「ご飯をしっかり食べよう」という食事方法です。
制限食への違和感
昔からの定番のダイエットである「低脂質」「ご飯抜き」などのカロリー制限、最近は「糖質制限」をはじめ、「医者が認めた食物は5つだけ」とか断食など、食べることを制限する食事方法が流行しています。
でも、糖質制限を心がけたらお金がかかったり、太ったり、糖質制限している人の精神的に元気ない姿を見たり、健康にいいというバター入りコーヒーがすごくまずかったり、どうも違和感をもっていました。
基本的な考え方は「長寿の食卓」
そんななか、出会ったのがこちらの書籍。
著者の柏原ゆきよさんは、管理栄養士。体も脳も元気を保ちながら年齢を重ねている高齢者の食事を調査して、中年以降も健康にパフォーマンスを上げられる食事法を提案するようになりました。
その食事は「ストレスオフ」が基本。ご飯と味噌汁をしっかり食べる和食です。
目的は以下のようなことです。
- 自律神経を整えて心身を元気に
- 幸せホルモン「セロトニン」の分泌を促し、気持ちを明るく
- 消化器を鍛えて、歳をとっても食べて消化できる体を
- 体温を上げて、エネルギーを消費しやすく
- 内蔵脂肪を燃やして、お腹まわりがすっきり
確かに、短期間でシェイプアップされた体型を手に入れたとしても、疲れやすかったり、メンタル不調だったり、将来の胃ろうを招くようでは、意味がありません。
ダイエットは目的ではなく手段です。元気に楽しく精力的に毎日を過ごすことが、スリムになりたい理由ですものね。
身近な人の食生活に納得感
「ご飯をしっかり食べると元気で体型もよくなる」…という説に納得がいったのには理由があります。
それは、身近の高齢者の食事と体型・活動の関係です。
「百姓が米を食べなくてどうする」と日頃から丼飯を食べる父は、ヤセ型で筋肉質。70代半ばを過ぎても、農業や庭仕事に精を出しています。
一方、母はご飯をほんのひとくちしか食べませんが、体型はぽっちゃり。考え方も明るいほうではありません。
また、75歳で立山登山を果たした母方の祖母もしっかり食べるひとでした。体型はスリム、肌はツヤツヤ、火葬のあとも太い骨が残っていました。
お菓子を食べて食事をしないこともあった父方の祖母は、ぽっちゃり体型。元気な人ではありましたが歳とってからの骨折をきっかけに寝たきりとなり、火葬の後は体の骨のほとんどが崩れて残っていませんでした。
本書では、中年以降の「疲れやすい」「やる気が出ない」という悩みは、エネルギー不足やセロトニン不足、自律神経の乱れからきているといいます。
また「食事を減らすダイエット」を「食べて消化する」という機能を低下させ、脳の状態を悪くし、老後に深刻な悪影響を与えるものと警鐘を鳴らします。
※詳しい理由は解説されているので、興味がある方は本書をご一読ください。
雑穀入りご飯たっぷりと具だくさんみそ汁が基本
では、実際にはどんな食事をとるのでしょうか。本書では、以下のような食べ方を勧めています。
日々の食事
- 「美味しい」といいながら、楽しく笑顔で食べる
- 3食、よく噛んで食べる
- 1回の食事には20分以上かける(食事の時間はスケジュールに組み込む)
- 夜遅い食事でも、ご飯と味噌汁を食べる
- お腹がすいたときの間食は、ご飯を食べる
- ご飯を1日に660g(2合分、茶碗5杯)食べる
- ご飯に雑穀を混ぜるとなおよし
- 具だくさんの味噌汁を1日2~3回食べる
- おかずは、タンパク質がとれるものを1品(量はご飯のお供程度でOK)
- 質のよい米や味噌、調味料を選ぶ
- 無性に食べたくなったものは、体が欲しているので我慢せず食べる
- サプリメントはいらない
外食
- たまに好きなものを思い切り楽しむ
- 麺類よりも定食がオススメ
- 揚げ物はよい油を使ったものを
- 「大戸屋ごはん処」がオススメ(柏原さんがメニュー監修)
飲み会
- お酒は質のよいものを飲む
- おつまみは「ネバネバしたもの」「豆・豆製品」「緑黄色野菜・海藻」「きのこ」からまず食べる。
- 肉や魚のあとは「ご飯と味噌汁」を食べる
運動習慣がある人の注意点
- 過度な運動は体にむしろよくない(膝や腰を傷めたら、老後に歩けなくなる危険増)ことを認識する
- 運動は胃腸も疲労させるため、消化のよい、抗酸化作用の高い食品をとる
要約すると、「ご飯を丼1杯と具だくさんの味噌汁を食べ、おかずはご飯が進む程度で十分」。ご飯好きの私にとっては、まったく苦ではない、むしろ嬉しい食事方法です。
健康と食事の管理は一生のしごと
柏原さんは、「ワクワクする将来の目標をもつ」こと、体型面は「体重よりも見た目を重視する」ことの大切さを強調。健康と食事の管理は、一生続けるものなので、我慢やストレスがあってはいけないといいます。
我慢やストレスなしで続けるには、日々の調理や経済的にも「疲れない」ことが重要です。
ご飯と具だくさん味噌汁中心の和食は調理の手間が少なく、肉を多く食べる低糖質ダイエットと比べても食材の鮮度管理が容易な上、食費も抑えられます。
理論的には納得・共感するところの多い本書。最大の疑問は「本当に、お腹がスリムになるのか?」という点です。疲れなさそうだけど、ヤセなさそうではありませんか(イメージは、元気でふっくら肝っ玉母さん)?
「1週間から10日でも効果が出る」というので、ちょっと試してみようと思います。
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