「取材されたい」と思ったときにはプレスリリース。元新聞記者がプレスリリースを出すメリットと送り方を解説します

マスコミという第三者的な立場から取材してもらえるということは、珍しいこと、世の中のためになる活動をしているということ。「信頼できる情報」として、読む人に認識されることが多いことでしょう。この点が広告やブログなど自分で発信する情報との大きな違いです。マスコミから取材されたい…と考える事業主の方は、多いことでしょう。

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目次

取材されるメリット

では、「取材してもらいたい」と考えたとき、あなたならどうしますか。

すでに知り合いの記者さんがいる、マスコミと強いパイプを持っている方であれば、その方にご連絡すればいいですね。そうしたご縁がまったくない場合は、どうしたらいいと思いますか。

元新聞記者・雑誌編集長という経験も踏まえ解説します。

中小企業にとって大切な「パブリシティ」

「マスコミに取材されるための活動」を「パブリシティ」といいます。大きな広告予算を持たない中小企業や個人事業主が、認知を広げたいときには、取材されるのが効果的だということで、「パブリシティ」を大切に考える方も多いのではないでしょうか。

「社会的意義のあること、貴重なことを真摯にやっていれば、取材依頼は勝手にやってくるはず」
というのが理想的ではありますが、最近なにかと話題の人手不足はマスコミも同様のこと。限られた人数の記者で、あらゆる世の中の動きをキャッチして、あなたのキラリと光る個性にも注目して取材を依頼してくれるかというと、難しいこともあるでしょう。ですから、人づての「ネタ提供」は、記者にとっても大事な情報源です。

私が新人の新聞記者だったときは、ネットでの情報発信はまだ少ない時代で、さらに地元の知人も少なかったため、取材すべき面白い情報をなかなか見つけることができず苦労しました。紹介すべき活動をしている人たちも、取り上げられたいと思っている人もいるはずなのに、なかなか出会うことができないんですよね。

地方紙が面白いのは、やはり街の話題や地元ならではのニュースがあるからということで、地方のマスコミにとって、地元の情報はとても大事です。私の地元の新聞社、北日本新聞もHPに「情報や報道写真の提供、記事についてのご意見」と情報提供の受付窓口を設けています。

社会的意義のあることや希少性の高いことであれば、マスコミ側から喜ばれる情報提供です。また、全国的なメディアよりは、地元のマスコミの方が小回りがきき、地元密着のネタに関心が高いため、地元に根ざして面白い活動をされて、取材されたいと考えている中小企業や個人事業主の方は、まずは地元のマスコミに情報提供してみてはいかがでしょうか。

情報提供は「プレスリリース」がオススメ

では、どのように情報提供をすればよいのでしょうか。記者の知り合いがいない場合、情報提供の仕方としては、すぐ思いつくものとしては、先程の情報提供窓口や電話でしょうか。

私が記者のときには、「アポなし訪問」もありました。当時は記者の部屋に、外部の方も出入りでき(きっと今はそんなことありませんよね)、そこへとある飲食店の方がクーラーボックスに「取材してほしいもの」を入れて持ってきて、突如プレゼンを始めたとことがありました。

ガッツは素晴らしいのですが、記者の忙しい時間だと迷惑がられて聴いてもらえない可能性大です。また、何回も使える方法ではないですね(出入り禁止になるかも?)。電話も、記者の時間を「前触れなく奪う」という点では、同じように嫌がられる可能性があります。

そこで、よく利用される方法が、「プレスリリース」です。

「プレスリリース」とは、報道機関に向けた情報提供のこと。「こんな話題があるので、取材しませんか」と書面にしたものです。受け取ったマスコミは、その内容を読み、取材するかどうかを判断します。

「プレスリリース」の送り方

書面の送付方法には、郵送、FAXなどがあります。郵送は、記者の方の個人名までわかると、そのデスクまで届きますが、部署名しかないと、部署内で迷子になって読んでもらえないこともあるようです。

また、FAXは、送られる側の紙とインクを使われることを嫌がる方もいらっしゃいます。また、広告と紛れることもあり、写真が真っ黒になってしまうこともあります。というわけであまりオススメしていません。

そこで、比較的記者の手元に届き、読んでもらいやすい方法が、
「記者室(記者クラブ)に提出する」
という方法です。

「記者室」は、公的機関や業界団体などが取材の為に、記者クラブに対して貸している部屋のことです。

例えば富山県庁の場合、見取り図の336に「県政記者室」というのがあります。

ただ、県政記者室は、基本的に「県政」を扱う記者がいらっしゃる場所なので、ジャンルが違う情報提供は受け付けてもらえないこともあるようです。また、見てもらえても、担当違いということで、関心を持ってもらえないこともあります。

そこでビジネス関係のPRでオススメなのは、経済記者クラブです。

商工会議所の中にあることが多く、浜松商工会議所さんのように、資料投函や記者会見などプレスリリースの手順まで紹介されているところもあり、参考になります。→こちら

そのほか、市役所の記者室も多くのメディアが所属しています。

例えば、私の地元、射水市役所の間取り図を見ると、射水市役所にも、4階に「記者室」というのがありますね。

記者室には棚があり、各メディアの名前が書いてあります。その棚に置いてある書面を、各メディアの記者の方がチェックをするという仕組みです。お知らせの書面を持参し、棚に入れてくることは「投げ込み」と呼ばれます。

記者室の近くで資料を持ってキョロキョロしていると
「投げ込みですか?」
と声をかけられることもあります。その場合は、「はい!」と答えてください。

商工会議所や市役所など、その記者室によって、資料提出の仕方は異なることもあります。棚に自分で入れてくる場合もあれば、係の方にお渡しして名簿に名前を書くといったこともあります。その記者室の流儀に従って、提出してください。

タイミングが良ければ、記者の方にご挨拶したり、情報提供内容についてお話できるかもしれません。

情報提供の前後に、考えておいたほうがいいことはいろいろありますが、長くなったので、今回はここまでにいたします。興味ある方は、ブログをまたチェックしてくださいませ。

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