先日、産婦人科の女性医師・種部恭子先生から、更年期対策など、女がそのライフサイクルに合わせていかに健康を維持して活躍するかというテーマでお話を伺いました。
講師は、女性クリニックWe!TOYAMAの産婦人科医、種部恭子先生
講師の種部先生は、女性の健康と生き方を応援したくて産婦人科医になったそう。女性の生き方を応援するためには社会啓発活動も必要との考えで、講演の講師やパネリストなども積極的に引き受けていらっしゃいます。
この日の講座もそんな啓発活動の一貫です。
女性の健康寿命を延ばすことは社会保障の問題
100年後の人口は、明治維新当時ほどになると予測されているそう。
明治維新時との違いは、年代の構成です。人口の半数が高齢者と予想されています。
さらに、老人の過半数は女性です。「女性の老人」は、現在、要介護状態の期間が男性にくらべ、1,5倍にもなります。
将来、この女性たちの介護を社会が背負いきれなくなる恐れがあるそうです。
100年後の高齢者といえば、人生が100年以上になった子どもたち世代。他人事ではありません。
女性が健康に年齢を重ねることに、社会全体で取り組む必要があると感じました。
月経トラブルは低用量ピルで解決可能
「女性の健康と活躍はセットで考えるべき」と主張する種部医師。体調が悪いと生産性は著しく低下するので、この主張には大賛成です。
女性は、月経周期の関係で「好調」な時期が月に1週間程度しかありません。
それ以外は「生理中」で腹が痛かったり、下痢や吐き気、頭痛や抑うつ状態だったり、「月経前症候群」で眠いとか、イライラする、集中力の低下などなど。
この不調の時期に試験や大会、大事なプレゼンなどが重なったらたまりません。
実は、現代の女性は昔の女性に比べて400回も月経が増えているそうです。つまり、月経由来の不調の期間も長くなったということです。
昔の女性は16歳くらいで初潮を迎え結婚。すぐに妊娠と出産を繰り返し、40歳くらいから閉経を迎える50歳ごろまでのみ、生理を毎月迎えていました。
しかし、現代の女性は12歳で初潮を迎え、初産の30歳まで18年間、生理を毎月迎えます。また、33歳あたりで出産を終え、その後50歳頃まで17年間、生理が続きます。
出産回数がへり、月経や排卵が増えた結果、乳がん、子宮内膜症、子宮体がん、卵巣がんが増えることがわかっています。
こうした諸問題への対応策が低用量ピルです。
生理の回数をへらすことで、月経の影響によるパフォーマンスの低下を防ぐことができるほか、月経困難症(月経痛 ) の改善、貧血の改善、子宮体癌の予防、卵巣癌の予防に効果があるそうです。
私はすでに、仕事や大会などで月経の影響で支障をきたすことが多かったことから、お医者様に相談し低用量ピルを利用しています。
しかし、日本では少数派で(フランスなど外国では高校生から利用する女性も珍しくない)し、薬価もフランスに比べかなり高いなど(気軽に使えないようにするためか)、利用のしづらさは感じています。
ピルへの「女性の不調を解決するための薬」としての認識が広げる必要があると再認識しました。
更年期からの不調にはホルモ ン補充療法
「初潮教育はあるのに、閉経教育がないのはおかしい」と種部医師。更年期には女性ホルモンが失われることから、さまざまな不調や苦痛が女性を襲います。
それを「我慢しないで、受診してほしい」と、閉経や更年期について伝える活動を続けています。
この問題への対応はホルモン補充療法です。女性ホルモンの減少をなだらかにすることで、不快症状を軽減し、臓骨粗髯症、アルツハイマー病などの病気を防ぐこともできるそうです。
また、更年期以降の女性のお悩みとして知られる尿失禁(尿もれ)も医学的に治療が可能とのこと。「みんなそうだから」「いつか終わるから」と我慢しなくていいのですね。
女性はもっと「自分ファースト」でいこう
お話の中で心に残ったのは「女性はいつも誰かの世話ばかりして自分を後回しにしている」という指摘です。
家族などのために自分の食事や睡眠を後回しして身体を酷使してきたことが、更年期以降の不調や病気となって現れることも多いそうです。
栄養不足解消のためすぐ実践できる方法も教えていただきました。
「自分の食事をゆっくりする暇もないという人は、つまみ食いで肉や魚などをしっかり食べて、残りを家族にだせばいいんです!」
けだし名言(笑)。このくらいしたたかに自分ファーストで、婦人科医療をうまく頼って、健康に年齢を重ねていきたいものです。
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