なごみ処 穂(みのり) ー富山県射水市で地元の旬を余すところなく味わえる店。お客に志を伝える情報発信にも注目【射水市グルメ】

先日、地元のお気に入りのお店「なごみ処 穂(みのり) 」を友人に紹介し、一緒にお料理をいただきました。美味しいのはもちろん、食や料理に対するお考えや発信する姿勢に、家庭料理人として、情報発信者として共感するところがあるお店です。

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【我が家の近くで実る稲穂 2017年9月撮影】

目次

地元食材を美味しく食べられるといえばここ

私がこのお店を知ったのは数年前、『はっぴーママ富山版』の編集長をしていたとき、地元食材を使った子供が美味しく食べられる料理を紹介する記事の企画を立てていたころです。

そのとき社史を作らせていただいていた会社の社長との雑談でそのことを話したら、

「それならオススメしたいお店がある」

と教えていただいたのが、「なごみ処 穂(みのり) 」さんでした。

他のお店や料理ジャンルとの兼ね合いで、そのときはご依頼するに至りませんでした。

しかし、個人的に食事に伺い、その美味しさや料理への姿勢に共感するところが多くありました。

大島絵本館前。板張り平屋の和食店

「なごみ処 穂(みのり) 」を知らない人にお教えするとき、とても便利なランドマークがあります。

それは、「射水市大島絵本館」です。この施設もオススメスポットなので、絵本好き、小さいお子さんをおもちで行ったことがない方はぜひ。

この絵本館の真ん前に建っている板張り1階建てのお店です。

外観・内観の写真は撮りそこねたので、興味ある方は「なごみ処 穂」で画像検索してみてください。

画像検索すると、外観・内観のほか、美味しそうなお料理の写真もたくさんヒットしますよね。

「寿司と田舎料理」で祖母の味を受け継ぐ

そう、画像検索でもおわかりのとおり、お料理のジャンルは和食です。メニュー表には「寿司と田舎料理」とうたっています。

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  • 鮮魚は、新湊、氷見、魚津や近海の能登の海から
  • 野菜は、ほとんどが自家栽培無農薬。足りない分は射水産を中心に県内産
  • 寿司は、食材に下味をつけてタレを塗った田舎寿司
  • シャリは、射水市産コシヒカリと梅酢入合わせ酢
  • 旬は、先取りした「走り」の提供は行わず、この地域本来の「旬」の味
  • 味付けの基本は、おばあさまのふみ子さんが日頃つくっていらした味

とのこと。

おばあさまの味を孫が記憶して、こんなふうに出されたら、おばあさまもさぞ嬉しいことでしょうね。家庭料理の作り手として、羨ましくなりました。

素材の味を引き出したお料理の数々

「なごみ処 穂(みのり) 」さんで使われている素材は、無農薬だったり、目利きが違っていたりするといえど、同じ市内にある我が家でも手に入りそうなものがほとんどです。

この日いただいたお料理に使われた野菜は、茄子やコーン、豆、みょうが、玉ねぎ、ピーマンなど、大葉以外はすべて自家製とのことでした。

我が家でもほぼつくっています。うちは大葉もつくっています。

でも、ご主人の手にかかると当然のことながら、お料理の見た目も味も、私の料理とはまったく違います。

注文は単品でお願いすることもできますが、私はおまかせが好きです。

この日も、唯一の定番メニューである「祖母直伝・穂の玉子焼き」とシメにお寿司を数貫いただきたいこと、そのほかの品数を指定して、おまかせでお願いしました。

では、この日いただいたお料理をご紹介いたしますね。

まずは先付からスタート。

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次はお造りです。

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手前の焼き目がついているのは、めったに手が出ない旬の味・ノドグロです(正式名は「アカムツ」。新湊では「魚神(ぎょうしん)」と呼ぶそうです。かっこいいですね)。

お醤油は、射水市の中六醸造元(中六醤油)さんのものです。市販されていない無添加だとか。

奥のバイ貝の入ったグラスに添えられた茶色いのは、バイ貝の肝だそう。バターなどが混ぜてあり、レバーペーストのような味わいでした。そのままだと残されがちな肝を食べやすく……という工夫です。

「食べずに捨てがちなところも、食べやすく料理することで美味しくいただこう」……というのは、「なごみ処 穂(みのり) 」さんのお料理の魅力のひとつです。

例えば、お造りの次に出されたのはこちら。

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海老の頭をこんがり揚げたもの。

「硬いところもあるので、食べられる範囲でどうぞ」

とのことでしたが、私はパリパリと全部平らげましたよ。

旨味たっぷりで、超贅沢なえびせんという感じです。

お次はサクラマスの南蛮漬け。奥にあるのは、自家製の筍漬けだとか。

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サクラマスと聞いたら、射水市堀岡で養殖されているものかと思いましたが、こちらは天然物。養殖は求めるサイズまで、まだ育っていないそうです。

次は焼き物です。

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左上はスズキの昆布締めを焼いたもの、手前はマグロです。

ピーマンは小ぶりのものを種ごと丸まま焼いてあります。この時期のこのサイズなら種も美味しくいただけるそうです。

つけだれは、これまた中六醸造元さんの塩麹タレです。

ここで、リクエストしていた玉子焼きが登場しました。

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2人分に分けて盛り付けてくださいました。焼き立て、厚くて、ふんわりやわらか。出汁がしみ出てきます。おばあさま、お上手すぎ!

