週2日営業の人気パン屋さんT&M Bread Delivery SADO Islandのライフスタイルとブランディング【佐渡グルメ】

佐渡国際トライアスロンに参加したとき、朝ごはんを購入するため素敵なパン屋さんに立ち寄りました。そのゆったりと心地よさそうなお仕事ぶりと伺った暮らしぶりには、自宅しごとを営むワーキングマザーのライフスタイルへのヒントがありました。

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【T&M Bread Delivery SADO Island の店内】

目次

朝ごはんのために立ち寄ったパン屋さん

T&M Bread Deliveryさんを訪れたきっかけは、佐渡国際トライアスロン大会に参加するために佐渡に行ったことです。

私はあえて食事なしのお宿を選び、近隣の美味しいお店を利用するのが大好き。今回も、食事なしの格安宿に滞在し、その分の予算は食に回す作戦でした。

モーニングを食べに散歩するのはなさそうな立地に、今回は「美味しいパンを購入し、部屋で朝ごはん」と考えて、佐渡のパン屋さんを調べたところ、島の入り口である小木港と宿がある新保地区の間にあったパン屋さんが、T&M Bread Deliveryさんでした。

20年以上前に佐渡に移住したニューヨーク出身のご主人と日本人の奥さんが独学で始めたお店で、営業は金曜・土曜日の週2日のみ。東京など島外のイベントなどに出展すると長蛇の列ができるそう。こんな個性的なプロフィールを見たら、行くしかないでしょう。

感じのいい店内に美味しそうなパンがずらり

カーナビをあわせて、T&M Bread Deliveryに向かうと、そこはかつての商店街という風情の通りでした。

建物の幅ほぼいっぱいの引き戸、入ると土間、奥に居室という作りの古い建物が、お目当てのお店でした。

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その通りの前に車を停めると、私たちの前に後ろに次々と車が止まり、こじゃれた若い女性がお店に吸い込まれていきます。

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扉を開けると、木とハーブ、籠などをつかって素朴ながらおしゃれな店内に、ふっくらと美味しいそうなパンが並んでいました。

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こちらは、自家培養の酵母を用いた無添加のパンを作っていらっしゃるとか。

北海道産バターとゲランドの塩を使ったクロワッサンや、りんごが何層にも重ねられたアップルパイが特に人気です。

気さくなご主人との会話も魅力

とそこに、ご主人が奥から出ていらっしゃいました。その風貌に、同行した小6三女の目が点になってしまいました。

というのは、ご主人のヘアスタイルが「ドレッドヘア」だったからです。三女がドレッドヘアを見るのは初めて。地元にいると、学校の先生以外の外国の方と出会うことさえ珍しいのに、初めてみるヘアスタイルに好奇心が止まりません。

「あれ、髪の毛け? どうやって洗うん?」

と小声で質問してきます。

そんな私たちの目線に気づいたのか、気づかないのか、ご主人は笑顔で、いちげんさんの私たちに話しかけてくださいます。地元の人間ではないのはすぐに分かるよう。そんな雰囲気に気付き、

「週末のトライアスロンに参加するために佐渡に来たんです」

と自己紹介したら

「Amazing! 信じられない! お母さん、すごいね、かっこいいね」

と三女にまた声をかけてくれました。やや警戒していた三女も、ほっと笑顔。

「それ、髪の毛ですか?」

と質問しちゃった!

「そうだよ」

と和やかにおしゃべりが始まりました。

きっと、気さくなご主人とのおしゃべりや、のんびりした買い方も、このお店の魅力なのでしょうね。

暮らしを楽しむために働きすぎない

下世話かもしれませんが、正直なところ、お店を出たときには、

「週2日しか開店しないお店で、どうやって食べていけるのかしら。もしかして、地主か大家業など副業で稼いでらっしゃるのかしら」

と疑問を感じていました。あとからこのお店を知る人とお話しすると、どうも副業で稼いでいるのではないらしい。

では、もっとお店を開ければ、もっと売上が上がり、利益も上がることでしょう。なぜ、そうしないのでしょうか。

ご店主ご夫妻は、プライベートの時間をとても大切にしていて、仕事ばかりの生き方を好まないらしいと伺いました。丘の上の薪ストーブのあるお宅にお住まいで、野菜などをつくって自給自足的に、ゆったりとお過ごしとか。※聞いた話なので、正確ではないかもしれませんが、おそらく遠くない生活ぶりなのだと推察します。

パン屋として高い評価や人気を得ながら、売上アップや規模拡大ではなく、ゆったりとした暮らしを育む。

そんなライフスタイルを実現されているとのことで、なるほどと感服いたしました。

仕事で評価を受けて「拡大」しない生き

自営業・フリーランスやお店などを営んでいると、

「善=周りからの高評価=忙しく活躍している=仕事量が多い=収入が多い」

と考えがちのように感じます。

そのため、

「人を雇って、業務をもっと拡大したらいいのに」

「店鋪を増やせばいいのに」

と勧められるというのは、よく聞く話です。

手帳に仕事のスケジュールがびっちりと埋まっていて、

「忙しくて、忙しくて」

と嘆くのがかっこいい……という空気も感じます。

しかし、このパン屋さんは、パンは高い評価を受け大人気。でありながら、「働く」時間は通常の1/3くらい。

その分の空いた時間で、時間と手間をかけた「暮らし」を丁寧に楽しむ。「働く時間が短い=低評価」ではないということですね。

こうした働き方を可能にするためには、何が必要なのでしょうか。

ブランディングと情報発信で「稼ぐ力」を上げる

働く時間が短いだけでは、「働く時間が短い=低収入」になりがちです。

そうではなく、「働く時間が短い」でも、十分な収入を得るには「稼ぐ力を上げる」ことが必要です。つまり、時間あたり、一人あたりの単価や利益率を上げればよいのです。

先程のT&M Bread Deliveryさんの価格も、お安くはありませんでした。

クロワッサンは250円、アップルパイは400円、クルミとレーズンのパンはこぶりながら700円と、地方のパン屋さんとしては高めです。

それでも、イベントでは行列ができる。「お店をもっと開けてくれればいいのに」といいながら、週に2日の開店日に合わせて、遠くからお客がわざわざやってくるのです。

もちろん、「パンが美味しい」という技術と商品の質の高さが前提として必要です。

そのうえで、ご主人ご夫妻の価値観や世界観を発信し、共感するような人(例えば私)にうまく伝えることが、こうした働き方を可能にする秘訣ではないかと感じました。

こちらのお店の場合は、Facebookやインスタグラムのほか、テイストのあった地元の雑誌や全国紙に取り上げられている情報も、とても好感の持てる素敵なお話でした。

こういったライフスタイル(働き方、暮らし方、ブランディングや情報の伝え方)は、「自宅しごと」だったり、育児など家族のケアに多くの時間を割く必要があるワーキングマザーにも、とても参考になると感じました。

佐渡に行く機会があったら、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

翌日の朝ごはん、とっても美味しかった! ごちそうさまでした。

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お店情報

ジャンル:パン

TEL:090-3064-2880

住所:新潟県佐渡市羽茂本郷634-2

営業時間:7時30分~18時※パンがなくなり次第終了

定休日:日~木曜

https://www.facebook.com/islandbakery

http://tm-delivery.com/

商店日報

昨日はまる1日事務所につめて、とある冊子の編集業務。やりたいと思っていたところまでは進めることができてスッキリしました。

GOOD&NEW

パケ買いしたベトナム炒飯の市販調味料を試してみたら、まずかった……あれなら、自分で普通に作るほうが簡単で美味しい。

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