この夏、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』に出てくる「そよ風の扇風機」のモデルになった扇風機を買いました。お高い扇風機を「ストーリー」に共感して買うのは、騙されているんじゃないか? という疑問を考えてみました。
【確か風が違う!と感激する娘たち】
誤った「ストーリーブランディング」は「騙し」に近い
まずは扇風機を購入するまでのお話と、それにまつわる「ストーリーブランディング」については、こちらをどうぞ。
商品が粗悪なのをごまかすのは論外
ストーリーブランディングというと、思いやエピソードのように、商品そのものではない霞のようなものに価格を上乗せすると誤解する方もいらっしゃるようです。
しかし、「ストーリー」を伝えて、商品・サービスを選んでもらう前提として、「商品・サービスがよい」ことがあります。なのに、売れない。その問題の解決を目指す手法です。
今の日本ではある程度の品質の商品があれこれ揃います。その中で、その企業や商品・サービスに関する隠された「あるがままの姿」をキチンとお伝えすることで、「これにしよう」と選ぶ判断材料が「ストーリー」です。
その判断材料が「価格の安さ」の人もいれば、「知り合いが扱っている」の人もいるでしょう。
なので、「ストーリーのせいで粗悪品を高く売られる」というのではありません。ここは誤解なきようにお願いします。
エピソードが嘘なのは「嘘つき」
エピソードや品質に関する情報発信が「嘘」という可能性も、確かになきにしもあらずです。
品質や価格については、「景品表示法」という法律で、品質や価格などが現実と異なる「不当表示」は禁止されています。どの企業も、表示にはかなり気を使っています。
一方、ストーリーとして描かれるエピソードは、確かに嘘がないとも限りません。経歴詐称はいけませんが、イメージダウンを防ぐために何かを伏せておくこともあるでしょう。
消費者・ファンとして夢を見ていたい場合もあるわけで、ここは情報の受け取り手によって、どう考えるか違うことろでしょう。
今は情報化社会です。あちこちに掲載された情報の辻褄が合わないといったことがあれば、エピソードの真偽が疑わしい。といっても、マスコミの書くことが必ず正しいとも限らないわけで、ここは判断の難しいところです。
感動を煽りすぎると気持ち悪い
やたらと「感動秘話!」みたいに煽られると、「こういうの好きでしょ。感動してね~」と感情を操られているようで、それはそれで気持ち悪い感じがするのではないでしょうか。
私はすごく気持ち悪さ、居心地の悪さを感じます。
こうした気持ち悪いストーリー紹介文に共通するのは、主観的な表現で感情的で、形容詞がやたらに多いとか、具体性に欠けることではないでしょうか。
事実に関する記述を積み重ねることで、結果として感動や共感が生まれる……というスタイルが、信憑性があり、本当に人を感動させるエピソードを伝える手法だと私は考えています。
というわけで、発信されている情報がストーリーブランディングもどきの騙しでなく、自分の価値観で判断して購入したならば、ストーリーに惹かれて購入することは、「騙された」のではありません。
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ここだけに掲載している林原りかの「自分史的自己紹介」をお届け後、言葉やブランディングで、ビジネスと人生を充実させるヒントをお伝えしています。返信もOK!