次は揚げ物です。

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奥は自家製ナス、隣はニギスと昆布をクルクル巻いたもの(これはうちでも、再現を試してみたい!)。

そして、一番気に入ったのは、手前の「ひげつきヤングコーン」です。

ヤングコーンといえば缶詰や水煮のイメージが強い野菜ですが、特別な品種があるわけではなく、実は普通のとうもろこしの文字通り若いものです。

今の時期は、トウモロコシを大きく甘く育てるために、1株に2本程度残して間引きします。

この間引いたものが、ヤングコーン。だから今が旬なんです。

そして、ヤングコーンで美味しいのが、ひげなんですって。このてんぷらは、ひげを実にぐるりと巻いて揚げてあります。

中のコーンはホクホクと甘く、ひげはパリッ、サクッ。テクスチャのコントラストも楽しめました。

さて、ラストはお寿司です。生姜の甘酢づけも自家製です。

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最初のお魚はスズキ。身のシャクシャクとした歯ごたえがたまりません。

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お次は「デブガツオ」。

なんだか失礼な名前ですが、ヒラソウダを地元ではこう呼ぶそう。富山湾地付きのカツオです。

こちらはスズキと違ってもちっとした食感です。これまた美味しゅうございました。

ちなみに、この日はいただきませんでしたが、穂(みのり)さんはデザートも手作りとのこと。イチゴやミックスベリーのジャムなども、自家製でストックされているそうです。

次は、お菓子もいただいてみたい。子供たちも連れてきて食べさせたいと思いました。

今日もご馳走さまでした!

食の大切さを伝える専門調理食育推進員

この日いただいたバイ貝の肝や海老の頭といい、ピーマンの種といいトウモロコシのひげといい、

「捨てられがちなもの」

は、「捨てるものを使うから材料費がオトク」というものではないと思います。

「捨てられがち」にはそれなりの理由があります。

美味しく食べようとすると、鮮度がより大事となり、調理の手間がかかるものです。料理をする方なら、分かっていただけますよね。

それでも、あえて料理するご主人。そこには「食育」への思いもおありかと拝察します。

ご主人の菅本学さんは、富山県で初めて、専門調理食育推進員の資格を取得なさっています。

この資格は、専門調理食育推進員、地域における食育推進活動のリーダーとして活躍できる人材を育成するために創設されたもので、専門調理師・調理技能士かつ食育に関する豊富な知識があって取得することができます。

これからも、美味しいお料理で楽しませていただくのはもちろん、次世代に受け継ぐべき「良質な食」を啓発していく役割も担っていかれるものと思います。

プロから見ても、主婦の家庭料理はすごい

この日は、私と同じく地産地消や家庭での料理づくりを推奨している管理栄養士さんとお邪魔しました。

ご主人の菅本さんは「食」に関心のある我々に料理や食材について、丁寧に説明してくださり、管理栄養士さんはまた質問と、もう、お互い話が止まらない。

プロ料理人と管理栄養士の会話を隣で聞くことができ、とても勉強になりました。

ところで、プロの料理人であるご主人から見ても、家庭の主婦が、家庭用の台所設備で毎日弁当をつくったり、30分程度で食卓を整えたりすることは、「すごい」と感じるそうです。

むかし、料理研究家の小林カツ代さんが、

「『日本の家庭料理』は、『和食』『中華』『フレンチ』のように、料理の1ジャンルだ」

というようなことをおっしゃっていらしたことを思い出します。

ご主人に毎日の弁当づくりを褒めていただき、

「私も、家庭料理に精進します!」

と、やる気がわきました。

ご主人の食談義に興味がある方は、断然カウンター席です。

なごみ処 穂(みのり) さんの情報発信

なごみ処 穂(みのり) さんは、SNSを使ってお料理の写真や食材の入荷状況をこまめに発信されています。

穂さん フェイスブック

穂さん インスタグラム

料理写真は、

  • 自然光がお店に差し込む昼間に撮影する
  • 何枚も撮って一番美味しそうなものを選ぶ
  • 調理前の魚の写真はアップしない(好まない方もいるため)

など、美味しそうに見える工夫をなさっているそうです。

小規模なお店は特に、その価値観や姿勢を理解したお客に深く愛され、そんなお客様にばかり来ていただくのが理想的かと存じます。

穂さんでは、店内のメニューには、食育の知識をお客にお教えするような文章や料理にかける思いを手書きで掲載しているほか、

「ひとりでつくっているのでお待たせすることがあります」

「ツケはいたしません」

といった、お店の姿勢に合ったお客を引き寄せるための情報発信がしっかりとされていました。

お店を出るときは、火曜日の22時すぎだというのに、お店はまだ大賑わい。予約してから行かれることをオススメします。

なごみ処 穂(みのり)  お店情報

ジャンル:和食

TEL:0766-52-7653

住所:富山県射水市鳥取49(大島絵本館の向かい)

営業時間:18:00〜23:30

定休日:日曜

商店日報

昨日はとある団体の企画会議にアドバイザーとして参加しました。

とても意欲的に企画提案され、これからがとても楽しみです。

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